日本の文学賞

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台北プライベートアイ (文春文庫 キ 19-1)

翻訳ミステリー大賞

台北プライベートアイ (文春文庫 キ 19-1)

舩山むつみ

監視カメラが張り巡らされた台北を舞台に、鬱を抱えた劇作家兼大学教授の呉誠が私立探偵を名乗り、冤罪を晴らすため連続殺人犯を追う華文ハードボイルド。

ハードボイルド台湾探偵連続殺人翻訳ミステリー

作品情報

台北の路地裏から、探偵が真犯人を追う。

文春文庫として刊行された翻訳ミステリー大賞受賞作。台北の裏路地に隠棲した劇作家が、連続殺人事件と冤罪の疑いに巻き込まれていく。

書籍情報

出版社
文藝春秋
発売日
2024-05-08
ページ数
560ページ
言語
日本語
サイズ
10.6 x 2.1 x 15.3 cm
ISBN-13
9784167922238
ISBN-10
4167922231
価格
1375 JPY
カテゴリ
本/文学・評論/文芸作品/アジア文学

劇作家で大学教授でもある呉誠(ウ―チェン)は若い頃からパニック障害と鬱に悩まされてきた。ある日、日頃の鬱憤が爆発して酒席で出席者全員を辛辣に罵倒してしまう。恥じ入った呉誠は芝居も教職もなげうって台北の裏路地・臥龍街に隠棲し、私立探偵の看板を掲げることに。 にわか仕立ての素人探偵は、やがて台北中を震撼させる六張犂(リョウチャンリ)連続殺人事件に巻き込まれる。呉誠は己の冤罪をはらすため、自分の力で真犯人を見つけ出すことを誓う。 監視カメラが路地の隅々まで設置された台北で次々と殺人を行う謎のシリアルキラー〈六張犂の殺人鬼〉の正体は? 探偵VS犯人のスリリングなストーリー展開と、ハードボイルド小説から受け継いだシニカルなモノローグ、台湾らしい丁々発止の会話。 台湾を代表する劇作家が満を持して放った初めての小説は台湾で話題を呼び、台北国際ブックフェア大賞などを受賞。フランス、イタリア、トルコ、韓国、タイ、中国語簡体字版が刊行された。 2021年に邦訳が刊行されると日本でも話題を呼び、2022年には第13回翻訳ミステリー大賞とファルコン賞(マルタの鷹協会日本支部主催)のダブル受賞を果たした。

レビュー

  • 台湾が好きで読書も好き

    な方がいたらぜひ読んでほしいです!! 翻訳もすごくよくていっきに読んでしまいました。

  • めんどくさいタイプなのにモテモテ

    パニック障害と鬱に悩み、ずーっと心の中で思考し続けるめんどくさいタイプの男。男の友情があっさり芽生え、子供には懐かれ、素敵な彼女にも恵まれる男。この二つが両立する主人公がしっくり来るかどうか、だと思う。台湾の風俗描写は楽しかった。

  • 面白い!

    "これまでと違う、新しい人生のステージを築いてみたかった、背水の陣を敷いて、思い切って賭けてみたかったのだ。"2011年発表の本書は翻訳ミステリー大賞&ファルコン賞受賞作。台湾発の丁々発止の会話が楽しい華文ハードボイルド秀作。 ⁡ 個人的に台北に訪れる機会があったので、旅のお供に手にとりました。 ⁡ さて、そんな本書は台湾大学演劇学部の名誉教授であり、多数の演劇脚本や論文を発表してきた著者の小説デビュー作で、50歳を前に全てのしがらみを断ち、路地裏に『私立探偵』の看板を勝手に掲げた素人探偵の呉誠(ウーチェン)が、プロローグ的な家族の問題を解決した後、本格的な連続殺人に自らの冤罪を晴らす為に巻き込まれていくのですが。 ⁡ まず、自分と同年代の主人公とあって。冒頭の友人や家族の反対を押し切って探偵を始める描写、新しいことを始めようとする姿に自分を重ねてワクワクしました。 ⁡ また、本書を片手に歩いた台湾の街は、典型的なハードボイルド小説とは別に描写された通りに混沌と人間味溢れる街で。聖地巡りではありませんが、グッと親近感を感じる読後感でした。 ⁡ 本格的なハードボイルド小説好きな方、台湾好きな方にオススメ。

  • 台湾ロス中には良いかも

    台湾ロス中のため登場する地名や店名に想いを馳せながら読み進めるには良いのですが、原作も読んでみないとなんとも言えないのですが、「おれ」という一人称がうるさすぎて、翻訳として強調したい部分なのか、原作でもそこが強調されていたのかがわからず、じっくりと読みたいのに読むことを妨げてしまっていて、そこが残念な部分でした。

  • 面白くて一気に読んだ

    ストーリーにすごく引き込まれて、とても面白くて一気に読みました。台湾の街やライフスタイルの描写も参考になりました。

  • 台湾好きにはたまらん

    台湾好きにはたまらない。 台北の地図を見ながら読んでました 早く続編が読みたい

  • ミステリーというより作者の思想文学

    最近読んだミステリーの中で内容が最も濃かった。とはいえミステリーとしては正直特筆すべきものはない。 事件の合間合間に主人公の口を借りて語られる台湾人論や日本やアメリカ等諸外国の文化批評など作者の思想がメインである。いわばそれらを語りたいがためミステリーの形式を取った感だ。 読んでいて以前他の本で感じた感覚と重なった。その本とは夏目漱石の「我輩は猫である」。 説明するまでもないがそこでは猫の口を借りて漱石自身の時事評や東洋の文明批判等繰り広げられている。 大変興味深いのだが、私の理解がついていかずだんだん眠くなる。 今回も同様。何度も睡魔に襲われつつ漸く読み切ることができた。とはいえ「我輩は猫」の方は未だ読破できず(途中飛ばして結末へ)…流石漱石。 勿論、本作の作者の古今東西の文化にわたる博識ぶりには脱帽だ。 主人公及び登場人物も個性的かつ魅力的でシリーズ化が望まれるが、前述の通り本作は作者が日頃考えていることの発表の場。続編はないかもしれない。 いや、作者にはまだまだ言いたいことが沢山ありそう。続編を期待する。

  • 古きよきハードボイルドの雰囲気と後半のハラハラドキドキで一気に読めます

    文藝春秋文藝出版局のツイッターによると、故天野健太郎さんが陳浩基の『13・67』脱稿直後に次の華文ミステリーはこれ、と推していたのが本書『私家偵探 PRIVATE EYES』だったといいます。同じころにこの作品に注目していた翻訳家がもう一人。それが今回『台北プライベートアイ』を翻訳した舩山むつみさん。もともと英語の文芸作品や社会学などの書籍翻訳を手掛けてこられ、英語・フランス語・中国語の通訳案内士の資格も持つ彼女ならではの巧みな翻訳でテンポがよく、丁々発止の会話が心地よいです。台湾語や難解な仏教用語が散りばめられているかかわらず、一気に読めてしまうのは原作の面白さに加えて翻訳者の力量でしょう。Youchanさん装画の表紙はGoogleのストリートビューで正確に位置関係を再現して描いたものだとか。主人公が台北の街を縦横に駆け巡りながら物語が展開するので、行ったことのある人ならリアルに情景が浮かぶのではないでしょうか。また、本書は主人公による台湾人論や比較文化論が非常に面白く読みごたえがあります。横溝正史の『蝶々殺人事件』からの引用もあり、日本のミステリーが台湾で広く読まれていることを実感します(日本の出版社ももっと華文ミステリーに注目してほしい)。ラストは主人公の心を覆っていた厚い雲の隙間から光が差してきたことを予感させるエンディング。続編がすでに台湾で出版されているとのこと、ぜひまた翻訳出版されることを願います。

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