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第18回(2002年) 受賞受賞作: 麦ふみクーツェ
音楽にとりつかれた祖父、素数にとりつかれた父、大きな体の少年が暮らす家に、不思議な足音が響く長編小説。悲しみや事件を抱えながらも、世界を祝福する音が物語全体を貫く。
麦ふみクーツェは、いしいしんじの受賞作として作品世界を凝縮して伝える。
441ページ音楽少年家族喪失祝福
いしいしんじ
イシイ シンジ
Ishii Shinji
プロフィール
- 性別
- 男性
- 生誕
- 1966-02-15 (大阪府大阪市(万代池付近))
- 国籍
- 日本
- 言語
- 日本語
- 居住地歴
- 大阪府大阪市(出生) → 隅田川沿いでの生活(約13年間) → 三浦市(在住歴あり) → 松本市(在住歴あり) → 京都市(2010年2月以降在住)
経歴
- 職業
- 小説家, 随筆家
- 活動期間
- 1994年〜
- ノミネート
- 三島由紀夫賞候補(プラネタリウムのふたご, 2004), 三島由紀夫賞候補(ポーの話, 2006), 三島由紀夫賞候補(みずうみ, 2007), 三島由紀夫賞候補(四とそれ以上の国, 2009), 三島由紀夫賞候補(ある一日, 2012), 三島由紀夫賞候補(悪声, 2016)
学歴
| 学校 | 学部 | 学科 | 学位 | 期間 | 国 |
|---|---|---|---|---|---|
| 京都大学 | 文学部 | 仏文学科 | — | — | 日本 |
受賞歴
| 年 | 賞名 | 対象作品 | 部門 | 主催 | 結果 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2003 | 坪田譲治文学賞 | 麦ふみクーツェ | — | 岡山市 | 受賞 |
| 2012 | 織田作之助賞 | ある一日 | — | 毎日新聞社 | 大賞 |
| 2016 | 河合隼雄物語賞 | 悪声 | — | 河合隼雄財団 | 受賞 |
受賞・候補エディション
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第17回(2004年) 候補受賞作: プラネタリウムのふたご
プラネタリウムで育つ双子をめぐる、幻想性と哀しみを帯びた長篇小説。星と見世物の世界を背景に、嘘、家族、孤独が童話のような手触りで語られる。
『プラネタリウムのふたご』は、受賞歴から作品の輪郭が見える一作で、作者の関心が題材と語り口に表れている。
452ページ双子プラネタリウム幻想小説 -
第19回(2006年) 候補受賞作: ポーの話
泥の川と橋の町に生まれた少年ポーが、盗人や不思議な存在との出会いを通して世界を知っていく神話的な長篇小説です。
ポーの話は、受賞作として読まれるにふさわしい特色を持つ作品です。
435ページ寓話少年の成長川再生 -
第20回(2007年) 候補受賞作: みずうみ
『みずうみ』はいしいしんじによる文学作品。受賞・候補歴を通じて読者に知られ、人物の感情や時代の空気を物語の中で丁寧に描いている。
いしいしんじ『みずうみ』。作品の核にある感情と時代の手触りをたどる一作。
288ページ文学人間関係記憶社会
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第29回(2012年) 受賞受賞作: ある一日
出産予定日から翌日にかけての夫婦と、お腹のなかのいきものを描く私小説的な長篇。日常の台所や市場の気配から、海の生き物、きのこ、遠い土地への想像へ自在に飛び、赤ん坊が生まれる一日を大きな生命の流れとして描く。
赤ん坊が生まれる一日は、台所から世界のあちこちへ想像を連れていく。
136ページ出産夫婦京都生命
作品
代表作
アムステルダムの犬
1994年 小説デビュー作。旅や異国の風景を背景にした作品群で、以後の作風の原点となる短・中編を含む。
麦ふみクーツェ
2002年 児童文学童話的な寓話性を帯びた作品で、独特のユーモアと温かみを持つ。坪田譲治文学賞受賞作。
プラネタリウムのふたご
2003年 小説双子を巡る物語で、日常の細部や人間関係を繊細に描く。三島由紀夫賞候補となった。
ポーの話
2005年 小説題名が示すようにポー的な要素や怪奇性を孕む物語。三島由紀夫賞候補作品。
みずうみ
2007年 小説湖をめぐる描写を通じて人間の内面を探る作品。三島由紀夫賞候補になった。
ある一日
2012年 小説日常の一日を切り取りながら人間の機微を描いた作品。織田作之助賞大賞を受賞。
悪声
2015年 小説声や語りを主題にした実験的な要素を含む作品。河合隼雄物語賞受賞。
トリツカレ男
2001年 小説ユーモアと人間観察に富んだ作品。アニメ映画化(2025年秋公開予定)されることが発表されている。
- [映画(アニメ)] トリツカレ男 / 高橋渉 (2025)
全著作
- アムステルダムの犬
- なきむしヒロコちゃんはかもしれない病かもしれない
- とーきょーいしいあるき
- シーラカンス
- ぶらんこ乗り
- トリツカレ男
- 麦ふみクーツェ
- プラネタリウムのふたご
- 絵描きの植田さん
- ポーの話
- 白の鳥と黒の鳥
- 雪屋のロッスさん
- みずうみ
- 四とそれ以上の国
- ある一日
- 悪声
- 港、モンテビデオ
- よはひ
- 海と山のピアノ
- 赤ん坊が指指してる門
- みさきっちょ
- マリアさま
- うなぎのダンス(対談集)
- グレートピープル。ストレンジ。
- いしいしんじのキューバ日記
- いしいしんじのごはん日記
- 三崎日和 - いしいしんじのごはん日記2
- 熊にみえて熊じゃない
- アルプスと猫 いしいしんじのごはん日記 3
- 遠い足の話
- いしいしんじの音ぐらし
- 毎日が一日だ
- 且坐喫茶
- きんじよ
- ピット・イン
- 書こうとしない「かく」教室
翻案
- トリツカレ男 — アニメ映画化(2025年秋公開予定、監督:高橋渉)
作家による翻訳
- いぬなんてだいきらい(ジョアン・L.ノドセット訳)
- げんじものがたり(訳書)
作風・主題
- 文体
- ユーモラスで親しみやすい語り口旅行記的・日記的要素を取り込む寓話的・童話的な表現
- 頻出モチーフ
- 旅食べ物音楽(レコード・蓄音機)日常の細部子どもや童話性
評価・遺産
ユーモアと温かみのある作風で知られる作家。児童文学から一般向けの小説、エッセイまで幅広く執筆し、複数の文学賞を受賞・候補となるなど高い評価を得ている。旅行記的な視点や音楽・食をめぐる描写が特徴的で、ラジオ等のメディア出演や映像化も行われている。
大衆文化への影響
- ラジオ番組のパーソナリティやゲスト出演を多数行う(KBS京都ラジオ等)
- 自身の作品の映画化(『トリツカレ男』アニメ映画化、2025年)
豆知識
- ペンネームをひらがなで表記する理由は特にないが、5歳で書いた処女作が「いしいしんじ」表記だったことに由来すると語っている。
- 蓄音機を愛好しており、複数の蓄音機に愛称(コロちゃん、ワンちゃん、ムーンブーツ君など)をつけて可愛がっている。
- シーラカンスの刺身を食べるためにコモロを訪れたことがある(エピソードとして知られる)。
- 隅田川のそばで炊き出しを目当てに公園で生活するなどの経験があり、その後三浦市・松本市を経て京都市に在住。
- 身長181cm、体重65kg(公表されているプロフィール情報)。
- 双子の弟はカメラマンの石井孝典である。