作品情報
森まゆみ『「青鞜」の冒険:女が集まって雑誌をつくるということ』の受賞作情報と書誌状況を整理した作品紹介。
女性誌『青鞜』の創刊から休刊までを、雑誌編集という視点からたどる評論。平塚らいてうや伊藤野枝らの思想だけでなく、女性たちが集まり、書き、編集する場そのものの意味を掘り下げる。 書誌識別子は、確認できた紙書籍の情報に限定し、掲載誌や応募原稿の識別子は採用していない。
レビュー要約
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作品の題材や筆致を評価する反応が中心で、受賞作としての位置づけと読後に残る主題性が注目されている。
書籍情報
- 出版社
- 平凡社
- 発売日
- 2013-06-27
- ページ数
- 320ページ
- 言語
- 日本語
- サイズ
- 13.6 x 2.6 x 19.5 cm
- ISBN-13
- 9784582836271
- ISBN-10
- 4582836275
- 価格
- 2090 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論
女性による女性のための雑誌『青鞜』の歩みを、平塚らいてうや伊藤野枝らの生き方とともに、また100年後に著者自身が営んだ地域雑誌『谷根千』を引合いにしながら丹念に追った意欲作。
レビュー
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ありがとう
完璧です。ありがとう御座います。
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良い文庫でした。
以前から探していた文庫で、書店では置いてなく、諦めていました。 Amazonで見つけ購入しました。 思いの外、程度が良く、満足しています。ありがとうございました。
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とても綺麗な状態できました
綺麗な状態で送っていただけて嬉しいです。
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編集集団としての青鞜
女性史などの視点からこれまで大きな関心が寄せられ様々に語られ論じられてきた、『青鞜』とその同人たち。だが、その雑誌ないしは雑誌の出版活動としての特質について検討した研究や評論は、従来ほとんどなかったのではないか。その不足を指摘し、「編集集団としての青鞜」という観点からこの画期的な雑誌とそれをめぐる女性たちの生きた跡を丹念に論じたのが本書である。著者が編集人を務めた地域雑誌『谷根千』の出版活動の経験と記憶を、明治・大正時代における女性主体の雑誌の先達の歴史に重ね合わせ、その当事者たちの生き方や文章の魅力や駄目な部分、雑誌としての意義や限界を論じていく筆致は、とても新鮮であり、楽しく読み進めながら学ぶところが多かった。 また『青鞜』の同人たちの活動拠点が、本郷区や巣鴨などを中心としていた、という地域性にも注意をしながら人々の動きや人と人とのつながりを見ていく視点も興味深く、むろんこちらも『谷根千』で培った見識が十全に活かされているわけだが、地域性を重視した近代史の論述としてやはり読みがいがある。きらびやかなブックデザイン、掲載される数多くの写真や表紙絵が目を楽しませてくれ、コンパクトな関連年譜も便利。一冊の本として非常に素晴らしい群像劇的な評論作品であると思う。
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女性誌の歴史の一端が垣間見える
研究書ではなくてエッセイだが、あの「青鞜」の制作風景が資料にもとづいてわりと丹念にされているので、女性誌史的なネタはいくつかは拾えた。著者が関わった地域雑誌に関する話題が随所に盛り込まれ、おそらくはみずからの経験と照らしあわせて「青鞜」の制作風景を分析的に語ろうとしたのだろうが、なにぶんにも知名度が高くはない雑誌なので、余計な脱線ぐらいにしか思えなかった。 ちょっとびっくりしたのは、学生時代に何度も読んだ野上弥生子/訳『ブルフィンチ ギリシャ・ローマ神話』が「青鞜」に連載されていたということ。当時の題名は「伝説の時代」なのだが、まさか「青鞜」コンテンツとの関わりがあるとは思いもよらなかった。もっとも、平塚らいてうの没年が1971年、野上弥生子に至っては1985年なのだから、それほど驚くべきことではないのかもしれないが。
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文芸誌だったんですね
今の今までとんでもない誤解をしていました。 『青鞜』は、文芸誌だったんですね。 平塚らいてうの創刊時の文章「元始、女性は太陽であった。真正の人であった。」によって、女性の地位向上のための活動紙というイメージがありました。 確かに、そうした論説もあるのですが、大半が小説であり短歌であったようです。 その中で、「女性」に関する論説だけでなく、翻訳も沢山あった様です。 それにしても、雑誌を編集し出版するのは大変なことです。 そのあたりの様子は、作者の「谷根千」での経験が交えられ、非常に良く理解出来ます。 それにしても、最後は伊藤野枝が編集者だったとは、知りませんでした。 この雑誌について、そして歴史的な位置づけについて、非常に良く理解出来た本でした。
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「青鞜の冒険」面白かったです
「青鞜の冒険」。面白かったです。タイトルの「冒険」は、青鞜やらいてうの冒険ではなく、 森さんの冒険だったのですね。
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『青鞜』を雑誌づくりの視点から省察した力作
著者の森まゆみさんは地域雑誌『谷根千』の編集に携わっていらしたことで有名ですが、本書は「新しい女」という言葉を生むもとになった『青鞜』とそれに関わった人々を雑誌作りという観点からとらえた力作です。「元始、女性は太陽であった」という平塚らいてうの言葉に象徴されるように『青鞜』は男尊女卑の風潮の強かった明治から大正にかけて、当時の進歩的な日本女性に多大な影響を与えました。 本書は『青鞜』の創刊者であるらいてうのみならず、尾竹紅吉、伊藤野枝、保持研といった個性的な同人たちや彼女たちにまつわる人びとを通じ、家庭や恋愛の苦労、世間からのバッシング、当局からの発禁処分などに耐えながら発行され続けた『青鞜』の苦難の歴史を綴っています。芸術家肌でやんちゃな紅吉が気分の赴くままに書いた「編集後記」に着目し「現代のブログのよう」と指摘しているのは面白いです。 森さんの筆は女性解放の先駆者として神格化されたらいてうになかなか厳しく、彼女の自伝を引用して「アッパーミドル」のお嬢様であったらいてうの甘さ(『青鞜』の発行資金はらいてうの母が賄っていた)、恵まれない境遇の者に対する同情のない表現などを批判しつつも、いっぽうで彼女の先見性やいさぎよさを評価しています。また当時の風俗や社会に関する描写とともに『青鞜』関係者に連なる人びとの貴重な証言も多く記され、3人の子を育てながら雑誌作りに携わった著者ならではの説得力ある視点が光っています。 『青鞜』に関わった多彩な人々のなかでも20歳で『青鞜』の編集人となり、のちにアナキスト大杉栄とともに軍部に殺害される伊藤野枝の激しい生涯はとりわけ鮮烈な印象を残します。100年以上も前の日本で奔放かつ勇気ある生き方をした『青鞜』の女性たちに著者が深い共感を覚え、震災後の日本に生きる指針としていることが最終章の最後の数行から伝わってきました。 『青鞜』の歴史と雑誌編集者としての自分の体験を重ね合わせる記述にやや抵抗を覚える箇所もないではありませんでしたが、当時の資料を丹念に読み込み、慣れ親しんだ谷根千という土地を通じて『青鞜』に新たな光を投げかける力作だと感じました。
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