作品情報
和文と漢文の境界にある変体漢文を、日本語史の中で捉え直す。
定義、語彙、漢文訓読語、表記の各側面を比較し、まとまって捉えられてこなかった変体漢文の特性を明らかにする。
書籍情報
- 出版社
- 勉誠社
- 発売日
- 2019-02-28
- ページ数
- 378ページ
- 言語
- 日本語
- サイズ
- 15.5 x 2.8 x 21.7 cm
- ISBN-13
- 9784585291725
- ISBN-10
- 4585291725
- 価格
- 1078 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論
日本で著述され、かつ、本来の中国語文には見られない和習を含んだ漢文―変体漢文。 この「漢文式に日本語文を書く」というあり方は、記録・文書・典籍等を記す文語文として中核をなし、前近代の日本人の日常的な言語生活に深く根付いていた。 和文・漢文のはざまを漂う「鵺」のような存在として未だ総体を捉える基盤研究のなされていなかった変体漢文の特性と言語的特徴を同時代の諸文体との対照から浮き彫りにし、日本語史のなかに定位する。
昭和62年9月京都市生れ。大阪大学文学部卒業、東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。京都大学大学院文学研究科講師。 専門は日本語文語史。本書所収の論考の他に『山田孝雄著「日本文体の変遷」本文と解説』(勉誠出版、2017年。共編)、「『尾張国解文』現存テクストの成立についての試論」(『国語国文』87-12、2018年)、「変体漢文、どう読むか・なぜ読むか」(『いずみ通信』44、2018年)等がある。
レビュー
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変体漢文の「日本語学的」博士論文の書籍化!
本書は、峰岸明氏の『変体漢文』(東京堂出版 1986年)以来の、確かな研究書籍と言える著作です。 書籍化に際して「日本語学的」のことばを省略したのは、本書の博士論文の固さを和らげてはいますが、著書の主題を不鮮明にしているようで残念な思いがします。 漢文訓読や古辞書の範疇に関心がある私には、変体漢文についても以前から書籍を探しているところでした。国語学の築島裕氏と小林芳規氏の研究書や、平安貴族の日記の翻訳に今注目が集まっている倉本一宏氏の書籍など、私の身近に溢れているところでした。 本書を眺め読むと、大変難しく感じられる方もおられるかと思いますが、まとめの中で著者は、変体漢文を「漢文に依存しょうとする姿勢の一つの変形」とさえ考えられる(築島)、候文に「客観的内容を簡潔かつ単表記的に表現しようとすると、漢語や漢文の性質を利用せざるを得ないという日本語の宿命のようなもの」を見る(矢田勉)と示し、日本語表記にとっての漢字を「不可避の他者」(子安宣邦)と形容されたことから、仮名が作られ漢字仮名交り文が成立した時点で、漢文は日本語表記にとって「可避の他者」へと降格されたはずなのに、変体漢文として残り続けたという不思議な現象を指摘して、まさにそれこそが変体漢文なのだと考えているようです。 語学的な研究を突き詰めた先に、未だ多くの謎が開かれているようでこれからの研究に期待したいところです。 (付記) 峰岸明氏の『変体漢文』が、新装版として吉川弘文館から復刊された。なんと本書の著者が解説を記していました。またその中で推薦している日本史史料研究会監修・苅米一志著の『日本史を学ぶための 古文書・古記録訓読方』(吉川弘文館 2015年)を私は以前に購入していた。本書の著者は、峰岸氏の『変体漢文』を、日本語学の観点からの概説書としては無二の《定番》であることは動かない、と締め括っています。
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面白い
今朝、中国で日本はじめ、学者さんがたくさん拘束されていて原因がわからないとラジオで嘆いていたけど、根本原因はほぼこれかな?!言語の自由度を赦せなくなった国はいずれ滅びると思うけど。怖いな。そしてこの本値段高いな。 かつて在りし国 鳥有に帰し 未来の君よ ほほえみの中生きられしか
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