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文學界新人賞

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年森瑛

高校生のまどかが、呼吸するように人に合わせてしまう言葉と身体の違和感に向き合う。

身体違和感現代性

作品情報

高校生のまどかが、呼吸するように人に合わせてしまう言葉と身体の違和感に向き合う。

高校生のまどかが、呼吸するように人に合わせてしまう言葉と身体の違和感に向き合う。。

書籍情報

出版社
文藝春秋
発売日
2022-06-22
ページ数
120ページ
言語
日本語
サイズ
13.7 x 1.4 x 19.6 cm
ISBN-13
9784163915623
ISBN-10
4163915621
価格
1485 JPY
カテゴリ
本/文学・評論/文芸作品/日本文学

選考会で異例の満場一致! 第127回文學界新人賞受賞作 松井まどか、高校2年生。 うみちゃんと付き合って3か月。 体重計の目盛りはしばらく、40を超えていない。 ――「かけがえのない他人」はまだ、見つからない。 優しさと気遣いの定型句に苛立ち、 肉体から言葉を絞り出そうともがく魂を描く、圧巻のデビュー作。 ★★★ 文學界新人賞・全選考委員激賞!! ここには誰のおすみつきももらえない、肉体から絞り出した言葉の生々しい手触りがある。――青山七恵 安易なマイノリティ表現への違和感の表明であり、同時にそのような表明の安易さへの批判でもあるという点で、まさにいま求められる文学なのではないか。――東浩紀 本作には紛うことなき現代を生きる人間が、そして現代がぶち当たっている壁が克明に描かれている。――金原ひとみ 世界が傷つくとみなす事項に対する、最初からの「傷ついてなさ」が、ぐっとくるのだ。――長嶋有 満場一致の受賞となり、今後の活躍を楽しみにしている。――中村文則 主人公にとって、また小説にとって、とても重要なもの、安易に言語化できないものたちが、物語の力によって、この小説の中に確かに存在している。――村田沙耶香

レビュー

  • LGBTQ…の過剰な権利主張や承認欲求に物申す

    私も当事者として、昨今のマイノリティに対する行き過ぎた「尊重」や「配慮」に違和感を覚えている一人。 LGBTTQQIAAP・・・は?どうせならアルファベット全部表記して A to Z にしたら? レッテル貼りが嫌なくせに、どんどんカテゴリを増やして細分化し自らレッテルを貼っていく矛盾。 「認めて!認めて!」「同じ価値観の人(だけ)で仲良くなりたい」 そんなんじゃ本当の意味での社会的認知は進まない。 自分と違う認識の人に対し、たとえそれが当事者であっても「無知」「無理解」と排他的になる。 寛容な社会を望む心が、いつしか先鋭化し独善的な正義で他者を差別する側に回っている。 アクティビストは、そこら辺の不条理についてそろそろ自覚すべき。 性に限らず、各々あらゆる面で違うし一人ひとり悩み事も異なる。 同性婚も良いが、夫婦別姓も認められない今の古臭い結婚制度に押し込められたいのか?ただ結婚式を挙げたいだけなら、それは真の「結婚」ではない。 一当事者として日々、活動家の傲慢さに呆れている。 環境を守れと主張するために、美術館に行って絵画にトマトスープをかける活動家と大差ない。 ・・・とまぁ、そんな現状に「文学」という物語で異議を唱えた本作は、エンターテインメントとしても痛快で、マイノリティであろうとなかろうと一読の価値あり。そんなに長くないし、文体も難しくないため読書家でなくても一気読みできるので是非!!

  • 話の構成が美しく、ラストはここ最近で一番

    無意識にしてしまう属性定義への拒絶と容認が一つの体に内在していく女の話

  • 普通とは

    最近よく言われている、普通とか個性とはどういうものか。を問うている内容かなと思いました。ふむふむという感じで納得できつつさらっと読めました。

  • あれっ、終わり?

    受賞した作品を読みたいと思い、この作品と出会いました。サンプルで冒頭を読んでみて、すぐさま続きが読みたい!という気持ちで即購入でした。惹かれた要因になっているのは、帯に書かれた「体重は40を下回っている。」という表現の一言。この一文が、この後どう関わってくるのか?と思い、サクサク読み進めてしまいました。 後半のシーンでは、生理を表現する生々しい言葉たちに、電車で読んでいた私は立ちくらみがしそうでした。意味を咀嚼していないけどこのまま読み返すことなく次の文章へ行きたい。生理の時期の感覚を忘れない、なんて思いました。 Kindleで読んでいたため、後どれぐらいで読破できるのか物理的に把握しないままズカズカと読み進め、次はどんな展開になるのだろう、とソワソワしながらページをめくったところで話が終わってしまいました。結局、生理が嫌で食べるのを極度に減らした、箱入り娘の話、なのかなぁって。自分を理解してくれる人はいないって諦めが前提にあって、でもいつかそんな人と出会えるんじゃないかって希望がどこかに、僅かに光っていて。他人への希望を捨てきれなかったんですね。私なら、理解してくれる人がいないことを諦めるより、そもそも他人に期待することを諦めるかなぁって。だって他人は自分の意思で100%動かすことは不可能だから。そんな諦めを心のどこかに持っておけば、もっと気を楽にして生きていけるんじゃないかなって思います。 最後に言うならば、体重が40をいかない理由に重みが欲しかった、という点ですかね。よくあるのは彼氏の影響で、とか推しが、とか、愛とか恋とかの恋愛感情によってが多いのかなと思うのですが、ああ、生理で?と呆気を取られた感じがするからです。こういう、人間を描いた作品、自分は好きだと思ってましたが、やっぱりミステリーが好きだから面白いと思わなかったのかな?とも思いますが、だったら『愛されなくても別に』の方が、私の賞を受賞してるかなと、最後に主観を入れさせてください。

  • 自分用メモ

    誰もが望む型にはまらない自分だけの生き方と人間関係を、それを強く望む自分は作り出せず、逆に型にはまった(ように見える)人から受け取る敗北感。

  • 共感ポイントが各所に

    私は女子校ではないですが、女子同士の会話とかコロナ禍の学生の描写がリアルでとてもおもしろかったです。

  • 誰かの話を聞くように、一気に読めた。

    とても痩せている人女子高生がいたとして。 その人に、生理が来ていないらしい、と聞いたら。 拒食症ではないのか、痩せたいからってそこまでする必要ないのではと、 安易に想像してしまう。 しかし、本作の主人公は、「血が出るのが嫌」ただそれだけ。 体重を軽くすることで、生理を止めている。見た目が細いのは、手段にすぎない。 また、パートナーが女性である女性、がいるとして。 他者からは「LGBT」というフィルターで見られることが多いだろう。 本作の主人公は、そうではない。 彼女は「恋愛ではない圧倒的な関係値」が欲しくて、 同性からの告白を受け入れたにすぎない。 他者への説明はとてもむずかしく、 主人公の意思としては割と整理されているが(一番最後の描写を除いて。) そこに対して自分で抱えて葛藤する主人公がいた。 言葉は便利で強すぎるし、そこに意味や理由が追いつくことは基本的にないのだ、と思った。 作品としては、伝えたいことがわかりやすい。単調であるともいえるかもしれない。 が、読む前と読む後で少しものの見方が変わるのが「読書」の 1つの魅力だとすると、本書はまさにそれだ。 「多様性」の安易さについて朝井リョウが「正欲」で痛烈かつショッキングに描いていたが 本書はそれを、とても身近でゆるやかで、 でも「なんだか分かる」感覚に落とし込んでくれる。 作者のコメントを読んだら、 プロットを作らずに一気に書いたらしい。 それが影響しているのか、誰かの話を聞くように、一気に読めた。

  • 「かけがえのない他人」を求めて

    圧倒的。思わずひと息に読みきってしまった。 主人公のまどかは「かけがえのない他人」を求めて女子大生のうみちゃんと付き合うが、周囲からはLGBTの人だと固定されてしまう。 また、女性特有の生理現象への嫌悪感から体重を減らして意図的に生理を止めようとするが、周囲からは体型に悩む拒食症の女の子だと見なされてしまう。 まどかの行動は、世間が想像できるわかりやすい形で認識され何かしらの属性に当てはめられてしまう。そこには大きな乖離が存在するにもかかわらず。 「N/A」とは「Not Applicable」の略号であり「該当なし」を意味する表現であるように、実際まどかは世間一般には該当しないような極めて個人的な思いを抱えているのだ。 誰にも気付かれないまま宙に漂っている、そんな少女の意識を丁寧に汲み取って描かれた傑作であると思う。 読み終えて数日が経ったが、まどかの切実な叫びが今も頭の中に響いている。

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