日本の文学賞

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蜩ノ記

直木三十五賞

蜩ノ記

葉室麟

切腹を命じられた武士と、その監視役として派遣された青年を通じ、義と赦しを描く時代小説。静かな筆致の中で、人がどう死に、どう生きるかを問う。

時代小説武士赦し

作品情報

蜩ノ記は、葉室麟の受賞作として刊行形態でも確認できる作品です。

蜩ノ記は、祥伝社から刊行が確認できる葉室麟の作品。受賞歴と書誌情報を合わせて読むことで、同時代の文学賞が評価した題材や語り口を追える。

書籍情報

出版社
祥伝社
発売日
2011-10-26
ページ数
327ページ
言語
日本語
ISBN-13
9784396633738
ISBN-10
4396633734
価格
2251 JPY
カテゴリ
本/文学・評論

幽閉先での家譜編纂と十年後の切腹を命じられた男。命を区切られた男の気高く凄絶な覚悟を山間の風景の中に謳い上げる感涙の時代小説

1951年、北九州市小倉生まれ。西南学院大学卒業後、地方紙記者などを経て、2005年、『乾山晩秋』で歴史文学賞を受賞し、作家デビュー。07年、『銀漢の賦』で松本清張賞を受賞。その後、09年には『いのちなりけり』と『秋月記』が、10年には『花や散るらん』が、11年には『恋しぐれ』が直木賞候補となるなど、揺るぎなき凛とした作品で注目を集めている。他の著書に『刀伊入寇』『星火綺譚』など。

レビュー

  • 武士道とは何か

    切腹することが決まりながら、藩の家譜編纂を淡々と毎日続ける秋谷と、それを見守る家族と檀野庄三郎。檀野が調べるうち、秋谷は無実であることを知る。しかし秋谷は運命を受け入れようとする。自分が切腹することで守るべきものがあるにしても、秋谷の決意が切ない。病気で運命が決まっているならともかく、切腹で死ぬことが決まり、それを受け入れ、残された家族を守るところに武士道を感じた。 名作です。

  • 「私は泣きませぬ」p396

    SNSのおすすめで見つけ、読んだ。 常に沈着冷静で、生と、死に向き合う戸川秋谷。それに惹かれる檀野庄三郎。 武士の生き様を貫き通す姿に、山本周五郎の『樅木は残った』を想起した。 「未練がないと申すは、この世に残る者の心を気づこうてはおらぬ、と言っておるに等しい。 この世をいとおしい、さりとうない、と思うて逝かねば、残された者が行き暮れよう」p387

  • 最後まで読ませる内容でした。

    映画化された作品ですが、やはり本で読んで欲しい内容かなと思います。本から読むか、映画を見るか、どんな作品でも作者と直接向き合うには、本を読まないとダメだと思います。

  • 武士の清廉な生き様を描く

    二人の武士の清廉な生き方を描く視点の持ち方、プロットが素晴らしいと思います。 葉室麟氏のモチーフなのでしょう。 この作品に限って申し上げると主人公たちのやり取りにやや牽強付会な所があるように思えます。

  • なんと長い間武家社会の頸木は続いていたのか。

    武士の矜持を守りながらも、武家社会の不合理さや理不尽さとも闘おうとする秋谷と庄三郎。彼らの葛藤を見事に描き切った一方で、織江、松吟尼、美代の相関関係の心理描写に重層感がやや不足か…。

  • カッコ良すぎです

    秋谷殿、カッコ良すぎです。登場人物の人間関係が複雑で相関図とか系統図が欲しいなと思いながら読み進めました。秋谷殿といい、息子の郁太郎といい、まさに武士の鏡。現代人にも爪の垢を煎じて飲ませてあげたい。私も含めて。ほんと見習いたい、無理だけど。 まあ、反面完璧な武士すぎてもそっと人間味があってもいいんじゃないかな…と思ってしまいました。

  • 武士道にしびれる

    第146回直木賞受賞作品(2011年下期) いやはや登場人物の生きざまにしびれまくった。 切腹までの期限が迫っている戸田秋谷の「微笑んでいるのかどうか分からないほどの笑みを浮かべている」というのがなんだかこの人のすべてを顕わしているようで刺さる。 ゆっくり味わう系の時代ものかと思いきや、ストーリーがどんどん転じていくので読むのが止まらない。 家族、大切な人、死、別れ、どうしようもないこと、いろいろ起こるのだけど、どうしても秋谷の最後の日に向っているという時間軸だけは読んでいる自分も含めて登場人物のすべてが逃れられない鎖のようである。 自分がもし、死ぬ時が決まっている身であったらどうだろう。それも切腹かあ。それだけで今生きるのがつらくなるような気もする。愛する家族に囲まれて、最後の日が見えている。どういう気持ちになるだろう。わからない。 人物描写がとてもいい。仕草の一つ一つの表現に「らしさ」が潜んでいて読み手に登場人物の息遣いを感じさせる。 映画にもなっているようなので見てみたいと思う。 どなたにでもおすすめの一冊。

  • 感動しました

    結末は、おそらくそうだろうと思っていましたが、途中の様々な事柄が全て繋がいっていて、読み応えありました。 最後は感涙ものでした。

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