日本の文学賞

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ふたつの家のちえ子 (評論社の児童図書館・文学の部屋)

坪田譲治文学賞

ふたつの家のちえ子 (評論社の児童図書館・文学の部屋)

今村葦子

祖父母の家で育ったちえ子が、祖父の死をきっかけに両親ときょうだいのいる家へ戻り、自分の居場所を探していく児童文学です。二つの家庭のあいだで揺れる子どもの心を、生活の細部から描きます。

家族成長喪失子どもの自立

作品情報

二つの家のあいだで、ちえ子は少しずつ自分の足で立つ力を見つけていきます。

祖父母の家と両親の家という二つの生活圏を通じて、子どもの不安、甘え、寂しさ、変化への戸惑いを描いた物語です。評論社の児童図書として刊行され、坪田譲治文学賞を受けました。

書籍情報

出版社
評論社
発売日
1986-05-01
ページ数
342ページ
言語
日本語
ISBN-13
9784566022003
ISBN-10
4566022005
価格
2420 JPY
カテゴリ
本/文学・評論

第2回(1986年) 坪田譲治文学賞受賞

レビュー

  • 生涯読み返したくなる名作

    現在40代半ばですが、小学生の頃にこの本に出会い、子どもながらに胸の奥底に響くものがありました。 成人後、実家にあったその本は妹が廃棄処分してしまったことを知り、Amazonで見つけて購入しました。 それが今から17年ほど前になりますが、以来、何度も読み返している大切な1冊です。 彼岸花やサーカスなど、郷愁に満ちた昔の風景。 幼いちえこの寂しさ、じいちゃんばあちゃんの温かさ、成長していくということ… 文庫版があったなら、持ち歩いて電車の中でも読めて最高なのですが、それは難しいのでしょうね。 これからも人生通してこのハードカバーの表紙をそっと開いて、ちえこの物語に会いに行きたいと思います。

  • たまらない名作・・。

    この本を私が手にしたのは もう22年も前の小学生の頃です。 そして次に出逢ったのは16,7歳の頃、学校のラーニングセンター。 思い入れがとてもあったので 再会したときにもその喜び、ひとしおでした。 小学生の心にももう十分すぎるほどに響きます・・。 小学生でも涙が出ます。 ただ、大人になるにつれ、感想は変わってくると思います。 私も大人になり、子供を持つと、子供の心だけを尊重して生活するわけにはいかない。 そういうところです。 小学生の頃にこの本を読んだときは。 ちえこちゃんの環境に自分を置いてみて、 いきなりおじいちゃんが亡くなること、おばあちゃんと離されること、知らない子たちとある日突然一緒に暮さないといけなくなること、 そして、今まで一人っ子のように可愛がられて自由にしてきたのに、とても質素な暮らしをしなければなくなること・・・ 全部がとても辛く悲しいものに思えました。 そしておじいちゃんとおばあちゃんとのセピア色の思い出・・ それは30代半ば以上だったらみんな経験した郷愁感じる部分では無いでしょうか・・ 段々と兄弟にもまれて強くなるちえこちゃん☆” とても頼もしい・・”!!! しかし小学生の私が繰り返し読んだのは 初めのおじいちゃんおばあちゃんとの暮らしの部分。 中盤からは小学生の私には辛すぎたので はじめばかり読んでいました。 でも、成長するにつれ、 そこに捕らわれすぎずに読み進むことが出来るようになります。 子供にも大人にも 本当にたまらない名作・・・☆☆” ワタシは自分の子にも この本を買ってあげるつもりです☆

  • 懐かしい風景・働き者の母親

    作者は、1947年生まれ。 自らの体験のなかから生まれた創作だそうです。 児童文学の好きな大人には風景も登場人物も懐かしさに溢れていて、 過去の幸せな思い出だけを再現します。 しばし現実を忘れて、作品の世界に漬かっていたい気分に駆られました。 主人公は小学校入学を1年後に控えている、大人しいおばあちゃん子のちえ子。 家の中心的な存在で威張っている祖父、 決して声を荒げず、ゆっくりではあるが日々の生活や家事を律儀にこなしている祖母のもとで ちえ子は幼稚園にいかないことも許され、穏やかに育ちます。 なぜ、ちえ子が祖父母の家で暮らしているのか本人も読者もわからないまま 花祭、盆花、サーカスなどのこれも懐かしいシーンを連ねて、静かな毎日が続きます。 父親の肺病による入院と育児で忙しい母親の元から、 祖父が見かねて、生後半年のちえ子だけを連れてきたことが、中盤で明かされます。 やがて、祖父が亡くなり、小学校入学を機にちえ子は山の上の家で、祖母と離れて、 小学校の先生をして一家を支える母とほか4人の兄弟と一緒に暮らすことになります。 父親は長期入院中の身。 母親がとにかくフル回転で“親”に徹してがんばります。 もらい湯や自転車やさん、児童数の少ない村の学校など 後半のお話もどこかに置き忘れてしまった昭和の記憶を手繰り寄せタイムスリップしてしまいます。 たぶん子供たちに手渡せば、読んで好意的な感想を聞かせてくれると思いますが、 大人の読者ほどの感動はないだろうなと思いました。

  • じわーっとくる名作!

    装丁などは大変地味なのですが、私の本棚の中でピカイチのお勧め本です。 おじいさん達と暮らす前半部分と、兄弟達と暮らすようになる後半部分からなるのですが、前半で甘えん坊だったちえ子が後半で少しずつきょうだい達とぎくしゃくしながらも、成長していく過程が心を打ちます。 特にちえ子が小学校にあがる準備をしているときに、ばあちゃんが荷物にそっと入れておいてくれた赤いランドセルを見たとき、ちえ子はこらえきれずに涙をぽたぽた流します。この場面はなんど読み返しても私も泣いてしまいます。 もう1つ好きな場面は、最初は怖いと思っていたおにいちゃんが、悪がきからちえ子を助けてくれたとき。ちえ子と一緒にぽわーんとあたたい気持ちになります。 おじいさんとおばあさんと一緒に暮らしているときの様子は、なんともほのぼのとしていて、そういえばウチのおじいちゃんも昔はこうだったなあとか。 読後感は満足!の一言に尽きます。ぜひご一読ください!!

  • 「リトル・トリー」以来、本当に感動した本

    祖母、祖父、母、父、兄弟たちの言葉、ひとつひとつが、宝石のようです。 何度でも読み返したい。一生置いておきたい。一家に一冊置いてほしい。 久々に素晴らしい児童書です。 子供に家族にぜひ読んでほしい。こんなにいい本は「リトル・トリー」以来です。 「ハリポタ」や「ダレンシャン」より、ずっといいよ!!!

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