作品情報
見えない悲しみに、声と体温を与える詩集。
亜紀書房刊の詩集。詩歌文学館賞詩部門の受賞対象で、版元情報で ISBN とページ数を確認した。
レビュー要約
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読者の反応では、題材の独自性と人物の感情を丁寧に追う語りが評価されている。展開や文体への好みは分かれるが、受賞作としての個性が伝わる作品として受け止められている。
書籍情報
- 出版社
- 亜紀書房
- 発売日
- 2017-04-29
- ページ数
- 112ページ
- 言語
- 日本語
- サイズ
- 12.5 x 1.2 x 19.5 cm
- ISBN-13
- 9784750514987
- ISBN-10
- 4750514985
- 価格
- 1980 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論/詩歌/詩集
「活字から声が聞こえる、 若松さんの詩には体温がある。」 谷川俊太郎 「この詩集を読む者は、まず詩情のきよらかさに搏たれる。それはただの純情ではなく、ぎりぎりまでものを考える知性で裏打ちされている。まるで奥深い天上の光が差しこんで来るかのようだ。」 石牟礼道子 泣くことも忘れてしまった人たちへ。 26編の詩を収めた、若松英輔初の詩集。 第33回詩歌文学館賞受賞!! 今日は記念日 あなたとわたしが出会った日 いっしょにお祝いをしたいけれど あなたがいるところへは 行けないから いくつかの言葉を贈ります ぜったいに独りにしない そう約束したのに 突然 逝ってしまったあなたへ かなしみという 藍色の切手を貼って (「記念日」より) 【目次】 燈火 風の電話 記念日 楽園 ヒトから人へ コトバ 香炉 薬草 旧い友 詩人 読めない本 仕事 焔 夏の花 さくら 見えないこよみ 悲願 歓喜 邂逅 悲しさを語るな 聖女の遺言 天来の使者 言葉の舟 言葉の護符 騎士 青い花 【書評・メディア情報】 熊本日日新聞(6月11日)/書評(三角みず紀・詩人) 公明新聞(6月19日)/書評(野村喜和夫氏・詩人) 日本経済新聞夕刊(7月15日)/文化往来 クリスチャントゥデイ(7月20日)/紹介 中國新聞(7月23日)/書評(佐田尾信作氏・論説主幹) 目の眼(7月号)/書評(小林后子氏) 聖教新聞(8月12日)/短評 産経新聞(9月23日)/書評(伊藤謙介・京セラ元会長) 現代詩手帖(10月号)/書評(野村喜和夫氏) 2020年 pen特別編集(2月14日発行)/心に寄り添う10冊 リビングかしわ(5月29日)/紹介 2021年 婦人之友(8月号)/紹介
若松英輔(わかまつ・えいすけ) 批評家・随筆家。一九六八年生まれ、慶應義塾大学文学部仏文科卒業。二〇〇七年「越知保夫とその時代 求道の文学」にて三田文学新人賞、二〇一六年『叡知の詩学 小林秀雄と井筒俊彦』にて西脇順三郎学術賞を受賞。 著書に『イエス伝』(中央公論新社)、『魂にふれる 大震災と、生きている死者』(トランスビュー)、『生きる哲学』(文春新書)、『霊性の哲学』(角川選書)、『悲しみの秘義』(ナナロク社)、『生きていくうえで、かけがえのないこと』『言葉の贈り物』(共に亜紀書房)、志村ふくみとの共著『緋の舟』(求龍堂)など多数。
レビュー
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程度の良さ
新品状態と変わらない、大変程度の良い品を提供頂きました。
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癒される
若松さんの著書は沢山読んでいます。 辛くて仕方のない時、開きます。
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✨️人が何かを語るのは、伝えたいことがあるからではなく、伝えきれないことがあるから✨️
人は何かを求め彷徨うとき、自らに問いかけ、自らと語り合う。人はつながりを深く感じたいとき、本に心を寄せる。人が何かを語るのは、伝えたいことがあるからではなく、伝えきれないことがあるから。わたしにはあなたが見えるから。かなしみが出会う場所。私のなかに詩人がいる。詩人は私が話すと沈黙し、黙すと静かに語り始める。大切な気持ちのすべてを書かずにそっと心に還す。するとある日、予期せぬ姿となって戻ってくる。若松英輔氏詩集。私の見えない涙は今、どこを流れているのだろう。悲しみの種子はまた花を咲かせているのだろうか。
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言葉と悲しみ。天の住民
若松英輔さんの批評やエッセイは、とても詩的です。リルケなど何人かの詩人の批評もしておられますから、いっそうそのような印象があります。 その若松さんがどのような詩を書かれるのでしょうか。この詩集は、ぼくには、意外にも、散文的に思えました。詩的な批評やエッセイと比べて、簡潔で、明解で、良い意味で説明的に思えました。(リルケに門前払いを食らった者も、若松さんの詩は受け入れてくれます。) 大著数冊を含む、これまでの何冊もの著作の中で、落葉を重ねるように、あるいは、半径の大きな、ゆるやかな螺旋階段を昇るように、つづって来られた言葉が、この詩集には、凝縮されています。 若松さんのコトバ論、悲しみ論が凝縮され、しかも、素朴な姿になっています。 花が咲き出るように、涙は湧き出ます。見える涙は、「見えない涙」、悲しみの結晶ではないでしょうか。「悲しみ」は、わたしがその人を愛し、その人がわたしを愛し、ふたりがともにいる庭なのです。 「かなしみは/生者と死者が/出会う場所/悲愛という名の/楽園」(p.19)。 言葉の源にあるコトバ、言葉になる前のコトバ。かなしみはコトバに限りなく近いものです。 「おもいを/言葉の舟にのせ/こころを流れる/かなしみの調べに浮かべよ/あとは 深緋色をした/祈りの風に託すがよい/いつか/彼方の世界にたどりついて/還らぬ者たちにも届くだろう」(p.88)。 「ぼくは弱い/だから/鋼鉄の甲冑を着た/騎士にはなれない/でも ぼくの/胸をつんざいて/生まれた言葉はちがう」 胸の奥にコトバがあり、言葉を胸を破って産み出してくれます。ぼくは城門さえくぐれませんが、コトバがぼくの胸から送り出してくれる言葉は、二千年かけて地球を七周し、天に戻って行きます。
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うーん
哀しみや悲しさにはいろいろあるのだなぁと感じました。 うなづけるところや、様々でした
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見えてなかったもの
大切な人の傍にいつも一緒に いることはできない だから大切な言葉を贈る 掛け替えのない人を失くした心で 掛け違いしているボタンを 教えてくれました 悲しさを語るな 悲しみを語れ 苦しさを語るな 苦しみを語れ 愛を語るな 愛する人を語れ 一部抜粋
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言葉の護符
光を帯びた鞭で叩かれた気分。 「詩を本当に読むようになったのは、厄年を越えてからである。」 あとがきの冒頭に書かれた言葉だけで作者を信頼できる。 悲しみを知る人にはより深く、 そうでない人もその澄んだ情愛に 心動かされるだろう。 言葉の護符をもらえる眼の醒めるような詩集。
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正しい教科書的な日本語で、道徳的に正しいことを書いて、こんなにも新鮮に感じられる
正しい教科書的な日本語で、言葉のひとつひとつに曖昧なところがない。 それなのに、はっとするような衝撃があるのは、そこに書かれている内容自体に力があるからだと思う。しかもその内容は、既存の道徳観の中におさまっていて、どんな皮肉屋にも、あげあし取りにも、つけ入るスキを与えない。 こういうのを王道的と言うのだろう。 正しい教科書的な日本語で、道徳的に正しいことを書いて、こんなにも新鮮に感じられるのは驚きだ。 彼らがもう 人前で 声を出して泣かないのは どんなに大きくわめいても 亡き者たちに届かないのが分かっているから でも 彼らがひとりでいるときに うめくのをやめないのは どんなに小さな魂のふるえも 死者たちが見過ごさないのを知っているから pp..18-19「楽園」より あたらしい友達で 日常をいっぱいにしてはならない 苦しいときも じっと かたわらにいてくれた 旧友の席がなくなってしまう あたらしい言葉で こころを一杯にしてはならない 困難なときも ずっと 寄り添ってきた 旧い言葉の居場所がなくなってしまう PP..36-37「旧い友」より 人は、自分の心が求めている言葉を自分で書くことができる。 P.103あとがきより もし、若松英輔さんが宗教家だったとしたら、信者になってみたいかもしれない。
関連する文学賞
- 詩歌文学館賞 第33回(2018年) ・受賞