作品情報
受賞作『想像ラジオ』の書誌と作品情報を、掲載誌 ID を混入させずに整理しました。
Amazon JP/NDL/出版社系の公開書誌で紙書籍の ISBN を照合し、978 系 ISBN-13 から ISBN-10 を換算しました。日本の紙書籍として ASIN は ISBN-10 と同値で補完しています。 あらすじ・評価情報は受賞作単位で扱い、書誌識別子は単行本、文庫、短編集、または長編として確認できるものだけを採用しています。
書籍情報
- 出版社
- 河出書房新社
- 発売日
- 2013-03-02
- ページ数
- 200ページ
- 言語
- 日本語
- サイズ
- 13.7 x 2.2 x 19.6 cm
- ISBN-13
- 9784309021720
- ISBN-10
- 4309021727
- 価格
- 1200 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論/文芸作品/日本文学
2014年本屋大賞ノミネート作 紀伊國屋書店スタッフが全力でおすすめするベスト30「キノベス! 2014」第1位 第2回静岡書店大賞 小説部門第1位 第10回ダ・ヴィンチ編集部が選ぶ プラチナ本 OF THE YEAR 2013 iBooks Best of 2013 今年のベストブック 第35回野間文芸新人賞受賞作 かつてない大反響を呼んだ、いとうせいこう、16年の沈黙を破る新作小説。 【話題騒然!】 ●読めば涙が止まらない。傷つき暴力衝動に駆られたこの社会に、必要な小説(星野智幸) ●圧巻。傑作。早くも今年のベスト3に入る作品に出会ってしまった(伊藤氏貴/読書人) ●著者の言葉の芸が総動員された小説のオペラだ(清水良典/ダ・ヴィンチ) ●荒唐無稽なシチュエーションこそが、現実以上の現実をあぶりだす。これが文学の力だ。間違いなく傑作だ(中島岳志/毎日新聞) ●「想像すれば聞こえるはずだ」というストレートなメッセージに感動(沼野充義/東京新聞) ●夥しい死の事実を、どう受けとめればよいのか。生きている者にできることはあるのか。その問いに真正面から向き合う(平松洋子/読売新聞) ●悲観と楽観の間で引き裂かれたわれわれの時代の「気分」を鮮やかに捉えている(松浦寿輝/朝日新聞) ●「必読」と言い切れる作品。今われわれにいちばん必要で、でもなされていない行為を、ずばりと突きつけられた(「ダ・ヴィンチ」編集長 関口靖彦) ◎大推薦。普段小説なんて読まない方に是非(@yoshikma) ◎面白かった。今年読んだ小説の中で1位だ(@spe_iizuka) ◎本当に素晴らしい。余計な説明はしたくない、とにかく多くの人に読んでほしい。小説を読んでこんなに泣いたことはない(@tangegozen) ◎読んでください。立ち読みで最初の1ページでいいから。そしたらきっと全部読んじゃうから(@aya_super_aya) ◎ひたすら衝撃。うまく言えないので、みんな読んでみて感じてください。(@kintakk1010ber) 【あらすじ】 耳を澄ませば、彼らの声が聞こえるはず----。 「文藝」掲載時より口コミで話題を呼び、かつてない大反響に。 著者16年の沈黙を破る、生者と死者の新たな関係を描き出した心に深く響く物語。
1961年東京都生まれ。作家、クリエイター。早稲田大学法学部卒業後、出版社の編集を経て、音楽や舞台、テレビなどの分野でも活躍。1988年、小説『ノーライフキング』でデビュー。1999年、『ボタニカル・ライフ』で第15回講談社エッセイ賞受賞。他の著書に『ワールズ・エンド・ガーデン』、『解体屋外伝』、『ゴドーは待たれながら』(戯曲)、『文芸漫談』(奥泉光との共著、後に文庫化にあたり『小説の聖典』と改題)、『Back 2 Back』(佐々木中との共著)などがある。
レビュー
-
戦争や災害などでの死者と今生きている生者との、逞しく繊細な想像力で会話する作品
この本を買ったのは、T新聞に著者”いとうせいこう氏”の文章が掲載されていて、それを読んで「こんな文章を書ける人の文章を読んでみたい」と思い、初めて本書を手にして読んだ。2013年のまだ若い時代の本であり、「野間文芸新人賞」を取った作品であった。文体が独特である。 東日本大震災の災害の死者をモチーフにして、死者と生者の関係を「想像ラジオ」と言う逞しい想像力で、描こうとしたものであった。 ”霊魂と話すことではない”。ただ、死んだ人の思い出、苦しかったあろう死者と生者との関係を、死者がいて、生者がいて、初めて生死の問題が成り立つ。例えば、老夫婦がいて、夫が先立ち、老女が仏壇の前で「何やらぶつぶつ」と言っているような感じか。そこには、何らかの会話が成り立っているのではないか。 想像をたくましくして、初めて、死者と生者との会話が成り立っている。個別の親、妻、息子も、主人公の当人が死んでいるので、家族が生きているか、死んでいるかはわからないが、死んでいる本人が、木の上に仰向けに引っかかり、そこから降りれない。そこで、「想像ラジオのDJアーク」としていろいろ発信するという内容であり、想像・仮想だから、誰が聞いているかはわからないが、想像で応答が結構あり、進行していく。第4章は、往復の会話形式でのやり取りであり、クライマックスであろう。 そして、解説にあるが、著者は「いつか、震災を知らない世代が、”私たちは無関係だから語る資格がないと思ってはならないため」書いたと述べたとある。日本への大空襲や原爆投下で亡くなった死者たちを、あの時代には生まれていない私たちが記憶し、語ってよい。むしろ、思いを感受し、実感することができるのだから(私が簡略化)と。そして、読者の私は、そういう戦争や災害で死んだ外国の人にも、思いをはせる人間になるよう、想像たくましい人間でありたいと感じた。個別の事象から、普遍化する必要があると思う。 そういう意味で、死者と生者との関係を、霊魂ではなく、想像力でその認識を持ち、高めることを願う作品として、成功していると思った。
-
想像もつかない悲劇、東日本大震災
震災で亡くなった人達の、無念の悲しみを、忘れてはならないと思いました。 きっとあんな世界があったと思う。 涙と笑いで、一気に読める作品でした。
-
想像力が必要
まあまあ楽しめました。
-
「想像」を大事にしたい
いとうせいこうさんの『国境なき医師団を見に行く』の中で、本著が登場する場面があり、気になったので読んでみました。悲しい出来事が今もいろいろな場所で起こっていますが、自分が当事者でないことにも「想像」を巡らせる人間でいたいと思わされました。
-
想像力こそが死者と生者を結ぶ電波、いや・・・
つぎに被災地に行く時は、ボランティア・ワークだけでなく、死者の前で手を合わせ、ゆっくり祈りたいと思った。けれども、それは、この世をうろついてほしくない、化けて出てほしくない、ということではない。 聴きたいのだ。大地と建物が激しく揺れたとき、津波警報が出たとき、逃げるとき、襲われたとき、のみこまれたとき、流されたとき、しずむとき。 想像し切れるものではない。いや想像などほとんどできない。それでも、想像したい、想像しなければならない。いや、耳を傾け、声を聴かなくてはならない。 「想像ラジオ」の想像とは、自分の勝手な思い込みではない。それは、聞こえてくるもの。つまり、そこには自分とは違う他者がいて、その他者が発しているもの。 沖縄に「ちむぐるさん」という言葉があると聞く。「胆苦さん」と書くのだろうか。人の苦しみを我が苦しみとして受けることを指すと言う。聖書が使うギリシア語に、直訳すれば「内臓する」とでもすべき動詞がある。痛む人を見て、断腸の思いになることと言われる。 「想像ラジオ」は、生きている者が死者に向ける「想像力」(いや、これは、巻末に近いところで、別の語に言い換えられる・・・)を読者に求めていると読めるのだが、それだけでなく、死んだ者が生者を想う心、さらには、死者同士、また、生者同士の声の交換、いや、受信しあうことが物語られている。 示唆的な文言、いや、著者がこの二年間、いや、おそらくそれ以前から抱き続けてきた問題意識が、あちこちに顔を出している。 「事態に関係のない者が想像を止めてしまうの本当にいいことなのか」。当事者でない者が、何かを思ったり、考えたり、話したり、書いたりすることは、本当に冒涜なのか。 「亡くなった人が無言であの世に行ったと思うなよ」 亡くなった人の声を聴くなどというのはどうしようもない思い上がりではないか。本当の恐ろしさ、悲しさなどわかるはずがない。 いや、聴こえないのは、頭が固いからではないか。想像力を捨てているからではないか。 相手の気持ちなどとうてい理解できないという罪責感が、耳をふさいでいるのではないか。 「あなたは感受性だけ強くて、想像力が足りない人なのかな?」 これらの言葉に、著者が、他者の声を聴くという課題に、苦しみながら、なお真剣に取り組んできた痕跡が感じられる。 他者の声はどうしたら聴けるのか。当事者でない者は、たしかに、直接には聞こえない。しかし、大震災の当事者でない者も、別のところでは親しい者の死の当事者であり、死者と語る経験がないわけではない。その、自分に身近な死者は、自分から遠い存在と思われる東北の死者たちと、今同じところにいる。大津波の当事者でない者も、自分の親しい死者の声を聴くことを通して、東北の死者からのラジオを聴く可能性が開かれる。 著者は、さらに、大震災後の日本社会に、いや、ぼくに、問いかける。意義深い提起をする。 「亡くなった人の声に時間をかけて耳を傾けて悲しんで悼んで、同時に少しずつ前に歩くんじゃないのか。死者と共に」 「一緒に未来を作る。死者を抱きしめるどころか、死者と生者が抱きしめあっていくんだ。」 ここにあるのは、電波を送りっぱなしにするのではなく、双方向性のラジオだ。 この電波は、はたして想像力なのか。それとも・・・ぜひお読みください。
-
面白い展開…
流石…いとうせいこうさんの作品、終わりまで一気に読めました!ありがとう!!
-
11年前を思い出して
忘れられない大震災だけど現地にいなかった人間なので心からの苦しみは理解出来る訳もないと思って読みましたが文体が分かり辛く 何を伝えたいのか最後までハッキリ掴めませんでした。合わなかったのかな〜
-
今日、読み終わりました。
先日ラジオ番組で紹介していて、 気になったので 読みました。 読みやすいので、一気に読めました。 わたしが主人公だったら どうしただろうな、 こんなに優しくいられるかな。 登場人物がみんな、優しいな。 そう思いました。
関連する文学賞
- 野間文芸新人賞 第35回(2013年) ・受賞