作品情報
不格好でも、つながっていられればいい。
第11回ポプラ社小説新人賞受賞作。惣菜とコーヒーの店を舞台に、血のつながりを超えて寄り添ってきた三人の関係を描く、温かな長編です。
書籍情報
- 出版社
- ポプラ社
- 発売日
- 2023-01-30
- ページ数
- 287ページ
- 言語
- 日本語
- サイズ
- 12.9 x 2.1 x 18.9 cm
- ISBN-13
- 9784591176122
- ISBN-10
- 4591176126
- 価格
- 1760 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論/文芸作品
<選考員満場一致! 第11回ポプラ社小説新人賞受賞作> 「たとえそのつぎ目が不格好でも、 つながっていられればそれでいいと思っていた。」 惣菜と珈琲のお店「△」を営むヒロは、晴太、中学三年生の蒼と三人兄弟だけで暮らしている。ヒロが美味しい惣菜を作り、晴太がコーヒーを淹れ、蒼は元気に学校へ出かける。 しかしある日、蒼は中学卒業とともに家を出たいと言い始める。これまでの穏やかな日々を続けていきたいヒロは、激しく反発してしまうのだが、三人はそれぞれに複雑な事情を抱えていた――。 傷つきながらも身を寄せ合って生きてきた三人が、 懸命に明日を紡いでいくための物語。
レビュー
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とても心に響く小説。そして、その和文がとても美しい
《美文》というと違うかもしれない。むしろ幼いと言えるくらいの平明な文体。今風に「かわいい」と言えばいいのだろうか――それは、とても切なくて、とても愛おしい。 場面は、店先での調理や、三人が入れ替わり立ち替わりする店内の土間の様子で始まる。調理には、音があり、臭いがある。刻むリズムは変拍子、三人が行き来する物音が重なって複数のリズムも進行する。触感とともに食感とか食欲とか、そうした感覚の共通性が、《家族》そのもの。 その文章に際立つのはオノマトペの多用。おびただしいまでの多用は否が応でも目につく。冒頭のたった4頁だけでも、数えてみると13ものオノマトペ表現がありました。 ○煮詰まる音はくつくつとかわいい ○味噌にぎゅっと濃く煮出した出汁を ○どきどきするような酸味 ○もりもり重ねて隣に並べた ○一番下の段にみっしりと詰まっていた ○コンクリートの土間の上をぺたぺたとサンダルを鳴らしながら歩いた ○シンクを一度ぴかりと磨き上げた ○私ににっこり笑いかけると ○濡れたシンクをちらちらと光らせた ○がたこんと何かを落としたり倒したりしながら ○ほのぼのと言った ○のっそりと店に入ってきた ○炊きたてのごはんをふっかりと詰めていく 日本語は、このオノマトペがとても豊富。その豊かな言語表現のパワーとともに、その語彙の多彩さ多様さについては、言語が専門の欧米人からもうらやましがられるのだそうです。マンガ文化のおかげかと思いきや、万葉集などの古い和語にも頻繁に現れるのだそうです。 《家族》ということの日常空間の繊細さ、触感的感覚のリアリティ……それを切ないまでに感じさせてくれる。それは、オノマトペの多用ということにも特徴づけられる和文だからこそのこと……だから、「美しい」と思えるのです。この文章感は、英文などの外国語には翻訳不能かもしれない。
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泣かせる要素
初めての作家。 標準レベルに達している。もう少し泣かせる要素が欲しかった。
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家族の意味を見つめ直しました
若すぎる3人が身を寄せ合うようにして営む惣菜店が舞台。 身勝手な大人たちに振り回され、狭い世界の中であがいていた彼らが、 外に目を向けしっかりとした一歩を踏み出せるようになるまでを描いた作品です。 ちょっとした事件が起こってからの展開が凄かった! とことん内向きで、不器用で、 言いたいことも言えなかった主人公がどうなるのか、 注目して欲しいですね。 私には、3人に手を差し伸べる大人の優しさに じんわり来るものがありました。 家族の在り方について、 見つめ直すきっかけになりそうな本だと思います。 (対象年齢は12歳半以上かな?)
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う~ん。家族の結び付きとは?
家族内の位置付けとお金(相続)、成長期の学習環境・進学に対する迷いなど考えさせられる内容。
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裁判所書記官の作品
新人とは思えない引き込まれる作品でした。 仮に続きがあるなら是非購読したいです。 ポプラ新人賞はいつも読んでますが、No.1です。 別の作品も期待してます!
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こういう出会いは大切
このレビューのタイトルとこの物語の内容は関係ないですよ!ラジオで紹介されていて、なんとなく覚えていたタイトルを書店で見つけて購入しました。 いやぁ、面白かったです。 読まれる年齢や立場によって響きかたも違うかもしれないです。 自分が映画として作るならセピア色から始まり→白黒→天然色そして画質もどんどん良くなってエンディング、という演出にしたいなぁ・・・
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