日本の文学賞

← 受賞作品一覧に戻る
弁護士探偵物語 天使の分け前 (『このミス』大賞シリーズ)

『このミステリーがすごい!』大賞

弁護士探偵物語 天使の分け前 (『このミス』大賞シリーズ)

法坂一広

弁護士である「私」が、母子殺害事件と医療ミスの事件に向き合い、司法と検察の不自然な関係に疑問を抱きながら真相へ迫る法廷ミステリー。

法廷司法弁護士医療ミス謎解き

作品情報

司法と検察の馴れ合いを、弁護士探偵が切り裂く。

第10回『このミステリーがすごい!』大賞の大賞受賞作。現役弁護士の視点から、母子殺害事件と医療ミスを軸に、裁判のあり方や司法の矛盾を描く法曹ミステリー。

レビュー要約

  • 裁判や法曹界の描写に手応えがあり、受賞作らしい完成度の高さが評価されている。

書籍情報

出版社
宝島社
発売日
2012-01-10
ページ数
381ページ
言語
日本語
サイズ
13.5 x 2.8 x 19.5 cm
ISBN-13
9784796688147
ISBN-10
4796688145
価格
2680 JPY
カテゴリ
本/文学・評論

第10回『このミステリーがすごい! 』大賞受賞作。「法曹関係の圧倒的ディテール、そして司法と検察、弁護側の馴れ合いを糾弾する作者の筆致が、実に素晴らしい。(茶木則雄)」と選考委員も絶賛の、現役弁護士が描く法曹ミステリーです。舞台は福岡。母子殺害事件の被告人を信じた弁護士の「私」は無罪を主張するが、裁判所は聞く耳を持たない。被告人を救おうとした「私」は業務を一年間停止する処分を受ける。復帰後、別居中の夫に生活費の請求をしたいという美女の依頼を受けるが、連続する殺人事件に巻き込まれていく…。

法坂 一広 (ほうさか いっこう) プロフィール 1973年、福岡県生まれ。京都大学法学部卒業。在学中に司法試験に合格。現在、福岡県で弁護士として活動。

レビュー

  • モノクロ映像が似合いそう

    読書録「弁護士探偵物語 天使の分け前」4 著者 法坂一広 出版 宝島社文庫 p128より引用 “ タクシーにカーナビがつく世の中だ。タク シー運転手は道を知らなくても許される。 警察官は法律を知らなくても許される。 テレビドラマの主演女優は顔かスタイルさえ良 ければ、脚本の棒読みで許される。ヌードになれ るならなおさらいい。 政治家は地盤があって金集めさえうまければ、 官僚の用意した原稿の丸暗記で許される。 裁判官や検事は、事件を数多く処理できれば許 され、内容は問われない。 その一方で、裁判員制度が導入されて分かりや すい裁判をしなければならないなどと言われ、弁 護士は法廷で書面を読み上げるだけでは許されな くなりつつあるらしい。どうにも不公平だ。" 福岡を舞台とし、酒好きでひねた弁護士を主人 公とした、ハードボイルドミステリ。同社刊行作 文庫版、著者デビュー作。 深夜のファミレスで、依頼人の旦那に呼び出さ れ、酒臭い無駄話を聞かされた弁護士の主人公・ 私。寒さに体を震わせながら、事務所へ帰ってき たところ、ドアに靴のような物が挟まってお り…。 上記の引用は、主人公がタクシーに乗り運転手 がカーナビを操作する場面での一節。 自分に出来ないことでも、機械などで補える、 便利な世の中に感謝せざるを得ません。 と同時に、本人に能力を求められずに済むような 事は、そのうち人が必要とされなくなるかも知れ ませんね。 文章の書かれ方が独特で、段落の変更がとにか く多いのが特徴。ぎゅう詰めで書かれるよりは、 読みやすいので助かります。 中盤までは話の展開が遅く、主人公のひねくれ た人物像と相まってだるさを感じてしまいます。 ハードボイルドな雰囲気から、映像化されるなら モノクロが似合いそうな感じを受けますが、後半 に入ると二時間のサスペンスドラマのように色合 いが付いてきます。しかしやはり、全体としては モノクロな雰囲気を感じ取れました。 所々に光る、台詞回しが気障ながらユーモア。 前半を読んで慣れてくると面白い作品だと思われ るので、合わないなと思ってももう少し読み進め てほしいところです。 ーーーーー

  • 単に、ミステリーとしては面白いと思います。

    しかし、一人称の主人公のキャラが感情移入を阻んでいるのは、ハードボイルドとしては致命的かと思います。 文体としては、明らかにチャンドラーのフィリップ・マーロウシリーズを模倣して書かれています。 ただし、差し挟まれるワイズクラック(減らず口)は、チャンドラーのものと比較すると、かなりひどいと言わざるを得ません。 ちなみに、この小説の原題は「懲戒弁護士」だそうですが、著者は実際にその後、懲戒処分になったという見事なオチが付きました。

  • 次作も期待

    友人の勧めで読んでみました。 メチャメチャ面白かったです。 読み進めるうちにどんどんのめり込んでいき、自分の就寝予定時刻を過ぎても続きが気になって寝られず、おかげで次の日は寝不足でした(笑) 現役弁護士だからこその法曹界の現実への問題提起も考えさせられるものがあった。 ストーリーも面白かったし、主人公の「私」の語り口調等も個人的には好きでした☆ 次作もそろそろ出るらしいので期待しています♪

  • 近年にない駄作

    概括的評価としては、駄作というほかない。 主人公のキャラクターはどこにでもありそうな・・・・ウンザリした 弁護士の作品にしては法律絡みのディテールは殆どなし 死体がゴロゴロの場面もありきたりでアメリカの三文パルプマガジンなみ 「このミステリーがすごい」大賞受賞作とは・・・・・あきれてものがいえない。 カネと時間のムダ・・・だった。

  • 「鼻につく」っていうのもわからないではないが・・・

    うまいのかうまくないのかよくわからない、しつこいほどのワイズクラックに辟易っていう方が多いのはよくわかりますが、ここまで低評価ってことはないと思いますよ。 新人としては上々の出来だと思います。 各ブログをみても基本的には高い評価のものが多いですし、物語としても主人公のキャラクターの描き方も悪くないと思います。 まあちょっとやりすぎってことで☆一つ減らしましたが、まあ星5つでも個人的にはそれほど違和感ありません。 著者の「ハードボイルドが書きたいっ!」という意欲も強く伺え、今から次作も楽しみです。

  • つまらなくは無いが、空虚。

    何をラノベとするかは色々とややこしいが、この話はラノベっぽい。 言い回しとか、各章の導入とか。 主人公をハードボイルドなキャラに仕立てようとしているのは分かるが、 そのハードボイルドな設定が空回りしている。 ただ無駄にストーリーを回り道させたあげく、特別の感動も無いまま当然あるべき所に帰ってくる感じ。 主人公のキャラクターの練りこみに対して、他の登場人物への特徴づけが弱いのも、その違和感を強めている。 ミステリに深みを期待するのは間違いかもしれないが、読み終わったあとの感慨とかは皆無。 それでも、エンタメとしては楽しめる範囲だと思うので、星3つ。

  • この作品の評価が低い読み手は、読む力がないと思いますが。

    おもしろく一気読み。小説は書かれた内容だけで楽しむもんじゃありませんよね。 文章のドライブ感、作者が大切に思っているところが醸し出されるべきじゃ。 あまりに評価が低く驚きました。

  • 選考委員にも問題があるんじゃ・・・。

    この本は、面白くありませんでした。なんというか、全体的に知識のひけらかしが多く、知らない人をバカにしてるような態度が鼻につくと言うか・・・。最近このミスシリーズを読み始めたのですが、まず選考委員に問題があるような気がします。自分だったら文章をかく時、わかりにくい表現や、多数の人が間違って使っているような表現・・・例えば役不足だとか、おざなりとなおざりだとかは、できるだけ避けたいと思います。不特定多数の人が読むモノなら。このミス大賞ではそう言うものをあえて連打して、『みんなが間違って使ってるような表現を、正しく使ってるゾ!』みたいなアピールをする人が賞を取っているように感じます。あと、このミスは権威に弱いです。有名大学とか、大病院とか、法曹界とかを舞台にしてると、受賞しやすい。そういう場を舞台にしてるだけで、ポイントになってるみたいです。でもそれって、読者にとってはどうでもいいことですよね。大事なのはストーリーの面白さであって、マニアックな専門知識をいくらひけらかせるかじゃないと思うのです。そんなこと、きょうびネットでいくらでも調べられますから。 このミスは一般の人が楽しめるエンタメミステリーを看板にしているのだから、専門職の人にだけわかる細かい芸や狭い世界の了解をどれだけ知っているかよりも、もっと読者の視点に立った、楽しい作品を選んで欲しいです・・・。 教養の皮をかぶった下品なバラエティー番組のような小ネタ、小知識披露は、止めて欲しいものです。

関連する文学賞