オディロン・ルドン: 光を孕む種子
象徴主義画家オディロン・ルドンの黒の時代から色彩への展開までを、作品分析と時代背景の読解によってたどる美術論。自然観察、神秘思想、世紀末文化を交差させ、ルドンの想像力の核へ迫る。
作品情報
黒の幻想から色彩の飛翔へ、ルドンの芸術を一本の成長する樹木のように読み解く。
象徴主義画家オディロン・ルドンの黒の時代から色彩への展開までを、作品分析と時代背景の読解によってたどる美術論。自然観察、神秘思想、世紀末文化を交差させ、ルドンの想像力の核へ迫る。
書籍情報
- 出版社
- みすず書房
- 発売日
- 2003-07-01
- ページ数
- 365ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784622070351
- ISBN-10
- 4622070359
- 価格
- 5720 JPY
- カテゴリ
- 本/アート・建築・デザイン/絵画/西洋画
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レビュー
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エッセイ的な本
美術批評家である著者は、学術的な美術史研究者というよりも作品を通じて自己の内面を語る書き手です。オディロン・ルドンを研究対象というより精神的な共鳴の相手として扱っています。エッセイ的な本として読むとしっくり来ます。
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ルドンの真髄が見える1冊です
ルドンは木炭や版画によって、怪物や人面花などを頻繁に描き、怪奇的な妖しい画風の画家だと思われがちだが、その反面、鮮やかな色彩の花や女性が幻想的に表現される。この書では、この〈暗黒〉と〈色彩)を結びつけるものは何かをわかりやすく説いている。頽廃的なイメージとは程遠い、真摯に対象と向き合うルドンの人柄が浮かび上がり、思いのほか、冷静な目を持ち合わせていることにも気づかされた。 色彩に転じても、やはり〈黒〉が彼の表現の中には生き続けているのだと改めて認識できる。怪物は奇をてらったものではなく、人間と同様、〈命あるもの〉として、愛情こめて描かれている。そう思ってルドンの絵を見直せば、怪物たちの悲哀や情念がより近しく感じられるような気がする。 ただ、資料となる書簡や研究書が限られているためか、あくまで、本江氏の主観が強く入っているであろう事は加味して読み進めていく必要はあるだろう。