作品情報
三人姉妹と、犬そっくりの生き物をめぐる幻想的な物語。
東京創元社の書誌ページで、幻想的なSF要素と日常描写が交錯する短編集として確認。表題作「うどん キツネつきの」は第1回創元SF短編賞佳作。
書籍情報
- 出版社
- 東京創元社
- 発売日
- 2016-11-19
- ページ数
- 316ページ
- 言語
- 日本語
- サイズ
- 10.8 x 1.3 x 15 cm
- ISBN-13
- 9784488765019
- ISBN-10
- 4488765017
- 価格
- 1034 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論/文芸作品
犬に似た奇妙な生き物を育てる三姉妹の人生をユーモラスに描き、第1回創元SF短編賞佳作となった表題作、郊外のぼろアパートの住人たちの可笑しな日々「シキ零レイ零 ミドリ荘」、十五人姉妹が暮らす孤島を見舞った異常事態「母のいる島」、ウェブ上に現れた子供の日記から始まるシュールな冒険「おやすみラジオ」、ねぶたの街・青森を舞台に時を超えて紡がれる幻想譚「巨きなものの還る場所」の全五編を収録。
レビュー
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おもしろかったです!
どの作品もありふれた日常のリアリティを楽しんでいるうちに、いつからかするっとどこに連れていかれます。いつのまにか離陸していて、読み終わった後にしばらくお話が終わったことに気づかなくて「え?これでおわりなのかな…?」とページを戻してためすがめつする作品がいくつかありました。終わり方では他に、この一文、この絵で締めるのか!カッコイイ!と思うものがありました。映画の終わりみたいなこれまでの経過からどこかにつながるキレのよいイメージがバン!と飛び込んできて、おおおお!っとなるものです。それぞれ違った作風でありながらも独特な不思議感を味わえます。…マジックリアリズム?SF?とにかく、楽しかった!風景のパースまで見えるような場所の描写も秀逸で、みどころのひとつと思います♪あと、登場人物たちの名前がひとつひとつ、たいせつにされている感じがして素敵です。
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退屈。冗長。意味不明。
話題作だというので読んでみましたが意味がさっぱり分かりません。は?って感じの終わり方。冗長なだけで展開も退屈。
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作品ごとの差が大きく統一感はないがまあ楽しめる
表題作が創元短編賞の佳作に選ばれているので読んでみた。「うどん キツネつきの」は個人的には面白く読めなかった。よく意味が分からなかったというか、関西の感覚で表現するなら、「オチは何?」って聞きたくなるほどの分からなさだ。本書に収録されている他の作品の方が楽しめた。個人的には「母のいる島」と「おやすみラジオ」が面白かった。 以下、個別作品の感想。 ◎うどん キツネつきの よく意味が分からなかった。第二回創元SF短編賞の佳作の作品。期待しすぎたか。 ◎シキ零レイ零 ミドリ荘(しきぜろれいぜろ) ボロアパート(昭和の古い時代くらいに建てられたものか)に住む住人たちの物語。各部屋に住む人たちのキャラが立っていて、それらの人の話が面白い。子供は子供で楽しく生きているし、大人は大人で楽しく生きている。裕福な住人はいない。でも楽しさが伝わってくる。昔ってこんな感じだったのだろうか。今でもこんな感じのアパートってあるのだろうか。ありそうな気がする。世の中は変化しているようでしていない所もありそうだから。 ◎母のいる島 16人の子供を命懸けで産んだ母親の話。なぜ子供をたくさん産んだのかその理由が明かされたとき、背筋が凍りそうな感覚に襲われる。決してネガティブではないが、母は強しと言うべきか、恐るべし女の執念と言うべきか。面白かった。 ◎おやすみラジオ ほのぼのとした話かと思いきや、まさに衝撃のラストシーンに驚かされる。とても柔らかい感じがする話であるが、ラストに向けて恐怖を感じてくる。ブログ恐い。 ◎巨きなもの環る場所(おおきなものかえるばしょ) 関係ないいくつものストーリーが少しずつクロスする様が面白い。自分を含めて世の中というものは他の何かから出来ていることを感じさせる。
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明確な答えや理屈を求めてはダメ
かわいらしい(?)カバー絵とは裏腹に,なかなかの手強さを覚える一冊となっており, 日常の風景を前面に押し出しながらも,その中へじわりと割り込んでくる不思議や不条理, そして『奇妙な何か』を描いている印象で,そこへ言葉や愛情といったものが重ねられます. ただ,その雰囲気は独特で,表題作である一篇目からいきなり戸惑わされたかと思えば, 残りの四つもその発想に驚きや感心を抱く一方で,背景や設定には触れられずに進むため, 多くの部分で疑問符が湧き起こり,明確な答えや理屈を求める読み方とは相性が悪そうです. このあたりが楽しみどころであり,想像や解釈をあれこれ膨らませるべきなのでしょうが, 考えれば考えるほど迷い込み,物語や人々,世界は常にもやの向こうにぼやけて見えるよう. 読む人によって大きく姿を変えるであろうそれらは,自分にはかなり荷が重く感じられました.
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読み続けられない。
2010年の「新時代の感性」には、どうやら着いて行けないらしい。 1篇目の表題作に落伍して、しばらく時間を置いて 2篇目の「シキ零レイ零 ミドリ荘」を読み始めるも、長い台詞に脱落、 3篇目の「母のいる島」は、保育器の説明に、どうにも相性の悪さを痛感、 4篇目の「おやすみラジオ」小学4年生のタケシのブログに、大人が子どもの振りをする限界と、 知っていることを知らないとすることの難しさを感じつつ、読むことの時間の無駄を考え、離脱。 5篇目「巨きなものの還る場所」は、死者の上で、それも病室か診察室で、故人の持ち物などを燃やす、 中国の山間部の一族の風習から始まるが、その先を読み進みたいという気持ちになれない。 本作が新感覚の佳作なのだから、この先、創元社のSFに手を出してはいけないのだろう、と痛感。 読むには、まず買うというお金を遣う行為があり、さらに2度と戻らない時間を使うという行為に繋がる。 どちらも、無駄に使ったときは、諦めの悪くなる類いの物だ。
関連する文学賞
- 創元SF短編賞 第1回(2010年) ・佳作