日本の文学賞

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サーカスが来た! (平凡社ライブラリー)

日本エッセイスト・クラブ賞

サーカスが来た! (平凡社ライブラリー)

亀井俊介

アメリカのサーカス、演芸、映画、ヒーロー像を手がかりに、大衆文化の豊かさを読み解く文化論。学問的な視野を保ちながら、語り口は平明で、旅の記録のようにも読める。

アメリカ文化大衆芸能文化史

作品情報

サーカスが来た!は、亀井俊介の視点から時代と人間の姿を映し出す作品である。

町から町へ移動するサーカスの記憶から、金ぴか時代、映画、講演会、民衆の想像力へと論が広がる。民主的な文化の裾野を楽しげに探る、亀井俊介らしい文化エッセイ。

レビュー要約

  • 題材への切り込み方と落ち着いた筆致を評価する声がある。展開の速さよりも、時代背景や人物の内面をじっくり読む作品として受け止められている。

書籍情報

出版社
平凡社
発売日
2013-05-10
ページ数
375ページ
言語
日本語
ISBN-13
9784582767865
ISBN-10
4582767869
価格
1870 JPY
カテゴリ
本/人文・思想

Amazon.co.jp: サーカスが来た! (平凡社ライブラリー) : 亀井 俊介: 本

レビュー

  • この素晴らしきアメリカ大衆文化の世界

    アメリカ大衆文化の魅力を描いた傑作エッセイ。 米国文学史の教科書に出てくるような「頂上の文化」に対して、大衆に支持され・広大な国土の津々浦々に文化の香りを届けていた「裾野の文化」を取り上げている。テレビも映画も無かった時代、各地を巡業するサーカス、大衆演劇、楽しい講演をして回る教師たち、安価な読み捨て小説などが大衆文化の担い手であった。本書はそうした文化の在り方を、主たる登場人物に光を当てながら魅力的に語っています。 こんなに面白い本は久しぶりに読みました。 いろいろな読み方ができる名著だと思います。 時事的には、アメリカ大衆文化における顕著な道徳的傾向が印象的です。 当時、サーカスも大衆演劇も、建前としては「教育」を掲げなければ受け入れられず、「移動博物館」や「講演室」を名乗っていました。楽しいだけの単なる娯楽はそれ自体が悪徳とみなされていたようです。大衆小説でも、不倫などの悪徳の勝利は受け入れられず、最後は健全な家庭(スイートホーム)が回復され、あるいは正義が勝つ(西部劇)のでなければなりませんでした。西部劇の主人公像には、女性を高貴なものとして崇拝する騎士道精神が反映していたそうです。 ここに見えるのは、アメリカにおける健全な家庭道徳の根強さであり、レディーに対する純粋な愛という理想の大切さです。こうした女性観は、映画とテレビによって大衆文化の形態が変わっていまった今でも、米国人の心の奥底に保たれているのではないでしょうか。だとすれば、外国人が「風俗を使え」などと言うのは、アメリカ文化の根っこにある女性観の理想を逆なでする行為といえます。 無知により地雷を踏んでしまうのは恐ろしいことだと思いました。

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