日本の文学賞

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スターバト・マーテル

芸術選奨文部科学大臣賞

スターバト・マーテル

篠田節子

『スターバト・マーテル』は、篠田節子による小説。母性や喪失、信仰をめぐる感情を、音楽的な題名に重ねて描く長編小説。人の痛みと再生への希求を静かな筆致で追う。

母性喪失信仰再生

作品情報

スターバト・マーテルは、母性を軸に作品世界を立ち上げる。

母性や喪失、信仰をめぐる感情を、音楽的な題名に重ねて描く長編小説。人の痛みと再生への希求を静かな筆致で追う。

書籍情報

出版社
光文社
発売日
2010-02-19
ページ数
298ページ
言語
日本語
ISBN-13
9784334926977
ISBN-10
4334926975
価格
2472 JPY
カテゴリ
本/文学・評論

乳癌を機に、生と死を見つめるようになった彩子。中学校時代の同級生・光洋と30年ぶりに再会した彩子は、心の奥底にしまっていた、あの「過去」を思い出す……。40代の女性の“静かな哀しみ”を丁寧に描いた表題作のほか、海外での友人の結婚式の騒動を描いた痛快コメディー作品も収録。

レビュー

  • 南の島でのドタバタ劇

    中篇2作 スターバト・マーテル エメラルド・アイランド 「スターバト・マーテル」は、 乳癌と闘うという積極的な文章ではなく、 なにか後ろ向きなところがあるのが気にかかる。 エメラルド・アイランドは、 娘の母親離れと、母親の娘離れが題材となり、 南の島でのドタバタ劇の方が楽しめるかも。

  • TVドラマを見ているようです。

    「スターバト・マーテル」 ドボルザークのスタバトしか知らなかったけど、本作品で使われてるペルゴレージのほうをネットで聞きました。ペルゴレージで選曲はよかったと思います。 タイトルからはもうちょっと厳かな小説かと思ったけど、軽く読み流せてそこそこロマンチックを味わえる、ほどをわきまえた大人のエンタメ小説でした。「大人のための」ではなく「大人の」というのは、物事に深入りしないという意味です。 主人公のような体験はそうそうあるものではないと思いますが、折々のニュース報道で見聞きしたことのあるようなキーワードがいくつも出てきて、作品の世界を身近なものにしているようです。 ただ、予想していたよりテンポがよいので、2時間ドラマの筋書きを読まされている感もなかったわけではないのですが(悪口になっちゃうな)。 「エメラルド アイランド」 千晶ママ敏子の肝っ玉母さんぶりを見て、今から60年以上前の、久生十蘭の作品「花賊魚(ホアツォイユィ)」を連想しました。日中戦争のさなか、失踪した息子を追って揚子江をさかのぼっていく母親の話です。 ちなみに、こちらで読めます。→ 十蘭レトリカ (河出文庫) それはさておき、気になった点が一つ。 救出を手伝おうと出ていく韓国人や中国人の客を見て「さすがに兵役のある国の男だ」と主人公は思います。これは、たとえば「体育会系は人物がしっかりしている」というの同じくらい薄っぺらい認識です。 作者は何で、主人公の軽薄さをここで印象づける必要があったのでしょうか? 話を戻して、「花賊魚」は血湧き肉躍る冒険と熱い涙の義侠系伝奇ロマンですが、「エメ〜」のほうはもっと常温に近いコントだと言えます。 もっとも終わりのほうの井原の長広舌のところはさすがに失速しますが。 いや、組織と個人の問題は作者の関心分野でしょうし、これだけの実力作家のことです、失速などではなく何か意図あってのことかもしれません…? そして、旅に行く時あれもこれもと大荷物になってしまう人にとっては、少し胸を張れる作品かも。

  • 程々に楽しみました

    健康人からすると、病気って「治す」努力しないとダメなんだねー、と、その部分にピンポイントに反発を感じたりしてw 癌患者さんにありがちな「前向き」って苦手。故にヒロインの思考の方がまだ理解しやすかった。ただ、ヘンに思わせぶりはよせよ、と。 思わせぶりが、周囲に迷惑なんじゃないかなあ、みたいな感じ。 「エメラルド アイランド」のドタバタっぷりの方が好み。程が宜しいドタバタ具合が大変面白かったです。

  • 大人向け作品。

    離婚歴を持つ男性と結婚した40代の女性の、 潔い行動・言動に興味をひかれ、面白く読みました。 淡い思い出を持つ同級生と30年ぶりに再会し、 止まっていた時計が動き出すというストーリー展開は、 一見ありがちに思えましたが、 安っぽさなどはありませんでした。 むしろ崇高ささえ感じるほどで、「スターバドト・マーテル」という、 初めて聴くクラシック音楽のタイトルが、 そんな気にさせたのかも知れません。 私の予備知識がなく、2編からなる一冊だったことには驚きました。 てっきりこのお話が最後まで続くのだと思っていたので、 突然終わってしまったことには、 正直肩すかしを食らってしまいました。 乗り気せずに次の「エメラルド・アイランド」を読み始めたのですが、 これが意外なほどテンポが良く、 また前向きな作品で爽快でした。 全く毛色の違う2作品を楽しめ、お得な本とも言えます。

  • 前半はとても良いが・・・

    この作品は、前半3分の2位まではとても良くて、輝くような秀才だった同級生が進学校で平凡な生徒に成り果てるくだりや、一緒に暮らしていても決して分かり合えない夫婦のすがたなど、丁寧に書かれていて、上質の恋愛小説のようであり、共感を持って読める(ただ、男主人公の中学時代の人物造形はあまり良くない)。しかし、男主人公がイスラエルの武器製造に協力していたうんぬんの話あたりからは、荒唐無稽な、安物のサスペンスドラマのような陳腐なつくりものの小説になってしまい残念。

  • 期待し過ぎたかな

    て事で 2編とも イマイチだった なんなんだろ? 篠田節子の初期の作品のようなキレがないような でもファンとしては 読み続けます

  • 秀逸ですが…‥優等生の恋愛?

    篠田さんの本は本当に好きなんですが、この表題作は正直あまり面白くなかったです。 仕方のないことなのかもしれませんが、出てくる男性が『夜のジンファンデル』や現在毎日新聞で連載されている男性とものすごく重なってるんですよね。エリートで勉強もできて語学は堪能、ルックスもどちらかといえば良い方で、合理的で冷静にものを捉えて、決して自分の感情を表には出さないような。今回の表題作に主人公には実はそうした表面的なエリートとは一線を画してるんだけど…それがあまり意外じゃない。女性の描き方はものすごく多様なのに、不思議と男性像が画一化している気がします。 恋愛小説をあまり書きたくないのだけど、こういう昔の恋愛に憧れる女性も多いから出版社の要望で嫌々書いてるのかしら。少し退屈でした。

  • シリアス劇とドタバタ劇と

    2つの中編小説を併録しているが,「スターバト・マーテル」は結構深刻な話であるのに対し,「エメラルド アイランド」はドタバタ喜劇で,傾向は全く違う。敢えて言えば,若くはない女性が主人公であることと,海外への単身赴任が長い中年男性が出てくることとが共通点か。 私は,気楽に読めたという点で「エメラルド アイランド」が好き。披露宴を兼ねた新婚旅行だというのに,新郎を全くほったらかしにして自由気ままに振る舞う新婦とそのママというキャラクターが,非常にリアルに描写されていた。いくらフェロモン系でも,こんなのと結婚したら大変だと思うのだが……。

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