日本の文学賞

← 受賞作品一覧に戻る
臨床探偵と消えた脳病変 (創元推理文庫)

創元ミステリ短編賞

臨床探偵と消えた脳病変 (創元推理文庫)

浅ノ宮遼

医療現場の謎を題材にした、臨床医の視点が生きる医療ミステリ

ミステリ医療連作短編集東京創元社

作品情報

脳病変が消えた理由をめぐって、学生たちと講師の勝負が始まる

『臨床探偵と消えた脳病変』に掲載された作品。医療現場の謎を題材にした、臨床医の視点が生きる医療ミステリ

書籍情報

出版社
東京創元社
発売日
2020-02-19
ページ数
432ページ
言語
日本語
サイズ
10.8 x 1.1 x 15 cm
ISBN-13
9784488411213
ISBN-10
4488411215
価格
1 JPY
カテゴリ
本/文学・評論/ミステリー・サスペンス・ハードボイルド

医科大学の脳外科臨床講義初日、初老の講師は意外な課題を学生たちに投げかけた。患者の脳にあった病変が消えてしまった、その理由は? 正解者には今期の試験においてプラス50点を進呈する、というのだ。一向に正解にたどり着けない中、西丸豊という学生ただ一人だけが意外な真相を導き出す――。選考委員が絶賛した第11回ミステリーズ! 新人賞受賞作「消えた脳病変」他、臨床医師として活躍する後の西丸の姿を描いた連作ミステリ集。現役医師がソリッドな謎解きで贈る、“臨床探偵"西丸豊の推理。『片翼の折鶴』改題文庫化。

レビュー

  • 医療系小説好きに勧めたい本です

    診断の天才と称される臨床医師=臨床探偵の物語です。とはいっても各話で他の医師や患者に焦点が当たり、最後に臨床探偵が解き明かしていく流れになっています。専門的な知識もありますが読めば理解できるように書かれており、単純なトリックの話もあるので読みながら推理して楽しめます。読者にとっても、話に登場する人物にとってもフェアなストーリー展開だと感じる良い本でした。

  • ひとりの人間としての医療従事者に少しでも思いをはせることができるかもしれない良作

    現代の医療現場を舞台にしたミステリ小説。著者の浅ノ宮氏は現役のお医者さんとのこと。 ストーリーの骨子はおおむね医療現場、不可解な症状を呈する患者を前にして悩む担当医師たちと、その症状に潜む真実を簡潔に鋭く指摘する西丸医師、というのが定型フォーマットの短編集である。 いわゆる本格ミステリではないし、フィクションとはいえ人の生き死にが関わっているの「日常の謎」というくくりでもない。専門的な医療用語が(丁寧な解説付きとはいえ)ばんばん出てくるのもあって多少とっつきにくい感はあるかもしれないが、法医学もののミステリや、医療ものに限らず論理で詰めていく話が好きな人には向いていると思う。 個人的には、各話とも紙数のほとんどは上述の「悩む担当医師」の独白などに割かれていて、満を持して西丸医師が登場するのは少しだけ、というのがちょっと好みの構成だ。ついでにいうならば、西丸ドクターが真実を指摘してめでたしめでたしだけで終わらないところにも著者の深みを感じたりも。 特に表題作など、謎の提示が終盤に近付いたあたりで、あぁもしかしてそういう錯誤が?、というあたりまでは読者として気づいたわけですが、その指摘とともに深く掘り下げられる背景描写が何とも言えずずしんとくる。 万人向けではないかもですが、ひとりの人間としての医療従事者に少しでも思いをはせることができるかもしれない、そういう意味でちょっと時節柄にも良かったかもしれない、などと思える読後感でした。

  • 徹底してフェア

    いわゆる医療ミステリに分類されるもので、医学の知識をふんだんに用いて謎を解く推理小説です。 多くの場合、こういったミステリでは推理そのものに対する面白さというよりは、探偵の深い知識に感嘆することを楽しむものになっています。 しかしこの小説は徹底してフェア。最後の推理が始まる直前の状態で医療に暗い読者でも推理が可能な作りになっています。 極めて論理的に作り込まれた構成に脱帽の一言です。

  • 飽きさせない内容。

    テーマが面白く、とてもよかった。

  • キャラクタを押し出した改題に違和感

    ※以下の内容には【ネタバレ】が含まれる可能性があります 天才的な医師を中心に,病気や医療を通した人,背景を描いた物語ということで, 知っている中では,著者が同じ医師である『 天久鷹央シリーズ 』が浮かびましたが, その医師,つまりは臨床探偵が登場から地味,以降も前にではなく,脇に徹するなど, キャラクタ性やエンタメ性は薄く,同じ医療ミステリでも中身はまるで異なる印象です. そのため,キャラクタを押し出したような, 『臨床探偵』への改題 には違和感を覚え, 受賞作のタイトルを繋げた,後ろの『と消えた脳病変』にもあまりしっくりとは来ず…. また,当然なのですが専門的な言葉が多く,そのための解説が増えがちになるため, どうしてもモタつき気味に映ることがあり,胸に響くやり取りがいくつもある一方で, ミステリとしてはは引っ掛かる面もあってと,もう一押しが足りないように感じました.

  • ミステリー系はあまり読まないのですが

    とても興味深く読めました。

関連する文学賞