作品情報
戦いすんだ後に残る記憶へ、老作家が最後の鐘を鳴らす。
文藝春秋公式、古書店書誌、インタビュー記事で単行本の ISBN と内容を確認した。文庫版もあるが、受賞時期に近い単行本の識別子を採用する。
レビュー要約
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長い作家人生を背景にした迫力と、過去の人物を容赦なく見つめる筆致が評価されている。私小説的な重さを感じる読者もいるが、晩年の到達点として強く読まれている。
書籍情報
- 出版社
- 文藝春秋
- 発売日
- 2014-12-06
- ページ数
- 475ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784163901787
- ISBN-10
- 4163901787
- 価格
- 2250 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論
老作家・藤田杉のもとにある日届いた訃報――それは青春の日々を共に過ごし、十五年のあいだは夫であった畑中辰彦のものだった。共に文学を志し、夫婦となり、離婚ののちは背負わずともよい辰彦の借金を抱えてしゃにむに働き生きた杉は、ふと思った。あの歳月はいったい何だったのか? 私は辰彦にとってどういう存在だったのか? そして杉は戦前・戦中・そして戦後のさまざまな出来事を回想しながら、辰彦は何者であったのかと繰り返し問い、「わからない」その人間像をあらためて模索しようとした……。 『戦いすんで日が暮れて』『血脈』の系譜に連なる、かつて夫であったでひとりの男の姿をとことん追究した、佐藤愛子畢生の傑作長編小説。
レビュー
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探しあぐねた末に...
愛子ファンの母の誕生日プレゼントに出来ました。ありがとう御座いました。
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とても綺麗な単行本です
視力の弱い80代の母が読みたいとの事で探しましたが、古い作品なので新刊は文庫本しかなくリユースで単行本を利用しました。 状態は中古とは思えないほど綺麗とのことで大変喜んでもらえました! 勿体無い世代なので返ってリユースは良かったです。
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う~ん。何て言うかな~。
私は以前から佐藤愛子さんのファンでしたが今回ばかりは大変失礼ですが佐藤先生ではなく他人の手を感じてしまうような筆致でした。これは年齢を重ねられ文が重厚になったなったという事なのでしょうか?それでも尚、先生独特のユーモアや良い意味の毒が柔らか過ぎると感じられるのです。 帯に書かれている内容にハッとさせられ購入したのですが、病床で読んでいた手が三分の二程の所でピタリと止まってしまいました。 本来は読み終わってから投稿すべきなのでしょうが、いつ完読するかわかりませんので(それは本のせいではなく私の抱えている難病のせいです)パソコンに向かえる今日のような気分の良い日に投稿させて頂きます。読了して私の感想が間違いだったと思った時にはレビュー、或いは出版社宛てに再投稿致します。
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すごい記憶力に圧倒されました
2番目のご主人が主役の小説です。いつも思うのですが、エッセイなどもそうですが、いつもすごいなって思うのはその記憶力です。 それがこの小説でもいかんなく発揮されています。また佐藤愛子といえば、装飾を嫌った率直な思考文体も好きです。
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ミレーの晩鐘が浮かんだ
寛容な男 鈍感な男 明るい詐欺師 ぼんくら ひとは畑中辰彦を、そう呼ぶ。 「およそ人間ほど高く育つものはない。 深く滅びる者もいない」 これは、彼の口癖である。 彼は、夢を見ているのだろうか。 滅びることを恐れず 高みに上れると思ったのか。 だが結局、破綻した。 そしてまた、破綻した。 そのつけの後始末を、杉は回された。 別れた旦那なんか 無視すりゃいいだろう。 煮え湯を飲ました奴は 切り捨てりゃいいだろう。 なのに、彼女は心ゆくまで怒らなかった。 「辰彦は彼なりに 一生懸命に生きた」 杉は黙って、受け入れるという。 その時ふと、ミレーの晩鐘が浮かんだ。 一日一生懸命働いた農夫婦が 晩鐘を聞いて祈りを捧げる絵である。 彼女と農婦を重ねてみる。 はたして杉は、怒るだろうか。
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「血脈」はよりは迫力が足りません。
「血脈」は著者の父母と兄弟を描き切った傑作で、誠に読ませました。エッセイ「坊主の花かんざし」が著者の最高傑作と思いますが、小説の中では一番の作品ではないかと思います。しかし、肉親を描くにしても、元は他人であった「夫」を描く場合、やはりその迫り方に於いて、物足りぬのは仕方が無いのかもしれません。著者自身が「あとがき」で「また、同じことを~」と書いている様に、「戦い済んで~」「ソクラテスの妻」で散々描かれた、元夫の性格と行動経歴を改めて「まとめた」としか思えません。勿論、保高徳蔵氏と思われる人物に宛てた書簡形式を挿入し、川上宗薫氏を連想させる人物を登場させるなど、様々な工夫を凝らして入るのですが、どうにも退屈でだらだらとした印象しか持てない読後感でした。
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とても考えさせられました
プレゼントにしました。とても喜ばれとてもよい買い物をしたと思います。つぎを早く決めたいです
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待ち望んでいました。
しみじみと感じました。作者の久しぶりの小説なので、うれしく拝見しました。戦い澄んで・・とは別の角度からの構成なのかとも思いましたが、流れているものは同じで、亡くなった夫に対する作者の人間愛や深い洞察が感じられます。離婚という人生のつまずきにもかかわらず、生きていくことのすばらしさや喜びを感じさせていただきました。
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