日本の文学賞

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彼方の友へ

吉川英治文学新人賞

彼方の友へ

伊吹有喜

戦時下の東京で少女雑誌づくりに情熱を注ぐ人々と、現代に届いた小さな箱の謎を結ぶ長編。雑誌文化への憧れと、時代に翻弄されながらも働き生きる女性たちの姿を温かく描く。

少女雑誌戦時下編集者女性の仕事記憶

作品情報

少女雑誌に託された夢が、時を越えて一人の人生を照らす。

実業之日本社刊。NetGalley の出版情報で単行本 ISBN 9784408537160 と刊行日を確認し、文庫公式ページで内容と文庫化を確認した。

書籍情報

出版社
実業之日本社
発売日
2017-11-17
ページ数
448ページ
言語
日本語
サイズ
13.5 x 2.4 x 19.5 cm
ISBN-13
9784408537160
ISBN-10
4408537160
価格
980 JPY
カテゴリ
本/文学・評論/歴史・時代小説

第158回直木三十五賞ノミネート! 「友よ、最上のものを」 戦中の東京、雑誌づくりに夢と情熱を抱いて―― 平成の老人施設でひとりまどろむ佐倉波津子に、 赤いリボンで結ばれた小さな箱が手渡された。 「乙女の友・昭和十三年 新年号附録 長谷川純司 作」。 そう印刷された可憐な箱は、70余年の歳月をかけて届けられたものだった―― 戦前、戦中、戦後という激動の時代に、 情熱を胸に生きる波津子とそのまわりの人々を、 あたたかく、生き生きとした筆致で描く、著者の圧倒的飛躍作。 「溢れる涙をぬぐいもせず読みました」 「読み継がれるべき大切な小説」 「登場人物がみな魅力的で、読了後『彼方ロス』になってしまいました…」 ……感動の声が続々と届いています! 実業之日本社創業120周年記念作品 本作は、竹久夢二や中原淳一が活躍した少女雑誌「少女の友」(実業之日本社刊)の存在に、 著者が心を動かされたことから生まれました。

1969年三重県生まれ。中央大学法学部卒。出版社勤務を経て、2008年「風待ちのひと」(「夏の終わりのトラヴィアータ」改題)でポプラ社小説大賞・特別賞を受賞してデビュー。第二作『四十九日のレシピ』が大きな話題となり、テレビドラマ・映画化。『ミッドナイト・バス』が第27回山本周五郎賞、第151回直木三十五賞候補になる。このほかの作品に『なでし子物語』『Bar追分』『今はちょっと、ついてないだけ』『カンパニー』など。あたたかな眼差しと、映像がありありと浮かぶような描写力で多くのファンを持つ。

レビュー

  • 愛した人へ

    それほど期待はしていなかったのですが、思いがけなく夢中で読んでおりました。 作中の時代が時代だけに、時と共に進む物語の中、登場する人々がどうなってしまうのかが不安で、先へ先へと読み進めました。

  • 胸が熱くなる

    面白いものの、やや消化不良な部分も。

  • 友へ、最上のものを。

    「多くの雑誌が消えていく。あるいは我が手で幕を引いていく。時流に添えない罰のように。あるいは己が信念に殉ずるかのように。 だけど僕らは切腹も殉死もしない。生き残ることを選ぶ。なぜならこの雑誌は少女、乙女の友だからだ。たとえ荒廃した大地に置かれようと、女性はそれに絶望して死にはしない。一粒の麦、一握の希望、わずかな光でもそこに命脈がある限り…女たちはそれをはぐくみ、つなげていく。 未来へつなげていくことに光を見いだす。それが女性たちの力だ。僕らは男だけれど、女性にはそうした力があることを今だからこそ声を大にして伝えなければいけない。なぜなら彼女たちの声は今はあまりに小さく、あまりにか細い。この時代のなかで簡単に潰されてしまうから。」 私はこの主筆の言葉に奮えました。 そして大きな声で「ありがとうございます。言論統制が厳しい中、当時の乙女たちを励まし、照らし、支えてくれて本当にありがとうございます。」と感謝の気持ちを伝えたくなりました。 と同時に少し恥ずかしい気持ちにもなりました。 昭和、平成、その先へと時代が進むなか今の乙女たちは当時より立派に成長していると言えるでしょうか、私達は少しおバカさんになってしまっている気がします。 この先、これから生まれてくる彼方の友たちの未来が、さらに愚かな乙女の暮らす世になりませんようにと願うばかりです。 良い作品を読ませて頂きました。 伊吹有喜先生ありがとうございます。 ただ、有賀主筆のモデルとなった山内基主筆をなぜ戦死させたのか? 山内主筆が1988年まで生きておられたことを考えると、フィクションとは言えもっと違う設定にして欲しかった、個人的にはそう思いました。 最後に、アニー・ローリー検索して聞いてみました。 とてもキレイで素敵な曲で、プラットホームで歌う波津子の姿が目に浮かぶようでしさた。

  • 感動作

    実際に存在した、少女の友という雑誌をモデルに作った小説だそうです。登場人物もモデルがおられるとのことです。 主人公のハッちゃんは天才肌。学はないものの、ひらがなで書かれた小説から初めから才能をぐいぐい感じます。 周りも漢字をあまりかけないと彼女を馬鹿にするのではなく、言葉は厳しいながらもハッちゃんを助けて、雑誌を通してハッちゃんの小説を世に出します。 朝ドラに似てるかとも思いましたが、悪いことは続くし、良いこともある、悲喜こもごもではない展開でリアリティを感じました。 年老いたハツさんが徐々に業界の有名人であることがわかっていくことも興味を引きました。 ハッちゃんがクビを取り消された理由もうなずけるし、下宿屋に住むおじさんの謎や、シエリちゃんとのちょっとした事件も面白い。 そして作家たちとの事件もかすんでしまう、戦争の苛烈さも悲しく思います。 健気でひたむきな少女を誰しもが応援したくなる、そんな作品でした。

  • 座右の友

    少女小説的イメージで読み始めたが、心に刺さる良い作品だと感じた。何度も読み返せる、心が渇いたときに取り上げる本になった。

  • 戦争を分かってない

    伊吹さんの作品が大好きで読んでいます。 カンパニーで全制覇です。 私は四十九日のレシピ、雲を紡ぐ、なでしこ物語が大好きです。 今回の作品は戦前、戦中、戦後時代の雑誌社のお話です。色々なロマンがあって楽しく読んだんですが、戦争をちょっと甘く見た作品だと思い星3つです。 私は広島で産まれ育ったので、戦中、戦後の話を聞いて育ちました。東京がどうだったかわかりませんが、戦争を舐めてます。

  • 切ないです。(ネタバレありです)

    伊吹先生の書く小説が大好きです。ストーリーの素晴らしさは勿論なんですが、何にそんなに惹かれるんだろうと考えていたんですが、登場人物の魅力、特に、男性が魅力的なんです。中でもこの「彼方の友へ」の有賀主筆が素敵すぎます。 ストーリーは、戦前から戦後にかけて主人公ハツが激動の時代を成長しながら生き抜いていく様を描いたもので、ぜひ朝ドラにして欲しい!!と思うお話です。心を動かされる場面は多すぎて書ききれませんが、有賀主筆から70年もの時を経て届いたラブレター、"Dear, Hatsuko. Sincerely yours. "にどうしようもないほど切なくなります。この言葉をどんな状況で、どんな思いで書いたのか。文庫版の巻末につけられた番外編での有賀主筆・・・そこから本編でのあの突然の電話につながり、その後、おそらく異国の地で書かれたであろう言葉。そのあたりの状況や気持ちを考えると、小説を読み終わってかなり時が経っているのに涙が出てきそうになります。 最初は図書館で借りて読了したのですが、その後、思わずアマゾンでポチッとしてしまいました。

  • サクッと読めて感動できる

    あまり期待しないで友人に借りて読んだら予想以上に良かった。非常に読みやすく、キャラクターも立っていてなんとなく少女漫画のような雰囲気が漂う作品。この作品が面白かったので、伊吹有喜さんの作品をほぼ全部読んでみたけど、どの作品も気負うことなく読めて読後感がいい。私の中では、疲れてて何かいい話を読みたいなぁっていうときにぴったりな作家さん。

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