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満州国皇帝の秘録 ラストエンペラーと「厳秘会見録」の謎 (文春文庫 な 61-2)

毎日出版文化賞

満州国皇帝の秘録 ラストエンペラーと「厳秘会見録」の謎 (文春文庫 な 61-2)

中田整一

溥儀と日本側要人の極秘会見録を軸に、満州国の権力構造とラストエンペラーの実像に迫る歴史ノンフィクションです。

満州国溥儀近現代史外交記録

作品情報

満州国皇帝の秘録は、受賞作として読まれるにふさわしい特色を持つ作品です。

溥儀と日本側要人の極秘会見録を軸に、満州国の権力構造とラストエンペラーの実像に迫る歴史ノンフィクションです。

レビュー要約

  • 作品の素材と文体の個性が評価され、読後に残る余韻や構成への関心を集めている。

書籍情報

出版社
文藝春秋
発売日
2012-11-09
ページ数
406ページ
言語
日本語
ISBN-13
9784167838324
ISBN-10
416783832X
価格
290 JPY
カテゴリ
本/文学・評論

極秘とされた満州国皇帝・溥儀の謁見の記録の全貌 外務省出身で、新京の日本大使館書記官であった林出賢次郎は、皇帝・溥儀の絶大な信頼を得、相談相手となり、また専属の通訳として、関東軍司令官をはじめとするほとんどの謁見に同席した。その克明な記録が、戦後四十年経って、和歌山の林出の実家で発見された。 清朝皇帝の尊大さと、傀儡の屈辱。関東軍への不信とおもねり。自らの後継問題と、親族への疑念……。そこに記された溥儀の胸中と肉声は、悲劇の偽国家・満州国の真の姿をあらためて浮かび上がらせる。 昭和天皇に対する絶大な敬意と羨望。帝位継承すら自らきめられないことへの苛立ちと、皇后をめぐる私生活の悲劇。石原莞爾、東条英機らへの歯に衣きせぬ月旦。 昭和史の闇とされた人造国家・満州国の実態が明らかになる。

レビュー

  • 歴史の事実に迫れる貴重な資料

    歴史は時を経るほど当時の環境と当事者、関連者の解釈による物語になるものですが、通訳を通じた原本、メモを基にしたこの本は真実に近い当時の記録によって、読者自らが解釈者になれること、すなわち、事実に迫り、自らの解釈ができることは素敵な体験が出来たと思います。

  • 満州国の理想が挫折したわけ

    鉄道を爆破し、その責任を中国側に転嫁して無理やりでっち上げた満州国。しかしそれは王道楽土、民族協和の麗しい理想実現のためだった、手段は乱暴だったが、目的は正しかったはずだ、と今も主張する人がいる。しかしこの厳秘録を読むと、日本側はもちろん溥儀側にも、そんな理想がはなからなかったと分かる。 本気で民族協和を図ろうとするなら、まず日本国内で実行すべきだった。石橋湛山の警告は今も正しい。

  • 真摯に任務を果たすことは、心が痛い。

    簡単に書くと、関東軍主導で建国された傀儡満州国。その関東軍と皇帝溥儀との会談録。外務省派遣の溥儀お抱え通訳・林出氏が詳細に記録し外務次官等宛に内密にこの会談録を送っていたのが出てきて、それを筆者が短く読み物としてまとめた本。って感じ。会談録そのままの文章や、溥儀の「我が半生」からの引用も含め史実との相違が浮き彫りにされている。皇帝溥儀が決して口外できない様々な「密約」の数々などなかなか興味深い。 …関東軍(日本)が清国宣統帝・溥儀を利用し(中国東北部)とどのような関係を築きたかったのか。それがダイレクトに見える。と感じた。

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