日本の文学賞

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ラジオデイズ

文藝賞

ラジオデイズ

鈴木清剛

若者の短い共同生活を、ラジオと音楽の気配をまじえて切り取るデビュー作。都市の中で生まれる気まずさと距離感が印象に残る。

若者音楽都市の日常

作品情報

六畳の部屋に始まる、ささやかで忘れがたい一週間。

河出書房新社の単行本として刊行された文藝賞受賞作。短い時間の揺れを、軽やかでみずみずしい筆致でまとめた一冊。

書籍情報

出版社
河出書房新社
発売日
1998-01-01
ページ数
159ページ
言語
日本語
ISBN-13
9784309011950
ISBN-10
4309011950
価格
1 JPY
カテゴリ
本/文学・評論/文芸作品/日本文学

第34回(1997年) 文藝賞受賞

レビュー

  • 読みやすい、青年の青春小説。

    この作家さん、ファション関係の作家さんで、 ファンなんですが、 青春時代の不安、恋愛、刺激的なものへのドキドキ、友人関係、学校、仕事など その時の感情がとてもリアルに伝わってきて、 好きです。 35歳なんですが、 10代後半から20代前半に この本の主人公の感覚に頭の中で戻れるので、 なんか恥ずかしいような、つらいような、 そしてその時に戻ってみたいような、 なんとも言えない感じです。 個人的には、とても好きです^_^ ファション好きな子やカッコつけたい子、 音楽好きな子、 むずかしい本読むの大変な子は、 おもしろくて、読みやすいからおすすめだよ^_^

  • 埋まった物は掘る

    『ラジオ デイズ』です。 作者本人があとがきで言っているように、若書きの作品です。文章としては、一人称と三人称の中間のような感じ。台詞が長々と連続する箇所が多く、途中で誰の台詞なのか分かりにくくなる所が多々あります。登場人物がカタカナで記されているので、ちょっと分かりにくかったりします。 内容は、若者の割と普通の姿を描いた普通の話。 ゆるい日常描写がメインです。 作品全体において述べられているパン工場のにおいが、主人公の青春をちょっと象徴しているようにも感じました。 普段は鼻が慣れちゃっていて感じないけど、いつも確かにそこにある。でも時に焦げるくらいに燃え上がっちゃったりして…… 主人公も恋人も、奇妙な同居人も、埋まった物は石器だろうが漫画本だろうが掘り出しながら、これからもどこかで生きていくんだろうなー、という読後感を残してくれます。

  • まるで日記を読むように。

    作者自身があとがきの中で、この作品を「超へたくそ」だと言っているとおり、文章表現そのものはすごく素朴と言うか、なんというか。 主人公が「オレ」になっていたり「カズキ」になっていたり、まぁ、いろいろです。 でもそれって私たちが書いた文章でもそうなる事があるように、すごく自然に受け入れられるし、気にならない。 むしろそういった普通の文体で書くからこそ、描かれてる普通の数日間のできごとが、妙にリアルだしみずみずしく感じるのだと思う。 本当に何も起こらない日々だけれど、その中でも主人公はいろんな事を考えてる。私たちが日々悩みながら生活しているように。 そんな親近感溢れる世界。

  • ほのぼの系……

    高橋源一郎氏が解説にも書いているが、見事になにも起きない話である。仕事して散歩いってお酒飲んでいるだけである。 パン屋の匂いが漂う六畳間で主人公は気の合わない友人と過ごす。 そこでトラブルが起こりそうなのに起こらない。主人公の彼女をも巻き込むのだが、そこでも問題なし。激しい悩みもなし。 悩みはあるのだが、漠然とした不安みたいなもので、全然激しくない。 だから、なのか本当に牧歌的な作品。 初めての人はどうだろう。とにかく、大傑作ロックンロールミシンから入ったほうがいいのかな。

  • 素直で素朴で

    この小説はなんだかホッとします。デビュー作ということで文章はつたない部分もありますが、その拙さが主人公の素朴で素直な拙い感情とリンクして作品の中に溶け込んでいる気がしました。 老後にですね、自分の若い頃に書いた日記やら作文やらを見つけて読んだら、この小説の読後感と似た気持ちになるんじゃないかと思います。この文庫版には文庫用に書き下ろされた著者のあとがきがありますが、やはり素直で素朴で小難しい解説よりも良いです。ここまで統一されていると逆に読者を選ぶ気もしますが。

  • 数少ない作品のひとつだから

    筆者は遅筆なのか?未だ作品数は数えるほど。ロックンロールミシンの読後感がとても良くて、自分にとっては貴重な作家の一人となったが、(ロックンロールミシンは彼女にも共感してもらえた。)他に今のところ再読したくなる作品がでてこない。ラジオデイズはロックンロールミシンと日を置かずに読んだが、人に勧めたのはロックンロールミシンだった。世界観や筆致は共通しているが、ストーリーの流れ方なのか扱われている素材なのか、自分には響き方が弱かった。次の単行本が出るのが待ち遠しい。

  • 最初の数ページで投げ出さないで

    この作品、何か変! というのが、読み始めた瞬間の感想でした。とにかく文章が変。人称が変。言葉づかいが何だか変……。中でも一番気になったのは、人称の問題。 主人公はカズキという青年の三人称小説なんですが、感情表現、その他もろもろの部分は、一人称の感じで描かれているのです。だから慣れないうちはものすごい違和感を覚えてしまって、最初の数ページで投げ出したくなったほどです。 けれども読み進めて行くうちに、私はすっかり物語にのめり込んでいました。人称だとか、文章だとか、そんなのが全く気にならなくなってしまったのです。 文庫に表示されているあらすじから想像するよりも、もっとあっさりとした、コンソメスープのようなストーリーで、私は池澤夏樹の「スティル・ライフ」をちょっと思い出しました。2!1歳になる主人公の青年が感じはじめる人生に対するそこはかとない疑問・あせり。そのようなものが上手く表現されています。 デビュー作ならではの、何かをひょいっと突き抜けた、とても勢いのある作品です。

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