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ムーンライト・シャドウ

泉鏡花文学賞

ムーンライト・シャドウ

吉本ばなな

『ムーンライト・シャドウ』は吉本ばななによる作品で、泉鏡花文学賞の1988年回で選ばれた。受賞作として、作者の関心や表現の特徴を伝える一作である。

受賞作現代文学作者の表現

作品情報

泉鏡花文学賞で選ばれた吉本ばななの『ムーンライト・シャドウ』。

『ムーンライト・シャドウ』は吉本ばななによる作品で、泉鏡花文学賞の1988年回で選ばれた。受賞作として、作者の関心や表現の特徴を伝える一作である。 朝日出版社の刊行物として読者に届けられた。

書籍情報

出版社
朝日出版社
発売日
2003-06-12
ページ数
119ページ
言語
日本語
ISBN-13
9784255001951
ISBN-10
4255001952
価格
2363 JPY
カテゴリ
本/文学・評論/文芸作品/日本文学

第16回(1988年) 泉鏡花文学賞受賞

レビュー

  • 絶望の中の光

    これは・・涙なくしては読めません(T_T) 愛する恋人を事故で失った主人公の心が痛すぎて・・。 愛する人を不慮の事故で突然失う。 普通は経験しなくてもよいこと・・の1つにあげられるだろう、悲劇。 愛する人をおいて旅立ってしまった者、 そしてこの世界にとり残された者の、悲しみ、絶望・・。 でも、残された人だって、 この世界で肉体と魂を持って生きてる限り、 その現実から逃げ出すわけにはいかない。 自分までが幽霊になっていいわけじゃない。 ちゃんと自分の人生を自分の足で歩いてゆかねばならないのだ。 人間なんて、文明の利器を操ってこの世界を支配してるような顔してたって、 ほんとうはちっぽけで弱くて脆いものなのだ。 ちょっと転んだだけでも あっけなく死んでしまったりする。 苦悩や悲しみにつぶされてしまったりもする。 でも、それと同時に、 そんな逆境に立ち向かう強さも 体の奥底にはちゃんと秘めているのだ。 私はもちろんそんなたいへんな経験をしたことがないから知りえないけれども、 順序をまちがえず、段階を経てゆけば、 人の心はちゃんと再生できる・・大丈夫な状態にまで回復するんだろうと思う。 生物としての人間が生まれつき持ってる「生命力」ってものは、 その人がちゃんとその人自身である限りは、 どんなことがあっても消えたりはしないのだろう。 それにしてもばななさん、すばらしい描写力! ここまで主人公の痛みがダイレクトに突き刺さってくるなんて・・!! 疑似体験してるみたいになるよ。。(T_T)(T_T) 絶望の中にもほのかな光が見える。 生きてることに感謝したくなるような。 悲劇だけど・・とても好きなおはなしです。

  • こんなに素晴らしい作品はない

    大学時代、「キッチン」が流行り本を購入。3つ目のこの「ムーンライトシャドウ」が一番感動した。著者の大学の卒業作品だったとかで、こんな作品を書ける人はすごいと思った。当時何度も読み返して、その度感動して泣いた。今は、そのことを思い出しただけでも泣ける。

  • 切なく優しい話です

    恋人の死から立ち直れないでいる大学生。 兄と彼女を失ったその恋人の弟。 たとえ大切な人の死に直面しても、残された人はただ前を向いて生きていくしかない。 切なく、優しい話です。

  • ムーンライトシャドウ*

    この作品は20年以上前、小学生の頃に読みました。キッチンと共に単行本となった作品で、よしもとばななさんが、大学生のころに書いたと聞きました。当時から素敵な作品だと思いましたが、この作品がメインとなり単行本となり、改めて発売されていたのは知りませんでした。 この作品には2組のカップルが出てきて、主人公の女性は彼氏を、もう人組のカップルは彼女を事故で失いました。愛する人を亡くした彼女たちは、マラソンを始めたり、女装をしたり、運命の過酷さに耐えるため、喪失感の中でもがき、自分すら保つのが、やっとになる。そんな中、ある女性から教えてもらった奇跡が、彼女たちを再生に導いていきます。 愛する人を失う喪失感は誰にも耐えられるものではありません。この作品は深い悲しみからの再生を描いています。傷ついた人を見つめるばななさんの眼差しは優しかったです。

  • 今でも時々

    今でも時々読み返してます。コンパクトなのにいろんなことを気づかせてくれます。 落ち着いて自分の足元を見直したいときに読んでいる気がします。 これは後で知ったのですがMike OldfieldのMoonlight Shadowという曲と関係があるようです。 私は先に曲を知ってから本を読んだので、なんてシンクロしているんだーと思った記憶があります。 曲も大変素敵です(結構有名な曲です)。 併せてどうぞ。

  • 最後の言葉に涙が・・・

    交通事故で突然恋人を亡くした女性の悲しみと、立ち直るまでを描いたストーリー。 涙無しでは読めませんでした・・・。 私はまだ大切な人と死別したことはありませんが、「本当はしたいことなんて何一つありはしない。」会いたい。 これが大切な人を亡くした人の共通の思いなのではないでしょうか。 でもそれは決してもう叶う事の無いことだから、願う事はあまりにも悲しい。そして生きている人たちは、生きて行かなければいけない。 最後の「私はもうここにはいられない。刻々と足を進める。それはとめることのできない時間の流れだから仕方がない。私は行きます。」 本当にこの通りだと思います。生きている人たちは生きて楽しい思いをしたり、幸せになることができるけど、その代わりに止まることの無い時の中を生きて行かなければならない。どんなに辛くても。 最後のさつきのこの言葉は涙無くては読めません。

  • 物足りなさ感

    幻想的で悲劇的な筆者の典型的なストーリーというべき作品。ショートストーリーな為、物足りなさ感が強い。

  • 手離せない一冊です

    特別な絆で結ばれたふたりの片方が死んでしまったとき、こちら側に残った者の再生の方法については、ひととおりではないし、百通りの方法でもカバーすることはできない。 しかし、わかっていることがある。 それは生者は死者と手を取りあって生きることはできないということだ。 二ヶ月前に交通事故で恋人を失った さつきが、苦しみながら「長いトンネル」を抜け出そうとし、あるできごとを体験することによって、そのきっかけをつかむ。 ストーリーはこれだけなのだが、実際に読んでみると深く強く感動する。 わたしはいい歳をして、あられもなく泣いてしまった。 ばななが若いときに書いたものなので幼稚な表現もあるし、こなれていないところも目につくのだが、若いときにしかない強い輝きがあった。

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