日本の文学賞

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あなたが私を竹槍で突き殺す前に

野間文芸新人賞

あなたが私を竹槍で突き殺す前に

李龍徳

排外主義が支配する近未来の日本で、在日三世の若者たちが反攻の計画に集う。差別とヘイトクライムの現実を、7人の青春群像として描いたディストピア小説。

排外主義在日ディストピア青春群像ヘイトクライム

作品情報

殺される前に、この歴史を止めろ。

河出書房新社から2020年に刊行された長編で、第42回野間文芸新人賞受賞作。日本社会の排外主義と差別の暴力を、若者たちの反攻劇として描く。

書籍情報

出版社
河出書房新社
発売日
2020-03-19
ページ数
384ページ
言語
日本語
サイズ
14 x 3.1 x 19.8 cm
ISBN-13
9784309028712
ISBN-10
4309028713
価格
2530 JPY
カテゴリ
本/文学・評論/文芸作品

世界は敵だ。希望を持つな。殺される前に、この歴史を止めろ。 日本初、女性“嫌韓“総理大臣誕生ーー新大久保戦争、「要塞都市」化した鶴橋、在日狩り、そしてヘイトクライム。 いま、7人の若者が立ち上がる。 生きるための場所を奪い合う世界に、新世代屈指の才能が叩きつける、渾身の問題作。 日本の「今」に投げ込む爆弾のような挑発的問題作。 ーー柳美里 恐ろしい。血が騒ぐ。まがまがしくも新しい在日の物語が生まれた。 ーー梁石日 この痺れるようなディストピアの過剰摂取は、ぼくたちを“深淵(しんえん)からの祈り“でつらぬく ーー真藤順丈 ******** 特別永住者制度の廃止、外国人への生活保護支給中止、公文書での通名使用禁止……。 排外主義が支配する日本で、在日三世の柏木太一(かしわぎたいち)が反攻の計画のために集めたのは、“武闘派“少年の尹信(ユンシン)、自殺願望を抱える宣明(ソンミョン)、帝國復古党の貴島(きじま)、妹を「在日韓国人であるゆえ」殺された金泰守(キムテス)、そしてーー。 1ページごとに震えが走る、怒りと悲しみの青春群像! 【第42回 野間文芸新人賞 受賞作】

1976年埼玉県生まれ。在日韓国人三世。2014年『死にたくなったら電話して』で第51回文藝賞を受賞しデビュー。2020年『あなたが私を竹槍で突き殺す前に』で第42回野間文芸新人賞を受賞。

レビュー

  • 作者はどこまで未来を見通すのか?

    出てくる政治家が今の自◯党と参◯党を彷彿とさせるような内容だなぁと思いつつ読み進める。 テーマがテーマなだけに重くも文章のテンポは良く読みやすい。 在日韓国人の群像劇。 今の日本なら一つ間違えばありえそうな事に戦慄と共感性羞恥を覚えながら読んでいくと最後の最後に怒涛のラスト。 あれは本当に必要だったのかと・・・。 そして次の矛先は今の日本と本当に被る。 この作品の発売が2020年のものなのだから本当に驚いたと同時にこんな日本には絶対にしたくないと思う。

  • 読み応えがあった

    こういうリアルなIFの世界好きです なかなか面白かった もっとド派手な展開でもよかったけど

  • 差別的発想が現実化した先の日本であなた達はこの様な事をするという事なら正に救い難いですね。

    著者曰く「僕は在日韓国人三世なので、ヘイトスピーチは僕自身の痛みとして耳に入ってきます。それを吸い込んでいるうちに、心の貯水量が満杯になってきたんですよね。いっそ排外主義者たちにとってのユートピアを書いて差し上げよう、と思ったんですよ。怒りというよりは、嘲りの気持ちでしたね。あなたたちの差別的発想の一つ一つが、現実化した先の日本はこうなりますよ、と」だそうです。 しかし、現在の生活保護法で対象は日本国民に限られ困窮する外国人への支給は人道的配慮によるものであるにもかかわらず「生活保護法の改正で、対象が日本国籍を有する者だけに限定された」とか「それまで正当に受けていた」等の誤認をしていたり、刑務所の中で報復殺人をしておいて「どうせ刑期後に強制送還されるなら」と言わせて一般の殺人事件よりもさらに重く見られ死刑や無期懲役が選択される可能性が非常に高くなる事も知らない様です。 また、三・一独立運動の余波を受けて群集が駐在所を襲撃し日本人巡査を撲殺し遺体を損壊した暴動に対して軍が行った鎮圧を虐殺の様にも書いています。これは2019年の三・一運動記念式で文在寅大統領が述べた内容で「朝鮮人の攻撃で死亡した日本の民間人はただの一人もいませんでした」という詭弁も含めて彼らの認識なのでしょう。 全体に自分達特有の恨の精神によって「心の貯水量」なるものが満杯になっている様です。挙句の果てに「竹槍で」の前にやる事は歪み過ぎていて反〇がでます。差別的発想が現実化した先の日本であなた達はこの様な事をするという事なら正に救い難いですね。 そして最後は本国の行為が日韓関係を改善し、本国から蔑〇されている自分達の立場も良くなるという情けない期待を示すとは、書いていて恥ずかしくならないのかとさえ思いました。

  • 面白かった

    書評ほど現在の日本の状況との一致感は感じず、どちらかというと在日の若者の心理を中心に描かれている。ヤンソギル氏の小説が好きなのでこちらもおもしろく興味深く呼んだ。

  • 日本では表現の自由が保証されていので、こんなものでも出版可能、ということを意味するために出版されました。

    題名のとおり、日本では表現の自由が保証されています。だからこんなものでも出版はできます。そのことを気づかせてくれたので星五つ。 中身は、まず本屋で立ち読みしてから判断しましょう。 ちなみに竹槍で戦うぞ、といったのは韓国の大統領だけどね。

  • 小説としてはいまいち

    小説としてはあらが目立つ。 良くも悪くも在日に対するヘイトクライムを題材にした本というだけ。 差別というものを考えるきっかけにはなるかもしれない。

  • 作者(在日韓国人)の反日・反米感情という政治的信条だけを綴って、小説の体を成していない一顧だに値しない愚作

    特別永住者制度やヘイトスピーチ解消法が廃止され、極右の日本初の女性総理大臣が誕生して日韓関係が最悪になった近未来を舞台とした作品。東京には生野コリアタウンという関西系の要塞都市が存在するという設定。加えて、韓国の外交政策は孤立し、時のアメリカ民主党政権に依って在韓米軍の削減が進む一方、北朝鮮は「不気味な沈黙」を何年も続けているという設定。現在の日韓関係を反映させているのだろうが、設定に工夫が乏しいとの印象を受けた(現在と大差ないじゃない)。物語は柏木太一、山田梨花(こと朴梨花)、杉山宣明(こと梁宣明)、貴島斉敏、ユン進(こと田内信)、木村奉守(こと金奉守)、太一のパートナーの柏木葵という日韓の複数名の三人称描写、ブログ及び書簡で構成されている。しかし、作者(在日韓国人)の政治的信条こそ伝わっては来るものの、作品の意匠はサッパリ分らない。 小説として練れていないのは勿論だが、読み進めても作者の反日・反米感情がダラダラと綴られているだけで何の果実もない(日本から韓国へと「帰化」する事がそれ程の重大事なのか?)。どうして韓国人には国際法を遵守するといった初歩の国際感覚、何でも他人(特に日本)のせいにして自らを省みるという姿勢が無いのは何故なのか ? その無軌道・幼稚さ振りを再確認させてくれるだけの作品。 読むだけ時間のムダという内容。作者(在日韓国人)の反日・反米感情という政治的信条だけを綴って、小説の体を成していない一顧だに値しない愚作だと思った。

  • 60年代70年代の在日小説の焼き直し劣化版

    金達寿、金石範、李恢成、などの在日文学に長年、親しんできたオールドファンからしたら なんとも陳腐で軽薄。 嫌韓ネトウヨ諸君の言説をそのままひっくり返したかの筆致。 まあ、時代の反映と言えばそれまでか。何とも世界が狭い。

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