日本の文学賞

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ワイルド・ソウル

大藪春彦賞

ワイルド・ソウル

垣根涼介

ブラジル移民政策に翻弄された人々の怒りと復讐を、現代の犯罪小説として大きなスケールで描く長編。

移民復讐犯罪小説

作品情報

ワイルド・ソウルは、受賞時の題名が伝える核を手がかりに、登場人物の選択と変化を追う作品です。

ワイルド・ソウルは垣根涼介による作品。確認できる範囲では、受賞歴と関連出版情報から作品の輪郭を追える。物語や論旨の中心にある葛藤を読者向けに伝える紹介とした。

レビュー要約

  • 題材の切り口と人物の心の動きを評価する声がある。刊行情報が限られる作品では、受賞歴そのものが読者への主要な手がかりになっている。

書籍情報

出版社
幻冬舎
発売日
2003-08-01
ページ数
525ページ
言語
日本語
ISBN-13
9784344003736
ISBN-10
434400373X
価格
3330 JPY
カテゴリ
本/文学・評論

覚醒した怒りが三百発の弾丸と化す! 嵌められた枠組みを打破するために颯爽と走り出した男女の姿を圧倒的なスケールと筆致で描く、史上最強の犯罪小説。幻冬舎創立九周年記念特別作品。

レビュー

  • 熱い青春物語

    移民と開拓、涙がでますよ。そして、復讐。ああ、あのころの日本って。

  • 問題ないです

    大変きれいな状態で届きました。

  • 「金で幸せになることはない――

    ――だが、生活を潤すことはできる。不安をなくすことはできる。必要なものだ」 1961年神戸。 1万トンの新造移民船サンパウロ丸が、 神戸港を出向するところから物語が始まります。 そこから、移民としてブラジル(ジャングル)へ連れてこられた日本人の、 壮絶な生涯が始まります。 ルポを読んでいるかのような緻密で詳細な序章です。 物語は、1961年から43年後の現代がメインです。 現代では、43年前の過酷な移民生活を強いられた生き残りが、 アマゾンで培ったワイルド・ソウルを糧に、 さまざまな境遇の人たちを巻き込んで、 移民政策を実行した当時の日本や、 日本の政策へ復讐するという物語です。 特に、救いのない日本からのブラジル移民を描いている第一章は、 描かれている過酷なアマゾンでの生活から 『この本はいったいこの先どうなるんだ』という不安しかありませんでした。 しかし、本作は大藪春彦賞、吉川英治文学新人賞、日本推理作家協会賞を受賞の 三冠受賞作とのことで期待して読みすすめました。 結果的に、期待は裏切られることはありませんでした。 400字詰めで原稿用意1314枚の単行本は、 2段組で520ページ強のとても濃厚な内容の一冊です。 最終版の心情吐露が説明的な部分がややくどく感じることもありましたが、 復讐劇に描かれている復讐手段はとても練られているし、 2ヶ月にわたるブラジル取材もストーリーへ存分に活かされている印象です。 私にとっては、気になった点は、 本の評価へ影響を与えるものではありませんでした。 本としての質は大変高いので万人にオススメしたいですが、 若干読者を選ぶように思うので、 僭越ながら星の数は一つ減らさせていただきました。

  • 1つ疑問

    面白いけど、1つ疑問。 ブラジルの入植地が過酷な事は、日本に全然伝わってなかったのかな??1961年にブラジルへ行った設定だよね? 明治のブラジル入植なら着いてみてびっくり!って分かるんだけど、1961年くらいならブラジル入植=棄民、外務省の宣伝は嘘ばかりって情報はなかったんだろうか…。明治時代からの先人が日本に手紙で実状を伝えてるんじゃないのかなー?と思った

  • 史実の重みがストーリーを支えている。

    各賞の受賞も納得です。基本的には設定にかなり無理のある復讐アクション小説です。全体を通じてのスピード感やラストの爽快さがそれを打ち消していますが、根底に”学校では絶対に教えない/受検では絶対に出ない”が、全日本人が知るべき史実が有るがゆえに荒唐無稽さを感じません。

  • 話に引き込まれます

    スケールの大きさに脱帽します。すごい大きな犯罪?なのに、この結末は…納得出来てしまうところがすごいと思いました

  • ド派手な大迫力エンターテインメント

    ド派手で、正に「ワイルド」な犯罪が展開される。そのターゲットは日本国家と外務省。外務省の庁舎をマシンガンでドカドカと破壊したり、元外務省関係の人間を人質に取り総理大臣(=国家)の謝罪を引き出そうとしたり・・・。 この犯罪の動機は、重たすぎる史実がベースとなっている。1950年代、60年代のブラジル移民政策。ブラジルの未開の国土を開墾すれば豊かになれるという国家及び外務省の宣伝により、4万人を上回る国民が現地に渡ったものの、実際に行きついた先はジャングルのように荒れ果てた開墾困難な土地・・・。実情は戦後の食糧難の時代に少しでも人口を減らすための、国家と外務省による「棄民政策」だったのだ。彼らの開墾の努力は度重なるアマゾンの大洪水も手伝って徒労に終わり、ジャングルの中で餓死や病死するか、または都市部に逃げ出したものの乞食や売春婦に身を貶めた。地獄の移民生活の中からまともに生きながらえたのは一握りの人間達。 この小説の中で、そうしたブラジル移民一世、二世の生き残り組が、過去の日本国家の裏切りに対して復讐を挑む。その結果不完全ながらもある一定の成功を果たす。そうすることで彼らはやっと自分の精神を縛り付けていた忌々しい悲惨な過去と決別し、自由な地への一歩を踏み出せたのだった。 読後は史実の重みに圧倒されながらも、ある種すがすがしい気分を味わうことができた。 ブラジル、コロンビア、日本を舞台にした地理的側面、犯罪の規模、動機、全ての点においてスケールが大きく読み応えある作品である。

  • 序盤は少し気が重かった。

    移民の話しは気が重いけど中盤からサクサク読めました。 こちらの作家さんの読んだことのある作品は大抵サクサク読めました。

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