日本の文学賞

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一千兆円の身代金

『このミステリーがすごい!』大賞

一千兆円の身代金

八木圭一

若者への負担や財政赤字への不満を訴える男のもとに仲間が集まり、元首相の孫の誘拐事件と一千兆円の身代金要求へつながる社会派サスペンス。

政治財政赤字誘拐社会派サスペンス

作品情報

要求は、財政赤字の見直しか、一千兆円の身代金か。

第12回『このミステリーがすごい!』大賞の大賞受賞作。政治、財政、誘拐事件を結びつけ、国家規模の事件を描く社会派ミステリー。

レビュー要約

  • 発想の大きさと社会性は強く印象に残るが、重さで好みが分かれる。

書籍情報

出版社
宝島社
発売日
2014-01-10
ページ数
349ページ
言語
日本語
サイズ
13.8 x 2.5 x 19.5 cm
ISBN-13
9784800220509
ISBN-10
4800220505
価格
2005 JPY
カテゴリ
本/文学・評論/ミステリー・サスペンス・ハードボイルド

第12回『このミステリーがすごい!』大賞・大賞受賞2作品のうち1作。本作は、前代未聞の身代金を要求する、史上最凶の誘拐劇です! 若者へ負担を押しつける日本の政治や、財政赤字への不満・不安をブログで訴える平岡ナオト。彼のもとに保育士や大学生らが集まり、ある計画がスタートする。やがて、元首相の孫にあたる小学生が誘拐される事件が発生。犯人「革命係」からの要求は、財政赤字の見直し、もしくは一千兆円の身代金だった! 政府、マスコミ、国を巻き込んだ事件の行方は……。

八木 圭一 (やぎ けいいち) プロフィール 1979年、北海道十勝生まれ。横浜国立大学経済学部国際経済学科卒業。雑誌編集者を経て、現在はコピーライター。

レビュー

  • ミステリー小説でありながら現代日本の問題点を浮き彫りに

    この作品は、宝島社主催の第12回『このミステリーがすごい』大賞受賞作である。日本の政治や財政状況に危機感を抱く若者ナオトのもとに大学生、保育士らが集まってくる。そして前副総理の孫が誘拐される事件が起こる。物語は最初から最後まで登場人物ひとりひとりの視点から多角的に描かれ展開していく。 日本の政治そして少子高齢化や借金財政状態に危機感を持っている人間には共感できるところが多くあるにちがいない。ミステリー小説でありながら、現代日本社会の問題点を浮き彫りにして警鐘を鳴らしている社会派の作品でもある。 私は観ていないが、2015年秋にフジテレビで香取慎吾を主人公ナオト役にしてドラマ化されている。小説では誘拐された前副総理の孫は雄真という男の子であるが、どのような理由なのかわからないがテレビドラマでは本田望結が演じる真由という名の女の子に変えられている。ほかに俳優の杉本哲太、仲里依紗、木村多江らが出演していたようだ。 『一千兆円の身代金』というタイトルから誘拐犯と警察の緊張感ある駆け引きを期待していたが、日本の政治や財政状況について繰り返し述べられている部分が多く、正直なところ飽きてしまうところも一部にあり少し物足りなさを感じた。個人的には、ハラハラドキドキしながら先へ先へと読み進んでいくようなミステリー感をもっと出してくれれば良かったように思う。 政治に無関心な若者が多い中、がんに冒され余命わずかながら日本の将来を憂う犯人ナオトの熱い思いには共感でき心を打たれる。現代日本が抱える様々な問題を改めて考えさせられる作品である。

  • 一気に読める社会派のミステリー

    現在の政府の政策について、リアルに描かれており非常に分かりやすい。 現代社会の問題点が浮き彫りになる作品だった。 ミステリーとしても、常に続きを読みたくなるストーリーとなっており一気に読み切ってしまった。 ワクワク感×ドキドキ感×感動×学びが全て詰まっている一冊でした。

  • 登場人物が多い

    あんまり悪人が出なくて途方もない金額の身代金か謝罪と説明という興味深い題材なのに本筋とはあんまり関係のない登場人物の説明で筋がぼやけている。

  • 日本の財政問題

    現在の日本の借金、約1000兆円。元副総理の孫が誘拐され、身代金はなんと1000兆円! 日本の財政状態に危機感を持ち続けている者としては、この小説はまさに「我が意を得たり」であった。今まで皆が直面したがらなかった問題を真っ向から指摘している。日本の将来を憂えるメッセージがこの本にはあふれている。しかし、あまり意外な結末ではない。3分の2ぐらいで先が読めてしまう。 ただ、日本に対する警告、問題提起という意味では十分にその役割を果たしていると言える。エンターテインメントという形を取っているので、誰でも気軽に読めるところもいい。政治家にはぜひ読んでもらいたい1冊。

  • 面白い!

    日本の政治に対して自分がどう思おうと何も変わらない、と思っていましたが、ミステリーを通してこんなふうに訴えることもできるんですね。政治経済に無頓着な私でも、わくわくしながら一気に読める内容でした。作者の熱くピュアな思いが伝わりました。ドキドキと切ない涙必至の作品です。

  • まあまあかな

    期待しすぎました。ちょっとありえない話ですし、ミステリーっていう意味では面白いかもしれないです。 ただ、次の作品もっていうのはちょっと今はないです。

  • もう一捻り欲しい。

    テーマが財政赤字であるとするならば、もう少し政府の対応についても踏み込んでみて欲しかった。 犯人と結末については、ある程度予想が出来てしまったのが残念。

  • このテーマに誘拐を組み合わせた発想が秀逸

    誘拐に対する身代金が国の借金と同額という発想が、ずば抜けて優れていると感じました。返せるアテのない金額というのは犯人も知っているはず。それをどう解決していくか、そしてそもそもの動機は何かという謎が、物語を牽引していきます。2020年3月末には国の借金が1,114兆円という、途方もない数字が財務省から発表されたこともあり、今この本を読んでも充分に楽しむことができました。

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