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第41回(1991年) 受賞受賞作: 續明暗
夏目漱石の未完作『明暗』を書き継ぐという大胆な構想で生まれた水村美苗の小説。漱石の文体や人物関係を受け止めながら、津田、お延、清子の関係に新たな結末を与える。
未完の『明暗』の先に、もう一つの近代小説が立ち上がる。
417ページ漱石明暗続編近代文学文体模倣
水村 美苗
みずむら みなえ
Mizumura Minae
プロフィール
- 性別
- 女性
- 生誕
- 1951 (東京都)
- 国籍
- 日本
- 言語
- 日本語
- 居住地歴
- 東京都 → ボストン(アメリカ) → ニューヘイブン(コネチカット州、アメリカ) → プリンストン(ニュージャージー州、アメリカ) → アナーバー(ミシガン州、アメリカ) → スタンフォード(カリフォルニア州、アメリカ)
経歴
- 職業
- 小説家, 評論家, 大学教員
- 活動期間
- 1990年〜
- 所属
- プリンストン大学, ミシガン大学, スタンフォード大学
- 影響を受けた人物
- ポール・ド・マン, 夏目漱石, エミリー・ブロンテ
学歴
| 学校 | 学部 | 学科 | 学位 | 期間 | 国 |
|---|---|---|---|---|---|
| ボストン美術学校 | — | — | — | — | アメリカ合衆国 |
| イェール大学 | フランス文学専攻 | 仏文科 | — | 学部・大学院在籍 | アメリカ合衆国 |
受賞歴
| 年 | 賞名 | 対象作品 | 部門 | 主催 | 結果 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1990 | 芸術選奨新人賞 | 續明暗 | — | 文化庁 | Winner |
| 1995 | 野間文芸新人賞 | 私小説 from left to right | — | 野間文化財団 | Winner |
| 2003 | 読売文学賞 | 本格小説 | — | 読売新聞社 | Winner |
| 2009 | 小林秀雄賞 | 日本語が亡びるとき 英語の世紀の中で | — | 小林秀雄賞選考委員会 | Winner |
| 2012 | 大佛次郎賞 | 新聞小説 母の遺産 | — | 大佛次郎賞選考委員会 | Winner |
受賞・候補エディション
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第17回(1995年) 受賞390ページ
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第54回(2002年) 受賞受賞作: 本格小説
戦後日本とアメリカをまたぎ、東太郎とよう子の恋を軸に、没落する一族と階級の記憶を描く大長編。古典的な恋愛小説の骨格を、日本語の語りの中で大胆に組み替えている。
古典的恋愛小説の熱を、戦後日本の記憶へ移し替えた大長編。
469ページ恋愛階級戦後日本語り
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第8回(2009年) 受賞受賞作: 日本語が亡びるとき:英語の世紀の中で
『日本語が亡びるとき:英語の世紀の中で』は、水村美苗による評論・研究作品。思想と知の探究を軸に、言葉と社会を重ねながら、受賞作としての個性を示している。
『日本語が亡びるとき:英語の世紀の中で』は、水村美苗の受賞歴を語るうえで重要な評論・研究作品。
330ページ思想と知の探究言葉と社会評論・研究
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第39回(2012年) 受賞受賞作: 母の遺産 新聞小説
『母の遺産 新聞小説』は、母の介護、姉妹の確執、夫の不貞に直面する女性を描く長編小説。重い題材を扱いながら、親子三代の記憶と近代小説への意識を重ね、老いと自立をめぐる物語へ広げている。
母はなかなか死なず、娘は介護と結婚の現実の中で自分の人生を選び直す。
524ページ介護母娘関係姉妹離婚新聞小説
作品
代表作
續明暗
1990年 小説夏目漱石の未完作『明暗』の続編として創作された長編。登場人物の心理や関係性の推移を日本語で描き、出版当時に話題を呼んだ。
私小説 from left to right
1995年 小説欧文が部分的に混在する横書きの実験的作品。個人的な記憶や言語意識を主題にしている。
本格小説
2002年 小説エミリー・ブロンテ『嵐が丘』を戦後日本を舞台に書き換えた大作。登場人物の情念と社会的背景を通じて戦後日本を描く。
- 英訳『A True Novel』ジュリエット・ウィンターズ・カーペンター訳(2013)
日本語が亡びるとき 英語の世紀の中で
2008年 評論英語の世界的台頭が日本語や日本文化に与える影響を論じた評論。言語教育や文化意識の観点から問題提起を行った。
- 英訳『The Fall of Language in the Age of English』吉原真里 & ジュリエット・ウィンターズ・カーペンター訳(2015)
日本語で読むということ
2009年 評論日本語による読書と読み方についての随想・論考をまとめた一冊。言語と読書体験に関する考察を含む。
日本語で書くということ
2009年 評論日本語を書くことの意味や技法について論じたエッセイ集。言語と表現の関係を扱う。
新聞小説 母の遺産
2012年 小説(新聞連載)新聞連載として発表された家族を主題とする小説。記憶や遺産、世代間の関係を扱う。
- 英訳『Inheritance from Mother』ジュリエット・ウィンターズ・カーペンター訳(2017)
大使とその妻
2024年 小説2024年刊の長編小説(上・下)。詳細は出版社の情報を参照。
全著作
- 續明暗
- 私小説 from left to right
- 本格小説
- 日本語が亡びるとき 英語の世紀の中で
- 日本語で読むということ
- 日本語で書くということ
- 新聞小説 母の遺産
- 手紙、栞を添えて(辻邦生との往復書簡、共著)
- 大使とその妻(上下)
作品の翻訳
- 英訳『A True Novel』ジュリエット・ウィンターズ・カーペンター訳(2013)
- 英訳『The Fall of Language in the Age of English』吉原真里 & ジュリエット・ウィンターズ・カーペンター訳(2015)
- 英訳『Inheritance from Mother』ジュリエット・ウィンターズ・カーペンター訳(2017)
作風・主題
- 文体
- 日本語に対する高い言語意識を持つ文体近代文学との対話的手法メタフィクション的・自己言及的要素
- 頻出モチーフ
- 言語とアイデンティティ翻案・引用家族と記憶
評価・遺産
現代日本文学における重要な作家・評論家として、特に日本語の将来や言語意識に関する議論を喚起した。『本格小説』などの長篇と評論『日本語が亡びるとき』によって国内外で高い評価を受ける。
資料所蔵先
- 国立国会図書館(所蔵)
- Library of Congress(米国議会図書館、所蔵)
- BnF(フランス国立図書館、所蔵)
豆知識
- 12歳で父の仕事の関係で渡米し、長くアメリカに滞在した。
- 夫は東京大学名誉教授の岩井克人。
- 母は水村節子。78歳で自伝的小説『高台にある家』を上梓した。
- 夏目漱石『明暗』の続編として『續明暗』を執筆し議論を呼んだ。
- 2009年時点で単著すべてが何らかの賞を受賞していると報告されている。