作品情報
宇宙の静寂のなかで、人工知性だけが七十四秒を守る。
東京創元社の書誌ページで、第8回創元SF短編賞受賞作「七十四秒の旋律と孤独」を表題作とする短編集として確認。人工知性と宇宙の静寂を軸にした作品群。
書籍情報
- 出版社
- 東京創元社
- 発売日
- 2023-12-11
- ページ数
- 336ページ
- 言語
- 日本語
- サイズ
- 10.5 x 1.3 x 14.9 cm
- ISBN-13
- 9784488797010
- ISBN-10
- 4488797016
- 価格
- 946 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論/SF・ホラー・ファンタジー
平穏のうちに一万年が過ぎて、 滅びたはずの創造主とぼくたちは出会った。 『わたしたちの怪獣』の久永実木彦が贈る、 優しさと痛切さに満ちたデビュー作品 第8回創元SF短編賞受賞作を収録 宇宙空間で物体がワープする際に生じる、空白の七十四秒間。この時間の存在を認識し、襲撃者の手から宇宙船を守ることができるのは、船に乗りこんだ人工知性たちだけだった――ひそやかな願いを抱いた人工知性の、静寂の宇宙空間での死闘を描き、第8回創元SF短編賞を受賞した表題作と、独特の自然にあふれた惑星Hを舞台に、乳白色をした8体のロボットと人類の末裔が織りなす、美しくも苛烈な連作長編「マ・フ クロニクル」を収める。 ■目次 「七十四秒の旋律と孤独」 「マ・フ クロニクル」 「一万年の午後」 「口風琴(くちふうきん)」 「恵まれ号 Ⅰ」 「恵まれ号 Ⅱ」 「巡礼の終わりに」
久永 実木彦 東京都出身。2017年、「七十四秒の旋律と孤独」で第8回創元SF短編賞を受賞。書籍デビュー作である『七十四秒の旋律と孤独』が日本SF大賞候補に選ばれる。2022年に発表した短編「わたしたちの怪獣」で再び日本SF大賞の候補となったのち、同作を表題作とした短編集を2023年に刊行した。愛妻家で愛猫家。
レビュー
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美しく切ない未来の神話
表題作の美しさと切なさに心奪われて、続く連作長編マ・フ・クロニクルで完全に虜になりました。永い刻の中で人類とマ・フの立場が入れ替わり、信仰が逆転していく物語はまるで未来の神話のようです。読みやすく美しい文体でSF読者以外にもお勧めです。
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やりきれなさと美しさと。
「七十四秒の旋律と孤独」のなんとも言えないやりきれなさと同時に美しさを感じるストーリーに惹かれた。 しかしその後の「マ・フ クロニクル」は正直辛かった。ヒトの残虐性が際立つだけに…。やりきれない思いが残った。
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SFだ!
えーと買ってないしまだ読んでません。いつかは読みたい。星の数は期待値です。 平穏のうちに一万年が過ぎて、 滅びたはずの創造主とぼくたちは出会った。 どのお話か分かりませんが、この多分冒頭の一文が詠嘆するほどSFです。
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何故人は人工知能やロボットに感情を抱かせたがるのか
他のレビューに表題の七十四秒以降は蛇足だとありましたが、私もそう思いました。思いましたが、同じ日々を繰り返していたマ・フが人間との接触から、仲間同士に順列と亀裂、人間のような感情が芽生え、美しくも同じ無機質な日々が崩れ去ってしまう。この手の話で人間みたいな感情が人工知能に芽生えていくのは似たようなのを何度も見たり読んだりした事がある。しかして、その行為は、作中の人物であるオク=トウは、マ・フの一体であるナサニエルを友としながら、それでも下に見ていた。それが、「目をかけてやったのに」という言葉だ。人間は結局どうあがいても人間以外を同列には、いや人種で上だの下だのやっているのだから、人間は結局のところ、他者(生物、無機物)まとめて悪影響のある種なのだろう。最後に、ナサニエルが踏み潰し絶やした筈のアイス・ブルーが、一万年を越えて存続していた植物と生物のしぶとさと変わらぬ美しさを、ナサニエルの心が救われた事を見届けられた事が私は嬉しかった。
関連する文学賞
- 創元SF短編賞 第8回(2017年) ・受賞