作品情報
頼朝の挙兵が関東を覆うとき、炎の輪の中で武士たちの野望が燃え上がる。
永井路子の第52回直木賞受賞作。版元ドットコムで文春文庫新装版 ISBN 9784167200503、ISBN-10 4167200503、352ページ、旧版 ISBN 9784167200039 を確認した。
レビュー要約
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鎌倉草創期の人物群を、英雄譚ではなく野心と不安を抱えた人間として描く点が支持される。歴史の大きな流れと個々の運命がよく結びついている。
書籍情報
- 出版社
- 文藝春秋
- 発売日
- 2012-06-08
- ページ数
- 348ページ
- 言語
- 日本語
- サイズ
- 10.7 x 1.4 x 15.2 cm
- ISBN-13
- 9784167200503
- ISBN-10
- 4167200503
- 価格
- 748 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論
激しく、あるときは陰湿に。 源頼朝の挙兵、鎌倉幕府の成立――台頭する武士たちはどう生きたのか。 直木賞受賞作の傑作歴史小説
レビュー
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仲の良い姉妹も、権力闘争の中で悪鬼と化す。
鎌倉幕府草創期から北条政権の確立までの源頼朝、阿野禅師、梶原景時、北条時政、北条四郎らの権力闘争を、北条政子と妹・保子を軸に描く歴史小説4編連作集。政子と保子を対比する手法が面白い。
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ドラマよりえげつない権力闘争
学生時代に読んだ本だった。 「鎌倉殿の13人」を観て、再読しようと取り寄せた。 1.悪禅師 話が地味過ぎた。が、頼朝の性格の面倒くさいところがよく分かった。 2.黒雪賦 若いころはこの話が一番好きだった。梶原景時がシブくてカッコいいと思っていた。中年の今読んでみると、知将だったはずの景時の、あっけない幕切れが寂しい。 3.いもうと 学生時代は心に残らなかったこの話が、年をとると胸に迫る。産んだ子供は乳母に取られる(公家では常識だった乳母制度だが、小豪族の娘だった政子にとって、自分の子を自分で養育できないことは辛かっただろう)。 許嫁の義高を殺されたため、大姫の心も政子から離れる。実朝は公暁に暗殺される。自分の孫が自分の息子を殺害するんだから、政子の人生、過酷過ぎるでしょ。 最後には尼将軍として担ぎ出される。 「尼将軍」と書けば何だか格好いい気もするが、正式に役職についたわけじゃない。 西洋に目を向ければ、イギリスの女王エリザベス一世、ハプスブルク女帝マリア・テレジア、ロシアの女帝エカテリーナ。 彼女たちは女王、女帝、つまり正当な「国の支配者」。 だが政子は違う。 頼朝の妻だった女、同じ北条氏の女だからという理由で弟・義時、その息子の泰時に担ぎ出されただけだ。 ジェンダーレスの現代とは価値観が違う。あの時代の女性にとって、命を産み育むことは女性の権利だった。政子はそれを奪われ、半端な形で「男」にされる。 命を産む側ではなく、「幾万の将兵を死のふちに投げ込む」役割を担う。担わされる。 六十を過ぎて(当時の六十は立派な老人だったろう)、よろめきながら立ち上がる政子。 その政子に比べ、妹の保子(ドラマでは実衣)は夫と息子を失いながらも、四代目将軍、まだ幼い三寅の養育者として、つまり“女”として生きることが許されている。 「保子は何も失ってはいないのかも知れなかった。」 歴史に名の残った政子、名前も定かでないその妹。どっちが幸せだったのか。 4.覇樹 大河ドラマで主役だった北条義時の物語。ドラマより非情で嫌な奴でした(笑 全体の感想として、面白い本でしたが、大河ドラマで鎌倉時代には詳しくなれたので、わざわざ時間作って読まなくても良かったかな~というのが率直な感想です。それくらいドラマは出来が良かった。 この短編集より、長編「北条政子」のほうを推します。
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さすが
ベテラン作家らしい作品
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限りなく暗い
先日読んだ同じ著者の「炎環」。この作品の前に、実は重要な先行作品があるのを知って読んでみた。 「北条政子」が一人の人物を通してこの時代を描こうとしたのに対して(その試みは必ずしも成功したとは思わないが)、この「炎環」は、この時代、特に北条側の4人の人物の生涯を通して時代に接近しようとしたものといっていいだろう。 その四人とは、全成(頼朝の異母弟)、梶原景時、保子(政子の妹であり全成の妻)、そして北条泰時だ。泰時以外は、この時代のドラマの中心人物とは言い難い面子だ。また文章のスタイルは、一人称ではなく、あくまでも三人称で、作者がその思いにしたがってその人物を動かしていくという形を取っている。全編を通して暗いムードが立ち込めている作品だろう。 結論は読者にはすでにわかられている。ということになると、作品の焦点はどの程度個々の人物の内面に作者が接近できて、説得力のあるストーリーを提示できたかによる。 それぞれが、それぞれなりの権力への欲を持ち、それを独自のやり方で持って実現しようと動いた。これが著者のメッセージだ。 僕は、「光風社書店」版のハードカヴァーで読んだのだが、後書きで著者が述べている。 「一台の馬車につけられた数頭の馬が、思い思いの方向に車を引張ろうとするように、一人一人が主役のつもりでひしめきあい、傷つけあううちに、いつの間にか、流れが変えられていくーそうした歴史というものを描くための一つの試みとして、こんな形をとってみました。」 これがおそらく著者の歴史観なのだろう。ただ本書に登場する人物の大部分は、誰も明確な形で、時代の主役になろうとしたものはいないようだ。泰時以外はみな途中でその夢破れている。例外が泰時だろうが、後書きによると、この第四編は、後で付け加えられたもののようだ。本書の締めくくりとしては、的確な人物の選択だが、本書の終わりは限りなく暗い。
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読み応えあり
鎌倉時代の歴史が分かり面白く読み応えがある。
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大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の復習に
NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」が放映されている時に購入し、ドラマが終わってからその復習にと思い読んでみました。大河ドラマのお陰で既に大まかなストーリーが頭に入っているので、小説を読む度にそれぞれのシーンが蘇り、臨場感を持って読み進められます。逆に、ドラマがかなり歴史に忠実に描かれていたんだと、感心もさせられます。 この小説は同時代に生きた4人の視点で歴史上の出来事を描いており、直木賞作品だけにその描写方法は新鮮でした。ただ、同じ出来事に関する記述が繰り返し出てくるため、個人的には一つの視点で時系列で追っていく方が、没入感があって好きな気がします。
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権力を目指した人々の末路が冷徹な視点から描かれる
本書の舞台は鎌倉幕府の創成期で、権力の座を目指した4人の男女を主人公にした4つの短編で構成される。 その4名は順に、源頼朝の弟の阿野禅師、梶原景時、北条政子の妹の保子、そして北条政子の弟の北条四郎義時である。 各々は自分なりに最善と思う方法で荒々しい鎌倉時代の創成期を生き抜こうとするが、皮肉なことに自らが選んだ行動の報いを受けるような形で悲惨な末路を迎えるものもいる。作者は各々の人生を突き放した冷徹な視点で描いているように感じた。 4つの短編はそれぞれ独立しているが、炎環という題名が示す通り4つの物語は繋がっており、同じ事象であっても異なる主人公の立場から見るとまた違った景色が見えるところも面白かった。
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恩師の歴史の先生にプレゼントしたらとても喜んでくれました!
この商品は先生がずっと読み直したかった本らしく、廃盤になってしまった事を残念がっており、ネットで調べたら再販してたので本の番号を教えたのですが、本屋さんではヒットしなかったそうで、Amazonで探したらあったので即購入しました。大喜びして下さって嬉しかったです!