作品情報
『ショート・サーキット』は、佐伯一麦の表現を野間文芸新人賞の文脈で読むための重要な対象である。
『ショート・サーキット』は佐伯一麦による文学作品。人物の内面や時代の空気をすくい取り、物語や批評の形で読者に差し出す。
書籍情報
- 出版社
- ベネッセコーポレーション
- 発売日
- 1990-08-01
- ページ数
- 210ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784828823485
- ISBN-10
- 4828823484
- 価格
- 922 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論/文芸作品/日本文学
第12回(1990年) 野間文芸新人賞受賞
レビュー
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迅速かつたいへん良い状態
20年前に刊行された文庫本ですが,迅速に,かつたいへん良い状態で入手することができました!!
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違う側面
渡良瀬 空にみずうみ 鉄塔家族 などのテイストの小説とは違います。露悪的な部分もある、伝統的な私小説です。
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実生活よりも、ずっと「生」に近いところで
「私小説作家」として知られる佐伯一麦氏であるが、氏の作品を単なる 「私小説」として斜に構えて読むこと、その行為に孕まれる欺瞞や精神 の卑小さを、氏の作品は決して横柄でも傲慢でもない仕方で読者に呈示 する。己の生活を真摯にみつめる眼を通して描かれた「生」は、時には 人肌のようにぬくくもあり、また非情なほど冷たい。そこでは奇の衒い などまったく存在せず、人間が営む「生」そのものが、精緻な文体によ って屹立する。妻の出産や若くして就いた電気工の日々、一家の棲家探 しなど、極めて身近な題材を扱いながら、弛緩した身辺雑記とは、全き 一線を劃している。実生活が、その位相から根源的な「生」へ美しく昇 華していく過程を捉えた珠玉の初期作品集。
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真摯に生きること。
非常に心に染み入る小説集です。 汗水たらして金を稼ぎ、家族を養い、生活を築き上げていく。形こそ違えど誰もが通るであろう人生の過程を、目をそらすことなく、丁寧に描写しています。時に残酷なほどに。 著者のその真っ直ぐな姿勢は、深く心に突き刺さります。 軽い気持ちで読む小説ではありません。なぜなら読む側にも真っ直ぐな姿勢が求められるからです。それでも、時折無性に読み返したくなる、魅力的な小説集です。 初期作品5篇が収められ、佐伯一麦入門書としておすすめです。
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