【2021年・第19回『このミステリーがすごい! 大賞』文庫グランプリ受賞作】暗黒自治区 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)
隣国に併合され、複数の統治区に分断された日本列島を舞台に、拉致作戦に巻き込まれた由佳と公安局の雑賀が逃走劇を繰り広げる。ディストピア色の濃い近未来アクションミステリー。
作品情報
分断された日本を、逃走が駆け抜ける。
第19回『このミステリーがすごい!』大賞 文庫グランプリ受賞作。統治区に分断された日本という大胆な設定のもと、拉致作戦と逃亡を軸に事件が展開する。社会派の空気を帯びたエンタメ作品。
レビュー要約
-
世界設定の発想とスピード感を評価する声がある一方、設定の説明量や人物の追いやすさで評価が割れる。ディストピア設定を楽しめる読者向き。
書籍情報
- 出版社
- 宝島社
- 発売日
- 2021-03-04
- ページ数
- 384ページ
- 言語
- 日本語
- サイズ
- 10.6 x 1.5 x 15.2 cm
- ISBN-13
- 9784299013651
- ISBN-10
- 4299013654
- 価格
- 880 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論/ミステリー・サスペンス・ハードボイルド
第19回『このミステリーがすごい! 』大賞・文庫グランプリ受賞作! 隣国に併合され、〈太洋省〉〈東海省〉〈直轄市〉〈和族自治区〉そして〈国連暫定統治区〉に分かれて統治される日本列島で、〈拉致チーム〉の一員にスカウトされた由佳は、旧東京で中央政府高官の拉致作戦に参加して失敗、警察に身柄を拘束されてしまう。ところが、神奈川公安局から国連警察への護送中、由佳を乗せた車両は高速道路で何者かに襲撃された。果たして、犯人グループの目的は何なのか。護送を担当していた神奈川公安局の雑賀は、由佳を逃がすべく決死の逃避行を開始する――。
1973年、兵庫県西宮市生まれ。1991年に渡米し、大学進学。卒業後も米国に留まり、NYにて映画助監督やCM海外撮影コーディネーター/プロデューサーとして約10年間活動。帰国後は映像制作会社、大手広告代理店勤務を経て、広告映像制作会社を仲間と共同設立、同社取締役。
レビュー
-
占領!
占領された日本国!
-
舞台は自由が奪われた監視社会の日本
舞台は隣国中国に支配された架空の日本。そして、街の至る所にカメラが設置された監視社会の日本。日本という国家はすでに消滅してしまっている。以前よりもさらに監視の目が厳しくなっている現在の中国社会が頭の中に浮かんでくる。読み始めてしばらくは、和族、国連と中国の分割統治など少し設定がわかりづらいところもあったが、逃走劇、銃撃戦の場面あたりから時間を忘れて一気に読み進めてしまう。まるでアクション映画のような展開である。主人公の雑賀と佐野由香が実は血のつながった父と娘だったという人間味あるストーリーも面白い。物語の最後が少しあっさりした終わり方だったのは残念である。
-
SFではなくヒューマンドラマ
このミス大賞受賞作である上に設定がものすごく魅力的なので思わず購入。 SFどっぷりの世界観を期待したが、実際は今のウイグル自治区や香港が更に厳しくなったような感じ。リアリティはあるが、ワクワクするような目新しさはない。世界観や設定に対する説明もさほどないので、この時点で私が着たいしていたものとはちょっと違うかなと感じた。 ストーリーとしては最初のほうは怠くて流し読みをしていたが、雑賀の過去が明らかになるあたりは面白かった。読めば分かるがSF作品かと思ってたらまさかのヒューマンドラマだった。 個人的には期待外れながらも展開が面白かった。ただ天地がひっくり返るような驚きや腹にたまるような読み応えはなくて、誤読感は「まぁこんなもんか」って感じ。 ただどの作品もそうだが、このミスを受賞しちゃうと期待値が上がり過ぎてしまうので、それで相対的に面白くないという評価を降されてしまうことが多い。そこがなければ普通に作品として面白いかなぁと思う。
-
世界観!
おもしろかった!次回作も待ち遠しいです。
-
是非とも読んで下さい
ストリート展開、深いですよ。 是非とも読んでみてください。
-
ない
大賞の帯につられて衝動買いして後悔した一冊 テンポの悪い読みにくくて面白さのかけらもない不快なだけの小説 舞台は架空の日本、中国に支配され日本という国家は消滅、日本人という概念もなくなり 日本人は和族と呼ばれるようになり日本語教育も廃止、日本人は外国人によって虐げられ 外国人に媚を売って生きていると、暗黒自治区というタイトルや作中の描写から見て取れる通り 日本がチベットやウイグルのようになったらという小説ですね まぁこの時点で何割かの人は購買意欲が失せると思いますが 作中、延々と続く日本人下げ、偏見と差別まみれの蔑視表現に辟易となる、最初のうちこそまぁそういう悪いところも実際あるからと読み進めていったものの、何の関係もない場面でまで時候の挨拶の様にとりあえず日本をディスる文章が延々と続くと読んでいても不快な気分にしかならない そして主人公の雑賀とヒロインの佐野由佳に何の魅力もないのが致命的 共感できるところも感情移入できるところも惹かれる所も何もない ここまで酷い小説、久しぶりに買ってしまった
-
えげつないディストピア。
このミス大賞文庫グランプリ受賞作。 隣国に併合されてしまったという、ぜったいに考えたくもないパラレルワールドが広がる。 恐ろしく、えげつないディストピアだ。 自由が奪われた監視社会。 そんな世界観のなかで、隣国と日本の国民性、生活スタイルを痛烈に風刺している。 ストーリーはノワールな展開。 決死の逃避行のなかで、カーチェイスにガンアクション、格闘が満載。 銃のマニアックな解説をはじめ、マスクうんちくなど、こだわり感がある。
-
ホワイダニット
独特の世界観やアクションシーンが目に付く本作だが、「このミス」なので当然推理小説の要素もある。 それはホワイダニット(なぜ、おこなったか)。登場人物はそれぞれの背景事情による考え方をもって行動している。特に主役2人の背景事情が分かった後は「なぜそのような行動をおこなったか」が分かり、主役の見え方も変わってくる。その頃には読者は、本作の世界と現実の世界が違っていても、受け入れられないようなルールの世界であっても、大切なものに変わりはないことを感じるのではないだろうか。 本作がデビュー作ということで、次の作品にも期待したい。
関連する文学賞
- 『このミステリーがすごい!』大賞 第19回(2020年) ・文庫グランプリ