作品情報
『薄紅天女』は、受賞時の時代感覚と作者の関心が交わる作品。
『薄紅天女』は、荻原 規子の作品として文学賞で評価された。受賞対象となった魅力は、題材そのものだけでなく、人物や場面を通して読者に余韻を残す構成にある。
レビュー要約
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題材の切り取り方と語り口に関心が集まる作品。読者には、人物の置かれた状況や作品が描く時代性を読み解く面白さがある。
書籍情報
- 出版社
- 徳間書店
- 発売日
- 1996-08-01
- ページ数
- 484ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784198605582
- ISBN-10
- 4198605580
- 価格
- 2420 JPY
- カテゴリ
- 本/絵本・児童書/読み物/SF・ファンタジー
赤い鳥文学賞受賞 「東から勾玉を持った天女が来て滅びゆく都を救ってくれる」病んだ兄の夢語りに胸を痛める皇女苑上。だが東の地で 古から伝わる明の玉を輝かせたのは、蝦夷の巫女の血を引く少年阿高だった。輝の末裔の姫と闇の末裔の少年が出会ったとき、神代から伝わる最後の「力」は…? 平安の曙を舞台に展開する、「最後の勾玉」の物語。
レビュー
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大人でも満足できる児童書
徳間書店版が私のお気に入りです。 内容の良さは……他の多くの方々が既に余すところなく書いていらっしゃる通りです。 ぜひぜひ、「児童書でしょ?」などと侮ることなくご一読いただきたい一冊です!
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よかった
中学生時代から読んでますが、大人になって読んでもやっぱりいい作品です。
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壮大に語り直された竹芝伝説
菅原孝標の娘(1008-?)が書いた更科日記に,竹芝伝説がある.今の港区白金を通りかかった菅原一家が古い建造物の礎石を見て里の人に話を聞く: 昔宮中に出仕したここの若者が帝の皇女に是非にと頼まれて皇女を都から七日七夜で連れ帰って夫婦になって住んだ跡だ,とのこと.この途方もない伝説にはある程度の痕跡が続日本紀に残っている.我らの著者はこの話を坂上田村麻呂の蝦夷征討,桓武帝を悩ませた物の怪を背景に,前作では使えなかった日高見の国の勾玉を持つ若者の話として,武蔵,蝦夷,伊勢,そして長岡京を舞台として描き切って見せた.その感動は予想をはるかに超えるものだった.勾玉三部作の締めくくりにふさわしい傑作.なお,薄紅天女自身は具体的には現れない.
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古代足立氏
これらの作品群を執筆した荻原法子氏は、はたして足立家の歴史をしっていたのでありましょうか。 なぜなら、勾玉三部作のうち白鳥異伝はヤマトタケルを、薄紅天女では武蔵の武芝を、そうして風神秘抄では足立遠元の弟に設定はしてあるが、足立遠光を主人公としてそれぞれ構成されています。 このうち武蔵武芝は足立遠元の母の先祖の一人であり、ヤマトタケルは遠元の父方の先祖、観修寺高藤の妻、宮道列子の先祖にあたります。 従って、これらの物語は足立遠元によって初めて歴史的に融合し一体となる定めにあったわけで、ここのところを荻原氏は知っていて書かれたのかどうか、足立遠元の末孫のひとりとして非常に興味深く思っているところです。 ところで遠光は安達家の系図上は遠元の子となっていますが、実際は養子で、その母は源三位頼政の娘、二条院讃岐の子であり、遠光は自分の子に祖父の名の一字をもらい遠政としました。遠光の実父は未だ不明です。
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坂上田村麻呂と阿弖流為
勾玉シリーズ三作目は長岡京時代です。のっけから「あれ、雰囲気が違うぞ」と思います。 勾玉を持った美少女が出てこない。かわりに美青年が二人出る。 前二作でも肝の部分で使われてきた性役割の逆転が、この作品ではいきなり出てきます。作者の捉える「母なる大地の神」の姿がはっきり現れた、素晴らしい幕切れです。人間関係や権謀術策が複雑に入り組み、場面展開も多いのですが、巻を追う毎に研ぎすまされた著者の筆力がそれをクリアに描いて行きます。 今回は蝦夷(えぞではなく、えみし)の人々や武蔵の人々が登場しますが、どんな関係でそうなったかは前作を読めばわかります。物語は、前半が主に美青年である阿高の視点から、後半がヒロインたる苑上の視点から描かれ、本格的にドラマが動くのが後半になってからです。また、二人ともかなり大人びた、内省的な人物として描かれています。ところが、彼らの側に謡曲「田村」でも有名な坂上田村麻呂を置いたことで、物語が引き締まり、常に前進する力が生まれています。そればかりか、阿弖流為との対比や、東国のおおらかな気風を好む田村の憧れが、作品世界全体のカラーを明るくしています。 対象年齢10歳以上の「児童文学」ということになっていますが、大人が読むにもふさわしい内容で、一部は大人になって初めて判る部分もあります。特にこの巻では、内省的なヒロインが自分の中に大きな闇を見いだす - 自分もまた手を血で染めようとしている - ことに気づく描写が圧巻で、これが物語を読み解くキーになっているように思うのですが、その点でも上橋菜穂子の「守り人」と似ていますね。
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日本の良質ファンタジー
日本には珍しいファンタジー本。世界観はいいとおもいます。もう少し波乱があってもいいとはおもうけど。
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ジャパニーズハリーポッター
荻原紀子さんの作品は、どれをとっても歴史に残る秀作だと思います。文章は美しく、描写は鋭く、登場人物は魅力的。そして、歴史の勉強にもなる、大変素敵な一冊です。 この物語は、ハリー・ポッターが発売されるずいぶん前に出版されていたのですが、登場人物や、彼らを巡る状況が、どこかハリー・ポッターに似ているのも、面白いと思いました。まだ、ハリーの5巻がでていないので、「もしかしたら、こういう結末になったりして」と、勝手に盛り上がっていました。 もちろん、ただ純粋に、ファンタジーとして、わたしはこの作品が大好きです。自分の運命に挑み続けた阿高、阿高を守り通した籐太。自分の道を選び取った苑上。息みつかずに読み終えて、まだ、感動の余韻が残っている。 極上の冒険であり、最高の恋愛小説だ。 わたしは、この作品は、世間でもっと評価されるべきだと思う。 児童書ブーム、ファンタジーブームと言われる今こそ、日本の女性作家が描いた、この、純粋なる日本の物語を、わたしは、広く推し進めていきたい。 ぜったい、ぜったい、おもしろいから。 ただ、純粋に面白いから。
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楽しみです。
このシリーズが好きでまた読みたくて買いました。まだ読んではいないのですが、時間ができたら読みたいと思います。
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- 赤い鳥文学賞 第27回(1997年) ・受賞