ねこまた妖怪伝
『ねこまた妖怪伝』は、藤野恵美による小説作品。受賞時の評価対象として、題名が示す情景や人物の動きを軸に、短い形式の中にも時間の厚みを感じさせる作品である。
作品情報
ねこまた妖怪伝という題名が、作品の中心にある気配と緊張を端的に伝えている。
藤野恵美の『ねこまた妖怪伝』は、受賞歴を通じて読み継がれている作品である。細部の描写や語りの運びから、個人の感情と時代の空気が重なり合う読後感を生む。
書籍情報
- 出版社
- 岩崎書店
- 発売日
- 2004-04-05
- ページ数
- 158ページ
- 言語
- 日本語
- サイズ
- 1.5 x 16 x 22 cm
- ISBN-13
- 9784265801398
- ISBN-10
- 4265801390
- 価格
- 1600 JPY
- カテゴリ
- 本/絵本・児童書/読み物/SF・ファンタジー
妖怪・猫又のミィは、ひとりぼっち。やさしくしてくれた人間の女の子・まなかが、カラス天狗にさらわれてしまう。ともだちのために、おくびょうだったミィが、たちあがった!
レビュー
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2冊買いました
2も購入し、何度も読んでいます。 借りるより良かったと思います。
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大いなる物語上のノヴェラ
第2回ジュニア冒険小説大賞受賞作品です。これは面白い! 児童文学では手法的に避けた方がいいんですが、途中で視点が変わります。ですがこと本作品に限っては、読者が子供でも殆ど戸惑わずに対応できるであろうと思われます。これはなかなかに難度の高いテクニックなのですが、著者はさらりとクリアしています。大した筆力です。 選考委員である眉村卓氏の「筋としてよくできているし、付随する事柄への気配りもなされている」という選評が、帯に載っていますが、(以下に述べるように)さすがに的確な評だと思いました。この小説には「世界」があります。大塚英志の所謂〈大きな物語〉が背後に設定されているのです。それは妖魔大帝と妖怪ハンターの抗争という物語なんですが、かかる〈大きな物語〉を背後に設定することによって、本書はわずか160pのノヴェラながら、長編小説並みの奥行きと拡がりを読者に感じさせます。眉村氏がおっしゃる「付随する事柄への気配り」とはかかる背後の設定を指しているのだと思われます。 一見恣意的に存在するかに見えたミイが、ラストでおばあさんの正体と共にその存在の因果性が明らかにされる構成も、実にストーリーに律儀で、まさに「筋としてよくできている」と思いました。 かくのごとく著者の筆致は堅実で、160pを書き急がず、滞りもさせず、しっかりと安定しています。構成もバランスが取れていて、とても新人とは思えません。感心しました。こういう作家は、質を落とさず量産できるタイプだと思います。著者の頭のなかは、書かれるのを待っている物語で溢れ返っているのではないでしょうか。有望な新進気鋭がここに誕生しました!
関連する文学賞
- ジュニア冒険小説大賞 第2回(2003年) ・大賞