日本の文学賞

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麦ふみク-ツェ

坪田譲治文学賞

麦ふみク-ツェ

いしいしんじ

音楽にとりつかれた祖父、素数にとりつかれた父、大きな体の少年が暮らす家に、不思議な足音が響く長編小説。悲しみや事件を抱えながらも、世界を祝福する音が物語全体を貫く。

音楽少年家族喪失祝福

作品情報

麦ふみクーツェは、いしいしんじの受賞作として作品世界を凝縮して伝える。

麦ふみクーツェはいしいしんじによる受賞作。確認できる書誌情報と作品紹介に基づき、単行本・詩集・句集・歌集・戯曲として刊行が確認できる場合のみ識別子を記録し、単独書籍が確認できない場合は識別子を空欄にした。

レビュー要約

  • 作品の中心にある題材と文体の個性を評価する読みができる。一方で、詩歌や戯曲に固有の省略や跳躍を味わう姿勢が求められる。

書籍情報

出版社
理論社
発売日
2002-06-01
ページ数
441ページ
言語
日本語
ISBN-13
9784652077160
ISBN-10
4652077165
価格
1980 JPY
カテゴリ
本/絵本・児童書/読み物/童話・文学

第18回(2002年) 坪田譲治文学賞受賞

レビュー

  • 意味なんてなくていい

    どことも言えない港町、名前もわからない国、文化、けれど知っている気がする。 読み始めると、現代の多くの小説が、説明過多なんだと思い知らされました。 面白い物語、引き込まれるお話に、秩序や説明がなきゃいけないなんて、誰も決めていない。 一つのお話の中に、たくさんの小話が含まれた小説。 なんとなく「千夜一夜物語」が頭に浮かびました。 読み終えると、主人公が一晩かけて話してくれた、彼の人生と無数の物語のように感じました。 そしてこのお話を読む間、忘れていた幼心のようなものを思い出します。 わくわくする嘘のような奇妙なお話、誰も知らない自分だけの友達。 大きな悲しみも書かれているお話ですが、クーチェの足音がきっと光の方へ導いてくれる。 冒頭からそんな予感をしっかりと植え付けています。それを信じて読み進めることができました。 面白いという本ではないです。誰にも大切な本になる一冊です。

  • 歌手のmiletからのご紹介!

    歌手のmiletからのご紹介! まだ冒頭だけどおもしそうかな!?

  • 珠玉のファンタジー

    こんなに本のページを夢中にめくったのは、いつ以来だろ! これはとある港町から音楽を通じて始まる、 『ねこ』と呼ばれる少年を巡る、不思議な成長の旅物語。 とん、たたん、とん。 そんな不思議な音と共に突然現れた不思議な小人(?)『クーツェ』はもとより、 この本の登場人物は、個性的でみんな変テコ。 銀の杖を片手にいつも怒鳴り散らしている、ティンパニ奏者のおじいちゃん。 数字に取り憑かれ、街の人からは『ねずみ男』と呼ばれる数学者の父。 盲目の優しいボクサー、ちょうちょおじさん。 茶色いモワモワの着ぐるみを着た、へんくつな世界的チェリストの『先生』。 『みどり色』という名の、心優しく美しい全色盲の女の子・・・。 けれど物語の中でねこはこう言う。 『みどり色は何十万にひとりなんかじゃない。 この世でたったひとりなんだ。ひとっりって、そういう事でしょう?』 彼が言った様に、皆が変テコである事を僕も愛しく思う。 変テコじゃない人なんて、たぶん一人もいやしないから。 読み終えると不思議な充実感に包まれます。 きっと多くの人が、 家族や周囲の人々、そして何より自分自身とこの世界を、 今よりもずっと、愛おしく感じると思う。 『モモ』など世界の名作と肩を並べる位の、素晴らしいファンタジーだと僕は思う。

  • この本を読んでるとゴッホの一面黄色の麦畑を連想します。

    いしいしんじの作品で一番純度が高く好きな小説です。劇中のチェロ弾きの言葉「へんてこは技を磨かないわけにはいかない。それがつまり、へんてこさに誇りを持っていられるたった一つの方法だから」この台詞に感銘を覚えます。

  • 表紙はいいのですが・・・

    表紙とタイトルに惹かれて図書館で借りました。 しかし、内容でつまづきリタイアしてしまいました・・・。 いしいさんの作品は「プラネタリウムのふたご」でもそうでしたがどうも理解しがたいものが私の中にはあるようです。 高評価ですが、★3つは表紙のみで内容は評価なしです。

  • 社会と関わるのが苦手なあなたへ

    ギリシャ(とは本には明記されていないけれど、たぶんそうなんじゃないかとおもう)で幼少期を過ごす主人公「ねこ」は、「ねずみ男」と呼ばれる父と、ティンパニに命をかける祖父の傍らで、なかなかうまく社会と関わることができない。手術の寝台からはじまる最初の描写は、最後の結末で明らかになるのだけれど、一見無駄で無為に見える主人公の行動は、結果、彼の人生をかたち作る大きな要因となるのです。 「麦ふみ」の行為は、村上さんのプールのターンに似ているのではないでしょうか。単なる繰り返しなようでいて、人生におけるバランスを取っているという意味で。

  • とん、たたん、とん

    とある港町で暮らす「ねこ」と父さん、おじいちゃんの物語です。皆生きづらさを抱えながらも、自らの揺るがない想い、そして音楽と共に人生を歩む様子が描かれています。「ねこ」は「とん、たたん、とん」というリズムと共に行ったり来たりしながら前に進みます。

  • ひとりひとりの音

    大好きです。遠い世界のようで、とても身近にも思える世界と人びとに惹かれます。変な人ばかりなのに、いとおしいような。その不思議な距離感が気持ちいいのかな。何度も読み返したくなる本です。

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