日本の文学賞

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聊斎志異: 和訳 (ちくま学芸文庫 ホ 17-1)

毎日出版文化賞

聊斎志異: 和訳 (ちくま学芸文庫 ホ 17-1)

柴田天馬

柴田天馬訳『聊斎志異』は、蒲松齢の中国怪異短篇を日本語で味わえるようにした翻訳です。狐、幽鬼、妖異、士人の欲望や滑稽をめぐる物語を、独特の文体とルビを交えながら、幻想と批評精神のある読み物として伝えます。

中国怪異文学翻訳幽鬼幻想

作品情報

中国怪異文学の名作を、柴田天馬の個性的な日本語で読む翻訳文学の古典です。

蒲松齢『聊斎志異』は清代中国の怪異短篇集で、柴田天馬は日本語訳に長く取り組みました。1952年から修道社版『定本聊斎志異』が刊行され、毎日出版文化賞を受賞しています。現行で確認しやすい筑摩書房ちくま学芸文庫『和訳聊斎志異』は、全446篇から35篇を精選した柴田天馬訳で、ISBNは9784480094568です。角川文庫の完訳版全4巻も古書で確認できます。

レビュー要約

  • 柴田天馬訳は、原文の雰囲気を残しながら独特のルビを施した名訳として紹介されている。芥川龍之介や太宰治も魅了した作品世界を、日本語読者に強い個性で伝える点が特色である。

書籍情報

出版社
筑摩書房
発売日
2012-05-01
ページ数
407ページ
言語
日本語
ISBN-13
9784480094568
ISBN-10
4480094563
価格
1540 JPY
カテゴリ
本/文学・評論

Amazon.co.jp: 聊斎志異: 和訳 (ちくま学芸文庫 ホ 17-1) : 蒲 松齢, 天馬, 柴田: 本

レビュー

  • 世界的に有名な怪奇集。ただ、面白すぎて…

    表紙のデザインの妖艶さもさることながら、内容も怪奇、怪奇、怪奇、実に面白い。ただ困ったことに、この本は、しばしば姿をくらます。こたつで読んでいて「ない!」と思ったら子どもが部屋に持ち帰り、やっと取り返したと思って飯を炊きに行って戻ったら、カミさんがちゃっかりバッグへ…お願い、返して!!

  • 電子書籍で読みたい

    賛否あるでしょうが、翻訳は面白いし、いろいろと勉強になるなあと思います。しかし、ルビで読みが書いてあるのはさすがにツラい。電子書籍で拡大できれば助かるのですが。

  • 原文の修辞表現を尊重した翻訳

    本書は中国文言小説の極北ですので、原書の内容に対する評論は控えます。 以下は、柴田天馬氏の翻訳に対する評価のみを書きます。 原文の修辞や表現を尊重して翻訳している点は、素晴らしいと思います。原文の修辞表現をそのままに残し、日本語の意訳をルビとしてその上に振るという翻訳手法、おそらく柴田氏以前には存在しなかった革命的なものだと思います。文学作品というのは、ただ文章の意味に価値があるわけではなく、その独自の文体にも価値があります。修辞表現はもちろん、文体の構成要素のひとつであります。たとえば、泉鏡花氏の作品からその文体の独創性を取り除いてしまったら、おそらく作品の魅力が半減してしまうでしょう。したがって、文学作品の翻訳は、単純に意味を伝えるだけではなく、可能な限り、原文の文体の雰囲気をも伝える努力をする必要があるといえます。その観点からいえば、柴田氏の翻訳は素晴らしいと思います。むろん、これは日本が中国と同じく漢字文化圏にあるからこそできることですが。 ただ、原書にはあった各篇の最後に添えられた作者自身による評語「異史曰く~」が割愛されています。割愛の理由は、説教臭いとのことです。しかし、説教臭いかどうかは、訳者自身の主観にすぎず、本来ならば、そのあたりの判断をおのおのの読者自身に委ねるべきでしょう。また、「異史曰く~」には、蒲松齢氏の思想や創作意図が如実に表れているので、本書に対する理解を深めるうえで極めて重要な参考資料になります。たとえば、『史記』から「太史公曰く〜」を削除するような暴挙を是認するものはいないでしょう。いくら訳者自身が気に食わなかったからといって、勝手に割愛すべきものではないと思います。『聊斎志異』を単に面白いお話として楽しみたい読者には、原作者の思想や創作意図などはどうでもよいのかもしれません。しかし、より真面目な読者であれば、原作者の人となりなどにも当然興味を抱くものです。 しかしながら、文庫本である点を考慮すれば、学術書並みの周到さを求めるのもお門違いかと思いますので、評語を削除したという大きな欠点がありるものの、文庫本としては非常に優れた翻訳版だと思います。

  • 帯に「精巧絶倫」!?

    これを「すぐれてじょうず」と読ませる翻訳技巧にまず脱帽。ルビが品格ある滑らかな日本語。無理がない。明治生まれでも古臭さがなく、簡明なのはジャーナリストだったからか。ルビの裏に原文が透けて見えるのも味わい深い。文字も大きいので読みやすいが、全訳をこの文庫で読みたかった。

  • 読みにくい

    底本は玄文社版のようであるが、以前に読んだ角川文庫版に比して、過剰にルビ付き漢字が多いので読みにくく、訳文の日本語も角川版のほうがいいように思う。会話文の語尾のね・さ・よ・の などがカタカナになっているのも、現代の若者言葉を連想させ違和感がある。柴田天馬が一種の昔話の会話語尾一文字をカタカナにしたとは考えにくいが、ルビ付き漢字や会話語尾などが著者の原文によるものであれば、批判の外である。 ページ番号と題名が下端に示してあるのも確認しにくい(他社の文庫版の多くは上端に示してある)。 文字は他社の文庫版に比して大きい。紙質は中ぐらいで、装丁はしっかりしている。

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