日本の文学賞

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長男の出家

芥川龍之介賞

長男の出家

三浦清宏

長男が仏門に入る決断をめぐり、家族、信仰、世代の距離が交差する小説。個人の選択が家の内側に波紋を広げ、親子それぞれの価値観を照らし出す。

家族信仰世代差自立

作品情報

長男の出家は、三浦清宏の表現の核を伝える一作である。

長男が仏門に入る決断をめぐり、家族、信仰、世代の距離が交差する小説。個人の選択が家の内側に波紋を広げ、親子それぞれの価値観を照らし出す。

書籍情報

出版社
ベネッセコーポレーション
発売日
1988-02-01
ページ数
229ページ
言語
日本語
ISBN-13
9784828822563
ISBN-10
4828822569
価格
67 JPY
カテゴリ
本/文学・評論/文芸作品/日本文学

第98回(昭和62年度下半期) 芥川賞受賞

レビュー

  • とても

    状態も良く満足です!冒頭部分がおもしろくて、気になっていたので読めて良かったです!

  • 芥川賞以上の名作

    三浦清宏「長男の出家」が芥川賞を受賞したのは1988年のことである。それから30年ほど経過して私は本作を初めて読んだ。 率直なところこの作品はかなり強烈である。得も言われぬ清々しさがある。 だが、小島信夫の影響かユーモラスなとぼけた味わいもある。 芥川賞では勿体ない。名作といってよい。 だが、三浦氏がその後これを上回る作品を出さなかったせいか、貴重な名作の存在が今では忘れ去られているのではないか、 と危惧されて、私は本作を若い読者たちにもアピールしたいと思い、レビューを書くこととした。 主人公「ぼく」の小学生の息子は手の付けられないほどのやんちゃ坊主だったが、 「ぼく」が毎週日曜に参加するお寺の座禅には欠かさず一緒についてきて、熱心に参加するようになった。 その息子がやがてお坊さんになりたいと言い出すという、まさにタイトル通りの展開である。 老尼であるこのお寺の和尚がなかなか凄い。本作の凄さはこの和尚の強烈さが大きく与っている。 息子が次第に変わっていくさま、息子の出家をめぐって「ぼく」や妻や娘が示す反応など示唆的で私には興味深かった。 宗教小説であると共に現代的な一組の家族の姿が見事に浮き彫りされている。 息子の姿は「ぼく」自身でもあろう。 当時の芥川賞の選評を見ても、かなり好評だったことがわかる。 ほとんどの選考委員が高く評価している中で、吉行淳之介と古井由吉だけが渋い反応を見せているのが印象的だ。 吉行も当時の古井もエロチシズム志向の人で、こういう宗教的な志向とは対極的な立場だからだろうか? 福武書店版は今は中古しかないのが残念だ。 併録の2作品には表題作の強烈さは全くないが、表題作の背後関係が透けて見えるようで面白かった。 新品を求めるならば、芸文社版の単行本がある。

  • 親離れ・子離れの物語でもある。

    「僧になりたい、と息子が言い出したときには、驚いた。」という書き出しに惹かれて購入。読み進めていくと、息子の修行記だけではなくて、残された両親の姿も同時に描かれていくことに気づく。和尚の厳しさの描写もいい。 そして、次第に僧らしくなっていく出家した息子。問題は両親の方だ。特に母親。この家には下の娘もいる。母親は夫に言うのだ。「あの子だけは私から取り上げないでね」。あの子とは下の娘のことだ。この一言を読んだとき、ぞっとした。息子が出家していなかったら、この母親はどんな息子べったりな女になっていたことか。そのあとも、妻は夫を責め続ける。「私はこう思っていたのに、あなたはなになにしてくれなかった」…。そのうち、全ては夫が悪い、になっていく論法。ああ…不愉快。同性だけに不愉快さは倍増する。 親離れする子供と、それを引き留めたい母親。そして多少の後ろめたさを抱える父親。そんな姿も描き出された「長男の出家」、とても良かった。

  • 家族の物語

    長男が出家する物語。出家する長男の視点ではなく、出家を告げられる家族、特に父親の視点で書かれた物語。ごく平凡な家族に起こった長男の出家とういう事態の家族の状況が描かれている。子供の親離れに対しての父親、母親の対処が物語の中核。 星3つです。

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