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ドードー鳥と孤独鳥

新田次郎文学賞

ドードー鳥と孤独鳥

川端裕人

『ドードー鳥と孤独鳥』は、絶滅動物を偏愛する二人が、江戸時代に日本へ来たドードー鳥の謎を追う物語。

絶滅動物科学環境友情

作品情報

絶滅動物をめぐる謎を追う二人の旅。

科学、歴史、環境を横断する絶滅動物小説。第43回新田次郎文学賞受賞作。

書籍情報

出版社
国書刊行会
発売日
2023-09-17
ページ数
372ページ
言語
日本語
サイズ
14 x 3.3 x 20.4 cm
ISBN-13
9784336075192
ISBN-10
4336075190
価格
2970 JPY
カテゴリ
本/文学・評論

『ドードーをめぐる堂々めぐり』著者川端裕人が贈る、スリリングで感動的な「絶滅動物小説」! 科学記者の「タマキ」は、ゲノム研究者になった幼馴染「ケイナ」と二十年ぶりに再会した。 ステラーカイギュウ、リョコウバト、オオウミガラス、そして、ドードー鳥と孤独鳥……自然豊かな房総半島南部の町で過ごした小学生の頃から、絶滅動物を偏愛してきたふたり。 カリフォルニアで最先端のゲノム研究「脱絶滅」に取り組むケイナに触発されたタマキは、江戸時代に日本の長崎に来ていたという「ドードー鳥」の謎と行方を追う旅へと乗り出した。 〈もっと知りたいと願った。 ドードー鳥と孤独鳥の秘密を、ケイナちゃんとわたしを結びつける秘密を。〉 日本、アメリカ、欧州、そしてドードーの故郷モーリシャスへ。 やがてふたりの前に、生命科学と進化の歴史を塗り替える、驚愕の事件が待ち受けていた―― 会いに行こう! もう会えない「幻の鳥」に―― 忖度なしの〈堂々たるドードー小説〉 『ドードー鳥と孤独鳥』、堂々刊行! *美麗函入 *挿絵多数収録

川端裕人 作家。1964年兵庫県明石市生まれ、千葉県千葉市育ち。東京大学教養学部卒。1995年にノンフィクション『クジラを捕って、考えた』、1998年に小説『夏のロケット』で作家デビュー、幅広い分野で執筆活動を行う。ノンフィクションに『我々はなぜ我々だけなのか──アジアから消えた多様な「人類」たち』(講談社ブルーバックス)、『「色のふしぎ」と不思議な社会──2020年代の「色覚」原論』(筑摩書房)、『ドードーをめぐる堂々めぐり──正保四年に消えた絶滅鳥を追って』(岩波書店)など。小説に『銀河のワールドカップ』『エピデミック』『空よりも遠く、のびやかに』(集英社文庫)、『川の名前』『青い海の宇宙港』(ハヤカワ文庫JA)などがある。

レビュー

  • 気候変動での「適応」で重要なコンセプトとなる「流域思考」から出発して絶滅種復活の旅へ出る科学冒険小説

    先日Twitterで、絶滅したタスマニアタイガーの復活に関する記事を見つけました。偶然、最近仕事でタスマニアのホバートへ出張したときに、土曜朝市の犬用の服のお店でタスマニアタイガーの模様の入ったジャケットが売られているのをみました。このジャケットを着ると、飼い犬がタスマニアタイガーに変身できるという面白いものです。 ということで、今回の書評は、『ドードーをめぐる堂々めぐり』著者川端裕人が贈る、スリリングで感動的な「絶滅動物小説」です。 僕はオーストラリアに移住した24年前から、オーストラリアに関連する日本語で書かれた書籍の蒐集を趣味にしています。 著者の川端裕人(かわばたひろと)さんは、2004年に出版された 川端裕人(著)「はじまりの歌をさがす旅」 で知っていましたが、いままでそれ以外の著作を読んだことがありませんでした。 そんな中、バッタの研究でポスドク時代を「バッタを倒しにアフリカへ」遠征して七転八倒する姿に抱腹絶倒する体験談のベストセラー本 前野 ウルド 浩太郎 (著)「バッタを倒しにアフリカへ」 を読んで、その中で川端裕人さんが前野さんの取材にアフリカのモーリタニア(モーリシャスではない)まで来られた話を見つけました。アフリカの細かい砂で川端さんの高級なカメラがダメになったエピソードなども、アフリカの過酷な自然条件が臨場感あふれて描かれていました。 さて本書は、 「ドードー鳥と孤独鳥」は、「科学記者の「タマキ」は、ゲノム研究者になった幼馴染「ケイナ」と二十年ぶりに再会した。ステラーカイギュウ、リョコウバト、オオウミガラス、そして、ドードー鳥と孤独鳥……自然豊かな房総半島南部の町で過ごした小学生の頃から、絶滅動物を偏愛してきたふたり。」(アマゾンでの紹介文) ということで、この紹介文にある自然豊かな房総半島南部の町で、主人公が教授の父親と二人で住んでいた百々谷(どどだに)は、河川へ水が集まる小さな「流域」を彷彿とさせました。そこは一つの生態系が流域内で完結していて、今年の春に訪れた三浦半島の小網代の森にそっくりです。 小網代の森の詳細は、 岸由二 (著), 柳瀬博一 (著)「「奇跡の自然」の守りかた ──三浦半島・小網代の谷から」 に詳しく描かれていますが、気候変動での「適応」で重要なコンセプトとなる「流域思考」を理解する上で重要な場所なのです。物語の中でも豪雨で土石流が発生する場面は、自然災害から生き残るための「流域思考」を理解することがいかに大切かを臨場感あふれて読むことができます。 成長して科学部門の新聞記者になった主人公タマキは、カリフォルニアで最先端のゲノム研究「脱絶滅」に取り組むケイナと劇的な再会を果たして、江戸時代に日本の長崎に来ていたという「ドードー鳥」の謎と行方を追う旅へと乗り出します。タマキ=ドードー鳥、ケイナ=孤独鳥という絶滅した鳥と主人公たちの性格が重ね合わされて、物語は展開していきます。 そして、ジェラシック・ワールドのような、ゲノム解析での絶滅種の復活の倫理的問題や、研究者たちの論文出版事情の詳細も物語の中で織り交ぜられていて、研究者の僕としては、堪らない面白さで、読み終えるのがもったいなく感じる本でした。 読後、無意識のうちにキンドルをポチって、物語ではなくルポでドードー鳥に関する本 川端裕人(著)「ドードーをめぐる堂々めぐり 正保四年に消えた絶滅鳥を追って」 を読み始めている自分がいます。 追記:「脱絶滅」と「脱炭素」に対する人々の反応(?)は似ているような気がするのです。 「生き物の絶滅」と「二酸化炭素増加による地球温暖化」は人類のせいか?自然のせいか?人類が「脱絶滅」や「脱炭素」をさせて良いのか?そもそも可能なのか?成り行きに任せるのが人類の運命なのか?など、現在起きている地球環境問題と科学技術の発展に関して色々と考えさせられました。

  • 積読にしていたら第43回新田次郎文学賞したと聞いたので。

    「ドードーをめぐる堂々めぐり 正保四年に消えた絶滅鳥を追って」の調査では行方が判明しなかったが、調査を元にした小説で賞を取っていた。 読み進めると実際の調査の経過や体験を描いているような気がしてきた。 絶滅動物のゲノム解析と代理種で復活についてに説明がわかりやすい。 最後の方はサイエンスにフィクションを加えているが現実ではコロッサル社が実施している。 遺伝子編集で絶滅種復活が良いのか、絶滅危惧種にのみ実施するのが良いのか分からないな。

  • 面白かった

    鳥好きにとっては、面白かった

  • ドードー鳥にハラハラドキドキ

    書評での好評価を見て読んでみた。 冒頭の幼少期のパートはなんだか歯切れが悪く読み進めにくかったけれど、ここでのつながりがこの物語の全体に大きく影響していく。ただ、このパートは冒頭に置くのではなく、話の中段に回顧録的に置いたらもっと物語に入り込むことができたのではないだろうか。 中段はドードー鳥を追っていく展開で、だんだん推理小説のようになっていってハラハラした。 後段はさらにSF小説的になり科学倫理にも触れるような内容。 様々な要素を含んでいて複雑な読後感。

  • 20世紀までの科学技術一辺倒への反省を込めた視点

    人間という動物もまた自然界の万物の一員として生きさせてくれているこの地球という乗り物をもっと大切にすべきだという猛省のヒントを与えてくれる良書。

  • 絶滅動物を追うドキュメンタリーのような小説

    川端氏の著作「ドードーをめぐる堂々めぐり」というドードーについてのドキュメンタリーがあり、本作品はそこでの調査を含めた物語を小説にしたもの。なので、小説といってもドキュメンタリーに近い。 主人公の望月環と景那(ケイナ)は百々谷(どどたに)で幼少期を過ごし、そこの自然に触れながら育った。そこで絶滅したドードー鳥と孤独鳥(ソリテア)をそれぞれに投影する。大人になっても環は科学を扱う記者になって絶滅動物を追う、特に江戸時代に日本に入ってきたドードーについて調べる。ケイナは動物の研究者になって絶滅動物のゲノムなどを研究する。ケイナは孤独鳥のように孤高な研究を続け、そこからが小説らしくなる。ケイナの本当の研究内容を環が知ったときに、絶滅動物に対する希望と倫理の狭間で物語が動く。

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