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翔べ麒麟

読売文学賞

翔べ麒麟

辻原登

『翔べ麒麟』は、辻原 登の受賞作として注目された作品。題名が示す中心的なイメージを軸に、人物や出来事の変化を追う。

受賞作人物の変化時代と社会

作品情報

『翔べ麒麟』は、受賞時の時代感覚と作者の関心が交わる作品。

『翔べ麒麟』は、辻原 登の作品として文学賞で評価された。受賞対象となった魅力は、題材そのものだけでなく、人物や場面を通して読者に余韻を残す構成にある。

レビュー要約

  • 題材の切り取り方と語り口に関心が集まる作品。読者には、人物の置かれた状況や作品が描く時代性を読み解く面白さがある。

書籍情報

出版社
読売新聞社
発売日
1998-10-01
ページ数
645ページ
言語
日本語
ISBN-13
9784643980950
ISBN-10
4643980958
価格
176 JPY
カテゴリ
本/文学・評論

第50回(1998年) 讀賣文学賞小説賞受賞

レビュー

  • Good entertainer

    初の歴史小説だったが、正にpage-turner! ロマンあり、冒険あり、それでいて悠久のかなたの歴史も学べ、歴史小説入門に最適。百人一首の一首に過ぎなかった仲麻呂の歌が、大きな物語に変わる。

  • 読売文学賞を受賞されたそうです。

    この本は、読売新聞の朝刊小説として連載されていたものです。 朝一番から颯爽と活躍する主人公に胸のすく思いをしたのを覚えています。 その後十数年、誰が書いたのかも思い出せず、「翔べ麒麟」というタイトルだけを記憶していました。 アマゾンさんで検索したら、有名作家の作品だったので驚きました。 文庫本で残っているようですね。流石に芥川賞作家です。 筋書は、比較するのはどうかなとも思いましたが、井上靖氏の「天平の甍」に少し近いような内容です。 鑑真和上や普照も一瞬ですが、帰国時に登場します。もちろん切り口はそれぞれの作家で異なります。 仮に井上靖氏が日本からの視点で作品を書いたとしたら、辻原氏は唐政府要人としての阿倍仲麻呂(唐名:朝衡)の視点を大事にしている、と言えるかもしれません。

  • マイナーですが超一級の歴史エンターテインメント

    唐の玄宗時代、阿倍仲麻呂を中心とした歴史小説です。とにかく別の読者の方も指摘されてましたが読売新聞の朝刊に連載されていたのを、楽しみに毎朝ハラハラドキドキして読んでいました。美男美女もこれでもかというほどわんさか出てきます。また、当時の制度史にも触れてましたね。科挙は行われていましたが、まだ貴族の力が強くて充分機能を発揮できていないのが、さりげなく説明されていました。 そのため、安碌山、楊国忠とか佞臣が出てきて唐の国政を壟断する。それを阿倍仲麻呂がスーパーマン的に解決するのでしたか。 でも最後は、帰国の望みを捨てて大陸の土になるのでした。もちろん、遣唐使船に乗って一度は帰国のための行動を起こすのですが不首尾なんですよね。 主人公、藤原真幸の視点で描かれています。彼は最後に帰国する(中国妻、李春を伴って)。 一応、通説とはやや異なる、めでたしめでたしのハッピーエンドです。ネタバレになるので、コメントは控えさせていただきます。 兎に角、マイナーということは新鮮ということですから、戦国物、幕末維新ものに飽きられた方は本作を読んで、頭をシャッフルにしてください。ご期待を裏切る作品ではありません。

  • 本の厚みに比例しない主人公藤原真幸の思想。行為が断片的に描かれるエピソード集。

    みじかく区切るスタイルが文章に一定のリズムをもたらしていて、とくに初めて訪れる長安の描写では効果が発揮されている。阿倍仲麻呂を英雄的に描くあまり、行為の叙述に余念がなくそこには思想が見られない。失意の中で左遷された吉備真備に至ってはさらに顕著だ。作者の創作である藤原真幸には、彼を成り立たせているはずの「行為」がいくつも語られるが、その苦悩の跡が全くみられないのが不思議だ。みじかく区切られた文体のように、エピソードが延々と羅列された印象。

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