続明暗 (ちくま文庫 み 25-2)
夏目漱石の未完作『明暗』を書き継ぐという大胆な構想で生まれた水村美苗の小説。漱石の文体や人物関係を受け止めながら、津田、お延、清子の関係に新たな結末を与える。
作品情報
未完の『明暗』の先に、もう一つの近代小説が立ち上がる。
漱石の絶筆から始まる人物たちの行方を、水村美苗が緻密な文体意識で書き継いだ作品。文学史への挑戦であると同時に、男女の視線や近代小説の形式を問い直す小説として読める。
書籍情報
- 出版社
- 筑摩書房
- 発売日
- 2009-06-10
- ページ数
- 417ページ
- 言語
- 日本語
- サイズ
- 10.7 x 1.6 x 14.8 cm
- ISBN-13
- 9784480426093
- ISBN-10
- 4480426094
- 価格
- 1056 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論/文芸作品/日本文学
漱石の死とともに未完に終わった『明暗』―津田が新妻のお延をいつわり、かつての恋人清子に会おうと温泉へと旅立った所で絶筆となった。東京に残されたお延、温泉場で再会した津田と清子はいったいどうなるのか。日本近代文学の最高峰が今ここに完結を迎える。漱石の文体そのままで綴られて話題をよび、すでに古典となった作品。 著者略歴 東京生れ。12歳で渡米。イェール大学仏文学専攻。同大学院博士課程修了。プリンストン、ミシガン、スタンフォード大学で日本近代文学を教える。著書に『続明暗』(芸術選奨新人賞)、『私小説 from left to right』(野間文芸新人賞)、『手紙、栞を添えて』、『本格小説』(読売文学賞)。
レビュー
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面白い
端的に面白かった。引き込まれた。 このような作品を作ることができた作者の才能と勇気に敬服する。
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新しい作品
未完の漱石の「明暗」の続きという小説だが、むろん漱石ではないから未完の続きではない。この作品が世に出てから数多くの批評がなされていると思うが、この本に収録されている新潮文庫化される際の後書きに作者自身の答えが書かれている。つまりいくら意見を述べても答えは出されているのであって、作者の開き直りにも似た回答の前には何の意味もなさないのである。 自分はこの作品を「明暗」を舞台設定にした新しい作品だと理解した。思えば贅沢な舞台設定である。そして難解な舞台設定だとも思う。このような舞台の上に作者が自由に登場人物たちを動かして自由に書いた作品だから、これは違うものでいい。 単なる小説として読んだときにこの作品はどうだろうか。台本のようなセリフのやり取り、描写(これはもっとも漱石風である以上漱石の力を借りていると言わざるを得ない)とも巧みでよく書かれている。特に吉川夫人とお延とのやり取りは会話、描写とも秀逸でこの作品のもっともすぐれた部分だと思う。 結末のつけ方とこれが「則天去私」なのか、は留保し、「明暗」の解決編としてはよくできている。
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大感激 素晴らしいご縁に恵まれました
たいへんに良い状態のもの(1990年發行とはとても思えません)を迅速にお送りいただき、とても感謝しています。 頁を繰る手がとまりそうにありません。ありがとうございました。
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良い出来だと思います
確かに途中までだった物語の決着としてよい出来だと思いました。漱石の文章から続けて読んで、ほとんど違和感なく終わりまで読み切りました。これはこれで結構でしたが、男性の読者としては、漱石はこんな終わり方をさせただろうか?どうしても彼は最後まで男性の心理を描いて、女性を主人公にはできずに終わらせたのではないかと思ってしまいます。こんな事を言ってますが、それがどのようなものであったかは全く想像できていません。
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いいですよ
是非お勧め
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夏目漱石『明暗』を読み終え、そのまま『続 明暗』へ。
妻に内緒で昔の恋人に会いにいき、それがばれて...と、主人公の背徳感を感じつつ、さらに、どういう結末に向かっていくのかわからず、最後までハラハラしました。 物語の結末は『続々 明暗』を読者それぞれで夢想する形になりますが、個人的には、主人公の津田は改心しないんだろなぁと推測。
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すばらしい文筆で、漱石のオリジナル「明暗」に勝るとも劣らない作品
ストーリーだけでなく付帯する情報や心理描写も豊富で、漱石の「明暗」より寧ろ楽しめました。
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「続々明暗」は読者が・・・
Eテレ「100分de名著」で「明暗」を取り上げられたことで、ぜひこの「続編」を読みたくなった。「100分de名著」では、”対決小説”としての「明暗」が紹介されていたが、その”対決”ぶりは、この「続編」でいよいよ&ますます発揮された…といっていいだろう。 ネタ晴らしはしないほうがいいので、これ以上はあらすじすらも書かないことにするが、作者の「あとがき」に、「『続明暗』が『明暗』に比べてより「面白い読み物」になるように試みた」とあるが、その試みは多いに成功しているといっていいだろう。 で、このまま終わっちゃうの?って気がしないでもないエンディングだったけど、「続明暗」の続編すら書けそうな気がするので、それは各読者が・・・とだけ言っておこう。