作品情報
月に支配された世界で、それでも愛は残る。
双葉社刊の小説集。表題作を中心に、月をめぐる不穏で美しい世界を構築する。
書籍情報
- 出版社
- 双葉社
- 発売日
- 2021-11-18
- ページ数
- 384ページ
- 言語
- 日本語
- サイズ
- 18.8 x 12.8 x 2.5 cm
- ISBN-13
- 9784575244649
- ISBN-10
- 4575244643
- 価格
- 1344 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論/SF・ホラー・ファンタジー
史上初の快挙! 本屋大賞ノミネート、吉川英治文学新人賞&日本SF大賞W受賞! 2021年の刊行以来、20以上のメディアで紹介され、ロングセラーとなっている小田雅久仁の『残月記』。 吉川英治文学新人賞の選考委員も絶賛! *一読して、小田ワールドの虜になった。「残月記」の主人公の愛の届け方など、切なくて涙した。凄い/伊集院静 *ここまで確固たる『異/畏』世界を創り出せる人はなかなかいない/恩田陸 *私たちの日常に入り込む、ひんやりとした既視感のある不安が、この著者が書くことで「新しい物語」へと生まれ直している/辻村深月 【内容紹介】 ダークファンタジー×愛×ディストピア。全編「月」をモチーフにした、超弩級エンターテインメント! 計り知れぬ想像力が構築した三つの異世界。 「そして月がふりかえる」 不遇な半生を送ってきた男がようやく手にした、家族というささやかな幸福。 だが赤い満月のかかったある夜、男は突如として現実からはじき出される。 「月景石」 早逝した叔母の形見である、月の風景が表面に浮かぶ石。生前、叔母は言った。石を枕の下に入れて眠ると月に行ける。 でも、ものすごく「悪い夢」を見る、と。 「残月記」 近未来の日本、人々を震撼させている感染症・月昂に冒された若者。 カリスマ暴君の歪んだ願望に運命を翻弄されながら、抗い続けてゆく。愛する女のために。
1974年、宮城県生まれ。関西大学法学部政治学科卒業。 2009年、『増大派に告ぐ』で第21回日本ファンタジーノベル大賞を受賞しデビュー。 12年の『本にだって雄と雌があります』は、同年の「SFが読みたい!」国内篇で第7位、翌年の第3回Twitter文学賞国内部門で第1位となる。 13年の短編「11階」が第25回SFマガジン読者賞国内部門を受賞。 9年ぶりの著作『残月記』で2022年本屋大賞第7位、第43回吉川英治文学新人賞、第43回日本SF大賞を受賞し、23年の「SFが読みたい!」国内篇で第3位となる。
レビュー
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大好きです
ファンタジー、ディストピア、SFが好きな人なら必ずや楽しめると思います。 それにプロレスや格闘技が好きな人はニヤッと笑ってしまうかも。 一つ一つの文が選び抜かれた言葉で構成され、極めて美しく、心に響きます。 いつまでも余韻に浸っていたい小説です。
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どれも良い作品
収録されている三作品とも面白かったです。SFなのかファンタジーなのかわかりませんが、不思議な世界観に引きこまれました
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あいまいな生死の境
主人公が死んだかと思うと別の世界に移っているということが繰り返されるのが面白いです。 それぞれの世界に迫真性を持たせようとしたのだと思いますが、それぞれの世界の経緯又は背景の記述が長過ぎると感じました。
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緻密に構築された傑作ダークファンタジー
1年前に買ったものだが、収録3編中の1編だけ読み、残りは積ん読していた。 その間に本書は吉川英治文学新人賞と日本SF大賞をW受賞(史上初)する快挙を成し遂げていた。それを知って、あわてて残りを読んだというしだいである。 月にまつわる、3編のダークファンタジーないしSFを収めている。 3編とも傑作だが、中編といってよい長さの表題作がとくにすごい。狼男伝説をベースにしつつ、近未来日本のドス黒い偽史を緻密に構築し、その土台の上に、感染症「月昂」に侵された者たちの壮大な悲劇が展開される。 感染症「月昂」にまつわる設定の一部は、ハンセン病の悲しい歴史を下敷きにしているのだろう。と同時に、コロナ禍のメタファーであるようにも感じられる。 だが、本作が『小説推理』に短期連載されたのは2019年で、コロナ禍の前なのだ。作家の想像力が生み出した予見的な作品といえよう。 相変わらず素晴らしい文章を書く作家である。とくに比喩表現。メモしておきたいような卓抜な比喩が随所にある。 デビュー作『増大派に告ぐ』に度肝を抜かれてから14年。寡作でマニアックな作家であった小田雅久仁が、ついに複数の賞に輝き、脚光を浴びたかと感慨深い。
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映像化期待!
"あなたらが見あげるまるいうすい銀箔な骨まで凍えきった月の死骸だ骨がらだ われらの月は生きている息づいている脈動している 夜の心臓のようにわれらの心臓の母のように"2021年発刊の本書は月をテーマに三作の異世界が収録された良作。 個人的にはディストピア小説好きということもあって本書を手にとりました。 さて、そんな本書は著者9年ぶりの著作にして2022年本屋大賞第7位、第43回吉川英治文学新人賞、第43回日本SF大賞受賞、23年『SFが読みたい!』国内篇第3位と評価も高い一冊で。 研究者として不遇な半生を送ってきた男がようやく社会的安定や知名度、そして家族というささやかな幸福を得るも【怪しげな満月の日に全て奪われてしまう】どこか純文学的な短編『そして月がふりかえる』月の風景が表面に浮かぶ石を枕の下に入れて眠ると【異世界としての月に連れていかれてしまう】女性を描いた短編『月景石』そして表題作の独裁者に支配された近未来日本、人々を震撼させている感染症・月昂に冒されつつも【剣闘士として戦い続ける】青年を描いた中編『残月記』の三作が収録されているのですが。 エンタメ度の高さでは中でもやはり表題作の『残月記』が面白く。ディストピアSFとして映像化してほしい。と脳裏にラッセルクロウ主演の『グラディエーター』日本版?的イメージを浮かべながら楽しませていただきました。 また『そして月がふりかえる』も、あまり救いのない話ですが。それまで堅実に生きてきても、魔が刺したとしか思えない【一瞬で社会から弾かれてしまう】現代日本社会にしがみついて生きる1人として、何とも隠喩的な作品だな。と、じわじわと。 幻想的な短編好き、現代日本的ディストピアSF好きな方にオススメ。
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表題作の圧倒的なリアリティに、激しく心を揺さぶられました。
収録作品は、次の三つ。 そして月がふりかえる 【初出は、『小説推理』 2016年2月号 】 月景石(げっけいせき) 【初出は、『小説推理』 2017年7、8月号 】 残月記(ざんげつき) 【初出は、『小説推理』 2019年4 ~ 7月号 】 なんと言っても、表題作の中篇『残月記』が圧巻の出来栄え。臨場感に満ちた物語のリアリティが半端なく、ぐいぐいぐいと、読み進むほどに作品世界に没頭していきました。 異世界の日本を舞台に、月昂(げっこう)という感染症にかかった男・宇野冬芽(うの とうが)の人生を、運命を描き出してゆく物語に、激しく心を揺さぶられました。 なかでも終盤、話は予想外の方向に舵(かじ)を切り、感動的なラストへと突き進んでいきます。暴風雨の後に、凄いほど美しい景色が広がっていた‥‥みたいな読み心地。昔、『風の谷のナウシカ』て映画を見て心が震えた、その時の感動、その時の光景がよみがえってきたんですよね。ほんと、ラストは泣きながらページをめくってました。 小田雅久仁(おだ まさくに)さんの作品は、去年(2020年)、伴名 練(はんな れん)さんが編んだアンソロジー『日本SFの臨界点[恋愛篇]死んだ恋人からの手紙』収録の「人生、信号待ち」て短篇で初めて読んで、とっても面白いなと思ったんでしたが、いやもう、この「残月記」には圧倒されたなあ。心揺さぶられる、忘れられない傑作となりました。
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独特
独特。
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設定はいい
設定はいい。 月昴者 児童養護施設 詩「残月」 一党独裁政権 西日本大震災 これらのピースが重なると 耐えられなくなる。 御免なさい。 途中で断念します。
関連する文学賞
- 吉川英治文学新人賞 第43回(2022年) ・受賞
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