作品情報
少年少女が、謎を通して少しだけ大人になる。
第28回鮎川哲也賞受賞作。2018年に東京創元社から単行本、2021年に文庫で刊行された。受賞時の題名は「学校に行かない探偵」で、後に『探偵は教室にいない』へ改題された。
書籍情報
- 出版社
- 東京創元社
- 発売日
- 2018-10-11
- ページ数
- 224ページ
- 言語
- 日本語
- サイズ
- 13.5 x 2 x 19.5 cm
- ISBN-13
- 9784488025595
- ISBN-10
- 4488025595
- 価格
- 1530 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論/ミステリー・サスペンス・ハードボイルド
札幌の中学校に通う少女・真史が日々のなかで出会う、ささやかだけど、とても大切な謎。少年少女が新たな扉を開く瞬間を切り取った四つの物語。 第二十八回鮎川哲也賞受賞作。 わたし、海砂真史(うみすなまふみ)には、ちょっと変わった幼馴染みがいる。幼稚園の頃から妙に大人びていて頭の切れる子供だった彼とは、別々の小学校にはいって以来、長いこと会っていなかった。変わった子だと思っていたけど、中学生になってからは、どういう理由からか学校にもあまり行っていないらしい。しかし、ある日わたしの許に届いた差出人不明のラブレターをめぐって、わたしと彼――鳥飼歩(とりかいあゆむ)は、九年ぶりに再会を果たす。 日々のなかで出会うささやかな謎を通して、少年少女が新たな扉を開く瞬間を切り取った四つの物語。 青春ミステリの新たな書き手の登場に、選考委員が満場一致で推した第二十八回鮎川哲也賞受賞作。
レビュー
-
良かった
満足
-
中学生の頃の自分はこんなに考えたり感じたりしてたっけ?
おとなびた中学生たちが主人公です。 中学生の頃の自分はこんなに考えたり感じたりしてたっけ?
-
青春だなあ そして北海道だなぁ
新聞に載ったレビューで、札幌の中学校が舞台とあり 気になって、そして中学生の息子に読ませてみようか、くらいの軽い気持ちで買ってみました。 こちらのレビューでもあったのでミステリーと思ってはいませんでした。 想像以上によかった。 まず、札幌や北海道の地名が小説に出てきて また印象が違うなと。あまり場所をしつこく説明していないのもいいと思う。 地元に人にとっても、そうでない人にとっても 身近な場所と重ねることもできるくらい。 そして、確かに、大人にとっては謎といえない、ささやかなことだけど そして、子供たちの微妙な距離、というのを うまく表していると思います。 そして登場人物が、それぞれいいですね。 探偵役の歩くんは、とってもナイスキャラ いいですねぇ。ピリッと効いてます。 続編 読みたいです。 もっと冬の景色もみたいなぁ。
-
ミステリー未満だけど瑞々しい
日常生活のちょっとした謎を不登校の中学生が解き明かすというもの。主人公の4人のキャラは好感がもてる。探偵役の中学生は、おっさんくさい口調で、ケーキ食べすぎ。 1話を読んだときは、なんだこれ? と思ったが、我慢して2話、3話と読み進むうちに、この小説が鮎川哲也賞を取った理由がなんとなくわかってきた。思春期の子どもたちの感性に共感できるかどうかが、ポイントかな。でも、1話と4話は、ちょっと意味わからない。なんでこんなストーリーにしたんだろう。
-
爽やかな日常系ミステリ
"僕のライフ・スタイルは土日祝平日といった世俗的慣習に左右されない。かといって、毎日が夏休みなどという指摘は愚かだ。僕はそこらに転がっている有象無象より遥かに刻苦勉励し、己を磨いている。"2018年発刊の本書は、北海道の学園を舞台にした爽やか日常系ミステリ。 個人的にはミステリをテーマにした持ち寄り読書会で紹介されて手にとりました。 さて、そんな本書は中学バスケ部に所属する高身長の女の子、海砂真史にある日届いた差出人不明のラブレターをめぐって、9年ぶりに不登校児(=教室にいない)の幼馴染み、甘いもの大好きな鳥飼歩に相談の為に再会するところから始まり【中学生らしい等身大の謎】合唱コンクールや誕生日プレゼント、プチ家出といった次々に起きる難事件(笑)に挑んでいく連作短編集なのですが。 最近、バタバタと人が連続して殺されていく殺伐としたミステリばかりを手にしていたこともあって、当たり前に『人が死ぬ』という【社会的な大事件は起きなくも】また大人にはたいした問題でなくても【中学生同士の日常では切実な大問題】に違いないことを丁寧に"謎"として取り上げているのが、とても印象に残り、好感を覚えました。 また、続編で不登校の理由などが明らかにされていくのでしょうか?本書における探偵役、不登校児ではあるも全くその事でのネガティブさはなく、むしろ【謎に太々しく大人びた鳥飼歩】他、登場人物たちがとても健全かつ魅力的なのも爽やかな青春ものとして、とても良い読後感でしたね。 地方の学園を舞台にした爽やか日常系ミステリを探す人へ。また殺伐とした社会世相に疲れている人の清涼剤としてオススメ。
-
昨年授賞作とは別の魅力の鮎川哲也賞作品です
今年の鮎川哲也賞 過去2年、本格ミステリの傑作が生まれた賞ですので今年も期待していましたが、最初に中学生の日常の謎の連作短編と知り多少のがっかり感を持っていました いや 予想を良い意味で裏切られました ものすごく読みやすく登場人物に好感を持ち読後感がとても良かった 出てくる謎は、大人ならそれこそ謎にもならないものですが、中学生ならこうなりますか ささやかだけど、とても大切な謎 まさにその通りですね 昨年の屍人荘の殺人みたいに年末ランキングを賑わす事はないでしょう ただ、多くの人に読んでほしい そう思わせる優れた青春小説です 是非、この登場人物達に再び会えますように願っています
-
とても爽やかな作品
ミステリーでありながらとても爽やかな作品。さらっと読ませていただきました。 タイトル通り学園物で、アームチェア系です。 大きな事件、難解な謎。その類を求めている方にはお勧めできませんが、奇抜な舞台装置や特異な設定に頼らず、中学生の少年少女達の日常と、彼らがそこで起きる(大人にとっては)小さな謎に立ち向かう様がとても好ましく、丁寧に描かれているように感じました。 舞台となった北海道も、いい味を出しているように思います。 鮎川哲也賞の過去の受賞作とは趣は異なりますが、楽しませて頂きました。
-
中学生らしさが感じられる日常の謎ミステリー
第28回鮎川哲也賞受賞作が文庫になったので読んでみました。創元社お得意の日常の謎の連作なので出たときはスルーしてたんだけど、文庫になったのでそこそこ楽しめればと思って読んだらいい意味で期待を裏切られました。主人公が中学生なので。そんなに大きな事件じゃないんだけれど、そこがリアルというか。思わず感情移入してそえだよねとうなずきながら読んじゃいました。四作の短編集ですが、一番のお気に入りは最後のお話。切なく爽やかです。続編も早く文庫になって欲しいです。
関連する文学賞
- 鮎川哲也賞 第28回(2018年) ・受賞