霊眼
スピリチュアル系ライターの失踪を追ううちに、奇妙な傷や霊能者の証言がつながり、因縁の世界へ踏み込んでいく。都市伝奇とサスペンスが混ざり合う。
作品情報
失踪したライターの先で、霊と因縁が交差する。
第7回「このミステリーがすごい!」大賞優秀賞受賞後のデビュー作。霊能者や怪しい傷を負った人物たちが集まり、失踪事件の真相が浮かぶ。
書籍情報
- 出版社
- 宝島社
- 発売日
- 2009-03-06
- ページ数
- 415ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784796667920
- ISBN-10
- 479666792X
- 価格
- 1988 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論
第7回「『このミステリーがすごい!』大賞」優秀賞受賞作の本作は、強烈なインパクトを持ったホラーサスペンス。主人公・享子は、大学時代の友人・真弓が失踪したことを知る。ライターの真弓は、山梨で起きた死体損壊遺棄事件に関心を示し、取材に出かけたまま行方がわからなくなったという。真弓の行方を探そうとする享子は、次々と不審な現象に遭遇する。やがて幽霊や前世の因縁が渦巻く世界に足を踏み入れることに。そして、霊的な知覚を可能にする「第三の眼」をめぐる企みに巻き込まれていく……。 皮膚感覚のリアリティで読者を圧倒する作品。
レビュー
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なぜこれが次点か漸く分かった
「屋上ミサイル」「臨床心理」に対し・・・。 なぜ霊眼が次点なんだろうとずっと不思議に思いつつ読了しました。 いやぁ。読ませると思いますよ。飽きさせない展開をかなり意識して書いているんでしょう。エンターテイメントとしては、非常によく出来ていると思います。軽すぎる「屋上ミサイル」や陶酔が入ってる「臨床心理」などより、ずっと楽しませてくれる。文章も安定している。 ただ読み終えて次点の理由がようやく分かった。 ・ キャラに感情移入し辛い ・ 伏線の回収がなされていないし、意味ありげのまま終わるものが多すぎる ・ 教科書?セオリー?のまんま 特に3つめ。他の方のレビュー「種々な面白そうな題材をこれでもか、これでもかと並べてみただけの安っぽいおもしろさしか感じない。」と言うのは私も同感。それを気にしなければ面白いんだけどなぁ。 作法を真似ただけの限界が次点と言う事実かも知れない。キャラに感情移入し辛いのも、作者の気持ちがこもっていないからなのかも知れないな。 とは言え、そんな気付きにくい事はどうでもよくて、深く考えなければさらっと楽しめます。別の意味で、非常に良い娯楽作品です。
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4冊購入したけど3冊しか配達されなかった。
この本はとてもいい本でした。でも3冊のうち未配があり御社は知らんぷりお客様の意見はなぞいうのも恥ずかしい。
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タイトルほどにはチープではない
どう考えても、小説好きに受け入れられるようなタイトルじゃないですよね、 テレビ番組で言うと、「川口探検隊」と同列くらいじゃないでしょうか。 (かなり古い・・・) つかみは、まさに「川口探検隊」。 でも、こういうのって嫌いじゃない。というか大好き。 このまま突き進んでいってもらっても良かったと思うのですが、そのセンとはちょっと外れてきます。 (あくまで私のセンスでの判断ですが。) でも、ストーリーはなかなか面白いと思いますよ。 ラストに向けて盛り上げてくれますし、読後感も良いし、十分合格点の作品だと思います。
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文句なし! の面白さ
第7回『このミステリーがすごい!』大賞優秀賞・web読者賞受賞作。 【冒頭のシーンからして強烈なインパクト。候補作中随一のツカミと、抜群のリーダビリティ】 という帯の謳い文句そのままに、1行目の「見れば、赤子だった」を読んだ瞬間、霊眼ワールドへと引きずり込まれた。 衝撃的な冒頭の後、主人公・享子は友人・真由美の失踪を知る。友人の行方を追う主人公の物語は死体損壊遺棄事件に始まり、霊、前世の記憶、透視などの怪奇エピソードを絡めつつ意外な方向へ展開していく。 一見荒唐無稽な設定・物語であるにもかかわらず、すぐ隣で起こっている現実のように思えてならないのは、緻密な人物造形と構成、立体感のある表現によるものであろうか。それとも、著者によって巧みに盛り込まれた科学的見識の賜物だろうか。 スピリチュアル系に興味のない人も「霊眼」を読んだら、考えが変わるかもしれない。 ホラーミステリーという性質上、ネタバレ防止のため詳細は略すが、あまりのリアリティと印象の強さに、読後1週間ほど霊眼ワールドから抜けられず、額に違和感を感じ続けたことを書き添えておく。 また、ラストでは「女心」という一筋縄ではいかない問題についても考えさせられた。著者は男性だが、それを全く感じさせない。 思わずニンマリしてしまう最後の1行まで、しっかり楽しませてくれる「霊眼」は、 「これぞエンターテイメント!」 「兎にも角にも一読の価値あり!」と叫びたくなる一冊である。 映像化を、強く強く望む。 そしてもちろん、著者・中村啓氏の次回作が待ち遠しくて堪らない。
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ごめん…つまらない…
母から「食事中に読み始めたら吐きそうなくらいグロかった」と奨められました。成程、冒頭は確かにショッキングです。 しかし、読み進めるにつれ、スピリチュアルだの、霊障だの霊視だの、輪廻転生、前世の因縁だのといった単語が繰り返され、仕舞いには本当に霊まで出て来ます。 (そういったものは漫画だけにしてくれ、と思ったら、筆者は本当に漫画家でした…) 登場人物は、「お嬢様」「霊能者」「編集者」といった役割はそれぞれ与えられているものの、一様に個性が薄くリアリティが無い。 また心理描写も情景描写も巧いとは言い難い為、読者としては「感情移入」し「擬似体験」するといった感覚で読む事が出来ない。 あんまり文体に深みが無いので、筆者は20代の若造だろうと思ったら、40近いという事で驚きました…。 中途半端に極道を絡めたのも宜しくない。というか伏線の全てが中途半端。先の展開もある程度読めるし、風呂敷広げ過ぎて畳めてないし。 ホラーが好きな人にも、ロジックを期待した人にも、アングラを求めた人にも、何だか消化不良なんではなかろうか。 私にコレを奨めた母には好評であり、遺伝子や古代生物の話は面白かったです。
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前世に未来を決められた人生に意味はあるのか?
この作品に第7回「このミス!」大賞優秀賞受賞作を授賞させたことに、ぼくは大きな疑問を感じる。 「このミス!」大賞!受賞作は、作品として決して当たりでないものが多いということは以前も述べた。個人的には作品よりその選評がおもしろい文学賞として追いかけている。しかし本書は久々にちょっとこれはと思わせる作品であった。 ぼくにはこの作品は評価できなかった。とにかくまず、作家の都合のよい、古臭いタイプの物語であることを感じた。都合よく物語を進めるため、登場人物のセリフには、自然でない強引な誘導を感じる。最近、どこかの作品(「犯罪小説家」(雫井脩介))で同じように登場人物のセリフが、あまりに読者を誘導しようという意図が見え、古臭さを感じたが、本書もまさに同じである。かつてありし日の古臭いミステリー小説の都合のよさを強く感じた。 また以前も述べたが、ぼくは作品の文章について何をかいえるほど文章の良し悪しはわかるほどの文章力はない。しかし本書の幾つかの描写、文章にとても違和感を覚えた。 解説、選評に前年応募作含め、この作家の「書ける」度合いを評価する言葉が並ぶ。確かにこれくらいの作品は、普通に「読み物」として書店の書架に並んでいるかもしれない。しかしそれといわゆる文学賞の、仮に大賞とは違う優秀賞であれ、賞の受賞にふさわしい一冊かどうかといえば、別ではないかと思う。賞の選評で「どうやらこの人は、ジャンルの典型を枠に、その要素を過剰に盛り込めば成立すると安易に考えているようだ。」(吉野仁) という言葉がある。ぼくもその意見に同感である。種々な面白そうな題材をこれでもか、これでもかと並べてみただけの安っぽいおもしろさしか感じない。 個人的にもともとホラーという分野が苦手ということもあるが、この作品は単純に合わなかった以前の、作品の出来の悪さをぼくは感じた。 なお、もっとも評価しない部分は、結局、前世の因縁を断ち切る描写がないことだ。ひとの現世が前世の自分と連なることは致し方ない。しかし前世を断ち切り、強く今の自分を生きることができるということを描かなければ、小説としては失格だ。ひとの未来が前世で決められてしまい、それを変えられないのでは、ひとは生きる意味がない。ありきたりの作品であればこそ、その部分を省いてどうすると思わずにはいられない。 蛇足:実は主人公がすごくイヤな女なのだが、その辺りを作家はどう考えて書いているのだろうか。そのイヤな部分が、事件を通し変わっていくという成長が作品に描かれていないことはいうまでもない。
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はったりをかましすぎの感じはするものの
まあまあよくできていると思う。 ただ、出てくるアイテムがすべて手垢まみれのものばかり。 アノマロカリスなんて、NHKで放送されるまで知っている人間なんてほとんどいなかったはず。おそらく著者も。 ミステリーというよりはオカルト系のサスペンスで、リアリティは0。 ただ、これだけの分量を最後まで読ませる力は持っていると思った。
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なかなか
読者WEB投票の1位を獲得しただけあってなかなかインパクトのある作品ですね。手塚治虫さんが好きな方にはオススメです。
関連する文学賞
- 『このミステリーがすごい!』大賞 第7回(2008年) ・優秀賞 WEB読者賞