日本の文学賞

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ロミオとインディアナ

太宰治賞

ロミオとインディアナ

永瀬直矢

書籍情報

出版社
筑摩書房
発売日
2009-03-01
ページ数
253ページ
言語
日本語
ISBN-13
9784480804198
ISBN-10
4480804196
価格
950 JPY
カテゴリ
本/文学・評論/文芸作品/日本文学

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レビュー

  • 独特な文体の歴史ロマン

    第24回太宰治賞受賞作品。 表題の『ロミオとインディアナ』他、 姉妹編の『ジェダイの福音』も収録されている。 文体に挑戦的な小説。ほんとに言文一致体というか。ラノベのあの独特な言文一致を取り入れている感じ。 (が、ラノベっぽくはない。不思議) 一人の女子高生が頭の中で考えていることをそのまま文章にした感じで、文脈関係なしに頭に浮かんだ言葉をぽんぽん書いたり、連想ゲーム的に似た音の単語を並べ書いたり。それ自体は良い試みだったと思う。重要なことは、この文章にあまり魅力を感じなかったこと。これはもう、好みと言うほかない。 ストーリーについて。 歴史ロマンですね。聖徳太子は実はキリストだったとか、あれ系の。『信長――あるいは戴冠せるアンドロギュヌス』をちょっと思い出しました。こういう話ってトンデモだけど、絶対違うとは言い切れないところが「もしかしたら」の想像の余地を残してくれていて面白いよね。本文中にも「悪魔の証明ってやつ」とあったけれど、そういうこと。 確かに離れた文化圏のはずなのにびっくりするほど酷似した共通項があったりするし、よくよく調べてみると全くの没交渉であったわけでもなさそうだし……と、どんどん「もしかしたら」の想像を膨らませてくれる。文化圏同士のこの類似性を繋がりがあった故だと考えるか、進化心理学的とか普遍的無意識とか持ち出して、人類の持つ普遍的な文化心理だと考えるかは分かれるところ。 あと、高校生のこそばゆいリアルもよく描写されていたなと思いました。恋愛とか。いいですね。よくCMやってる恋愛ゲームばりのキラキラした告白シーンではないけれど、よっぽど生々しくて思春期当時の気持ちを思い出せました。 インディアナは残念だったね。ちょっと切ない気持ちになりました。 『ジェダイの福音』の方は舞台裏というか、ネタばらし編って感じかな。こっちを読んだ方がよりすっきりできる。けれどどうなんだろう。謎めいた読後感や『ロミオとインディアナ』に散りばめられている歴史ロマンの手がかりを自分で回収してあれこれ想像する、女子高生目線に浸りたい場合はあんまりおすすめしないかも。

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