作品情報
猫が眠る場所から、宇宙と人間の未来が静かに動き出す。
徳間書店から刊行された日本SF新人賞受賞作。猫をめぐる日常的な感覚と宇宙規模の想像力を接続し、八杉将司の長編デビュー作として読まれている。
レビュー要約
-
親しみやすい題材からSF的な広がりへ進む構成が読みどころになっている。デビュー作らしい勢いと、生命への柔らかな関心が印象に残る。
書籍情報
- 出版社
- 徳間書店
- 発売日
- 2004-07-21
- ページ数
- 308ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784198618803
- ISBN-10
- 4198618801
- 価格
- 3271 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論
突然の火星緑化をもたらしたのは一人の女性の無意識だった……。地球・火星をめぐる近未来恋愛SF作品。日本SF新人賞受賞作。
レビュー
-
結構読ませるが物足りない
ナノテクやクローンテクノロジーが発達した近未来が舞台。主人公のキョウイチはクローンで、心が満たされない生活を送っている。そんな彼がやはりクローンの女性であるユンに出会うところから物語が始まる。クローンに生まれた心理的葛藤を描く小説かと思って読みすすめたところ、火星に舞台を移した中盤から物語は急転直下の全く異なる展開を見せる。 著者の奔放なイマジネーションに溢れる作品ではあるが、読後感は今一歩。少し生煮えの料理を食べたような感じが残った。
-
恋愛小説+哲学小説(?)をSFで
偶然出会った女性に引かれる主人公。惹かれた女性を追い求め、戦場と化した火星へ。主人公は、女性と再会することができるのか?突然、変貌した火星、その原因は、女性との関係は・・・? クローンである自分、惹かれた女性の形を思考をもった人工知能に惹かれる主人公。 人の存在とはなにか、存在しているのか?誰からの夢の中ではないのか? 主人公は、これらの呪縛から逃れることができるのか? 主人公の1人称で語られる、チョッピリ「せつない」恋愛小説を読んでる感じの本です。 そこに、ナノテク技術で実現する世界が、満載。量子力学を元にした多元宇宙の話も少々です。 会話部分が多く、テクノロジーが永遠と語られることもありません。登場人物も、比較的少なく、読みやすい本です。 「甘く、せつない」気分を味わうことができる作品でした。
関連する文学賞
- 日本SF新人賞 第5回(2003年) ・受賞