日本の文学賞

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タンゴ・イン・ザ・ダーク (単行本)

太宰治賞

タンゴ・イン・ザ・ダーク (単行本)

サクラ・ヒロ

書籍情報

出版社
筑摩書房
発売日
2017-11-22
ページ数
232ページ
言語
日本語
サイズ
13.7 x 1.9 x 19.5 cm
ISBN-13
9784480804761
ISBN-10
4480804765
価格
1000 JPY
カテゴリ
本/文学・評論/文芸作品

地下室に引きこもる妻に「僕」はなんとか会おうとするのだが――。不安、官能、追憶、愛。夫婦間に横たわる光と闇を幻想的に描いた、第33回太宰治賞受賞作。

レビュー

  • ギターとフルートの奏でる、新しい愛の形

    ビアソラのタンゴを聴きたいと、UTUBEを探しました。現代版、天の岩戸伝説ですね!

  • オチなしカタルシスなし

    出だしから途中までは面白かったし、なるほどという点もいくつかあったのですが 最後は標題のとおりで、「読んだ」という充実感が全くありませんでした。 たとえるなら、「魅力的な登場人物や伏線は出てきますが 最初から謎解きと犯人特定を放棄している推理小説」 であるかのような印象が残りました。 ただ、作者の文章力と構成力はかなりのモノだと思いますので 次回作をまじめに書いてくれることに期待しての評価としました。 なお、表題作のスピンオフ的な短編が収められていますが 全くのおまけ、どうでもいい「日本盤のみ追加ボーナストラック」です。 この短編なしで、本編のみを文庫本として出せばよかったのでは?

  • 何が正しいのか困惑しながら興奮する不思議な読み口の作品

    第33回太宰治賞受賞作品。 ページをめくる(タブレットで読んでいるので「ページをタップする」やけど)のがやめられないもの凄い小説を読んだという気分。 市役所に勤める三川ハジメが目を覚ますと、そこには妻の姿がありません。リビングのテーブルに置かれたメモ用紙が一枚。 「しばらく地下室にいます。何かあったら電話かLINEください。 K」 一人きりの週末を「意外に快適」と暮らしたハジメでしたが、いつまで経っても妻は出てこず、次第に自身の生活、意識にその状況が浸食されていきます。 地下のオーディオルームに籠もった妻をイザナギ・イザナミやオルフェウスの神話に例えて非現実的な状況から始まる物語でありながら、なぜか現実的な生々しさを感じる不思議な読み口の物語です。 妻Kの命名のエピソードや記憶に関する考察など物語に挟む題材のチョイスが素晴らしく、ハジメの一人称で語られる視点も絶妙。状況の認知、困惑、激情……物語を読み進めるにしたがって心がかき乱され、暗闇の中での演奏ではもう速読かよと思うほどに凄いスピードで読み進めさせられ、ハジメに同調してしまったかのように官能的な感覚を覚え、本当に興奮しました。 素敵な小説でした。

  • 読む価値なし

    ただ難しそうな言い回しをして、カッコよく見せてるだけで結局何の中身もないすっからかんの文章 村上春樹気取ってクラシックとかギリシャ神話持ち出してそれっぽく書いてるだけ いったい最後はどうなるんだろう、結局妻は出てくるのか? どきどきわくわくしながら読んだけどあの最後はなんだ、、 がっかり感半端なかったです 著者は一体何が書きたかったのだろうか これがなんかの賞とったのは信じがたいですね

  • 読み終わってからも色々と詮索したくなる作品

    妻がささいな事(彼女にとっては大事なのかもしれないけれど)を発端に、光のまったくない真っ暗な地下室に籠ってしまうというのがこのメインテーマになっているのだけれど、読み進めるにつれ、いったいどんな結末が待っているのか、主人公は再び妻と会えるのか?妻は最初から本当に存在していたのか??など色々な憶測に駆られ、どんどん読み進めたくなる作品。数人のキャラクターの濃い脇役と、幾つかの伏線を張り巡らせた緻密なストーリーになっていて、文章も難しすぎず、でも単純すぎず・・特に物語が佳境にさしかかる頃は、夫妻の地下室の漆黒で奏でる二重奏の強弱を、読み手も体感している感覚で最終楽章(エンディング)へとスピードアップして一気に向かう感じが素晴らしい。偶然なのでしょうが ・・ 主人公、 「僕」の語り口調、オペラやクラシックに関する知識、ちょっとエキセントリックな妻の存在、「真っ暗闇」 で展開する現実と非現実を行き来するストーリー、勃起、射精する僕・・など、読み進めていくうちに、まるで村上春樹氏の作品を読んでいるような感覚に陥いりました。これって私だけでしょうか?筆者のサクラ・ヒロさんんは、村上小説の読者なのかな??そんな疑問も含め、そして主人公と妻に何があったのか、最後妻はどうなってしまったのか ・・ 『タンゴ・イン・ザ・ダーク』 は、読み終わってからも色々と詮索してみたくなる作品でした。

  • 妻が突然、地下室に籠もってしまったら、あなたならどうする?

    『タンゴ・イン・ザ・ダーク』を読み始めてから読み終わるまで、自分が主人公になったかのような錯覚に囚われっ放しでした。 N市役所で仕事に追われている35歳の「僕」が、珍しく休日出勤がなかった土曜日、朝寝坊して11時近くに起きてきたところ、リビングのテーブルにメモ用紙が置かれています。それには、「しばらく地下室にいます。何かあったら電話かLINEください。K」と書いてあるではありませんか。 Kというのは、3年前に結婚した1歳年下の妻の名前で、地下には、結婚当初、僕がフルート、Kがクラシックギターでピアソラやバッハの二重奏を楽しんだ防音完備のオーディオルームがあるのです。「いやな感じがした。地下にはオーディオルームだけではなく、小さなキッチンとトイレ、シャワーまで設置されている。そして、それらの設備はすべてこのドアの向こうにある。つまり、一度地下に下りて鍵をかければ、理論上、地上の住人と一切コンタクトをとることなく生活を完結させることが可能なのだ」。 「Kはなかなか地下から出てこなかった」。Kが地下に潜って1カ月以上が過ぎてしまいました。 僕は漠然とした違和感に気づきます。「――どんな顔だっけ? 思い出せないのだ。あのころのKはもちろん、今のKの顔も」。 遂に我慢ができなくなった僕は、地下室に行き、K の顔を見ようと、いろいろ試みますが、うまくいきません。 物語の後半は、謎を秘めたまま、地下の暗闇の中で音楽的かつ官能的な世界が展開していきます。 もう何が何やら分からず、頭がくらくらしてしまう、世にも不思議な小説です。

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