日本の文学賞

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かわいそうだね?

大江健三郎賞

かわいそうだね?

綿矢りさ

恋人の元彼女が部屋に転がり込んでくる表題作と、女子同士の関係を描く作品を収めた小説集。親切、嫉妬、恋愛の境界がずれ、誰かをかわいそうだと思う感情が、他者を支配したり自分を傷つけたりする瞬間を描く。

恋愛同情嫉妬女性同士の関係

作品情報

「かわいそう」という感情は、優しさにも暴力にも変わっていく。

文藝春秋から2011年に刊行。綿矢りさが、恋愛における優しさ、被害者意識、自己正当化を鋭く描いた小説集で、第6回大江健三郎賞を受賞した。

レビュー要約

  • 軽やかな会話の奥に、恋愛関係の息苦しさや善意の危うさが潜む点が読まれている。登場人物の判断に共感と違和感の両方を抱かせるところが作品の力になっている。

書籍情報

出版社
文藝春秋
発売日
2011-10-28
ページ数
256ページ
言語
日本語
ISBN-13
9784163809502
ISBN-10
4163809503
価格
1100 JPY
カテゴリ
本/文学・評論

私の彼は元彼女と同棲中……週刊誌連載時から話題を呼んだ表題作と、女子同士の複雑な友情を描く「亜美ちゃんは美人」の2篇収録

レビュー

  • 10年以上経って忘れられずに再購入しました

    大学生だった頃に表紙買いして、そのときは物語の筋が童話のようなハッピーエンドとも行かなかったからか、何度か読んでその後売ってしまいました。でも、海外に住み始めて活字に飢えていたからか、『かわいそうだね?』の主人公の最後の狂気に触れたくて、自分が今抱えてるもやもやを代替してほしいような気持ちで思い出したこの小説を電子版で再購入しました。あのときは分からなかった、「自分一人分の重みだけ乗っている」清々しさ、『亜美ちゃんは美人』、のどうにも駄目そうな人だけど、見渡す限り亜美の人生を生かしてくれそうな宗志さんとの結婚、人生って、誰かのものでなく自分の物だという気持ちで挑めること自体が、貴重で、傷ついてでもその「自分の」人生を勝ち取ったのがこの二人なんだと思いました。弛んでいた私に喝をくれてありがとう。二人に幸あれ!

  • おもしろかったです

    りささん特有の少しひねくれた(?)感じの文章が小気味よく,一気に読めました。

  • まあぁ

    分かるような分からないような不思議な印象 読者に、いろんな物が託されてて、どう理解しようか迷う感じ こんな感じもあるのかな?って話でしtw、わたしにとっては

  • 女同士の複雑な心境をうまく書いている小説

    かわいそうだね?は現在の彼女と元彼女という女同士の複雑な心境をうまく書いている。綿矢りささんの作品の中でも最も表現力が豊かで魅力的な作品

  • 浅いようで意外に深い。

    2作とも、他愛のない話のようでありながら、実は深いところもあるような。綿矢さん作品は初めてでしたが、なかなかの方だと思いました。いまどきなノリの中に、チラチラと見える闇のようなものが魅力かもしれません。

  • 2編とも面白い

    どちらも面白くてテンポが良く、どんどん読めてしまうので、 読み終えるのがもったいなかったです。 「かわいそうだね?」 私は元カノと今カレの同棲なんて許せないし、まずあり得ない。 しかもあんな元カノと付き合ってたなんて、まずそんな男はナイですね。 いわゆるダメ男ですもん。 あんな男と付き合ってたら自分の価値が下がる気がするし。 でも主人公はそれが解っていても別れられないんですよね。 これが現実なのかな〜とも思えるところが綿矢さんの上手いところですね。 「亜美ちゃんは美人」 亜美ちゃんが落ちていくところがほんとに上手く書かれすぎていて、 読んでいて気持ちが悪くなり軽い吐き気さえ感じましたね。 人物像の描写が上手すぎる!まるで目の前にいるかのよう。この一言に尽きます。

  • わからないようでわかる

    男女のわからないなさが露呈されてると思いました。 とにかく読んでて、スッキリさせて欲しいと思うが、男女でそれぞれの解は違うんだろうなと思い読めました。 状況設定は最悪ですが、人間らしい内容は、素晴らしかったです。 ただ全体的に狙ったのかわかりませんが、チープでしたね。 チープが肝なのかもしれませんが。

  • こすいすれっからし

    私的、綿矢りさベストの一冊。 『亜美ちゃんは美人』にて、綿矢りさの天才っぷりを見せつけられました。林真理子先生にこの”モテ”の苦しみは絶対書けない。期待され所有される対象である特別な人、亜美ちゃんと”親友”さかきちゃん。亜美ちゃんの美人っぷりを描写したシーンが美しい。でも、やはり読んでるだけで「ずるいな、いいな」と、浅い嫉妬が終始つきまとって息苦しく、そんな自分は見苦しい。ですが、一方で美形の亜美ちゃんが抱える生きずらさは、誰もが意外と共感するところであるとも思いました。なぜなら、実際以上を他人様や世間様から期待されてそこに寄り添って生きることほど、長くてつらい人生は、ちょっとないのでは?と心から思うのです。「自分を理解してほしい。尽くしてあげたい」とかって、一意専心な善良さに対して、むげな顔は向けられない。しんどいの連続です。こたえきれない私が悪い・・・降り積もる善意にお応えするこちらの労力は?って、逆にお訊きしたいわ。「演歌か!」って、所に私はいますよ。 『かわいそうだね?』。「友達だよっ」とかって言いながら、男にじりじり接近してく”こすいすれっからし”、私は嫌いだな~~。ですが、すんごいリアルな人物描写に、思わず「どなたか、モデルいます?」ってなんか苦笑。吉本新喜劇っぽい迫力のラスト、なぜかすんごい納得です。

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