作品情報
家族が変わっていくなかで、少女は自分の居場所と言葉を少しずつ見つけていきます。
『お引越し』は、タブー視されがちだった離婚を、子どもの生活感覚に即して描いた作品です。主人公は父母の別居をめぐる現実に戸惑いながらも、父も母も一人の人間として見つめ直し、自分なりの関係を築こうとします。
書籍情報
- 出版社
- 福音館書店
- 発売日
- 2013-11-15
- ページ数
- 264ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784834080339
- ISBN-10
- 4834080331
- 価格
- 549 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論
「水曜日。今日とうさんがお引越しをした。」とうさんとかあさんが離婚した。お家が二つになった。主人公のレンコは11歳の女の子。当事者でありながら、優れた観察者でもある彼女の透徹した眼差しを通して、80年代の京都を舞台に、親の離婚に巻き込まれた子どもの現実が、多感な少女の心模様とともにみずみずしく描き出される。第1回椋鳩十児童文学賞を受賞した傑作が、奈良美智描き下ろしの装画を得て甦ります。
著者 ひこ・田中 作家・評論家。本作で第一回椋鳩十児童文学賞受賞。『ごめん』で産経児童出版文化賞JR賞受賞。そのほかの著書に、『大人のための児童文学講座』(徳間書店)、『レッツとネコさん』(そうえん社)、『ふしぎなふしぎな子どもの物語』(光文社新書)、『サンタさんったら、もう! 』、『ひっつきむし』(以上、WAVE出版)など。大阪府在住。
レビュー
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映画化もされた素直な物語
親が離婚する。いまどきはよくあることである。 この物語は、親の離婚で生活が変わってしまう子が主人公だが、 ぐれて非行に走るわけでも、登校拒否になるわけでもない。 親の離婚、自分の日常の変化、引っ越しという現実を、淡々と描き出している。 ごく普通の子の、ごく普通の生活が、少し変わる。 いろんな人とのかかわりを通して、彼女は、現実を受け止め、成長していく。 大きなドラマがあるわけでも、泣かされるシーンがあるわけでもないのに、 この物語は心にしっかりと残る。 なぜなら、「作りすぎていない」自然な、素直な物語だからだろう。 子どもたちに、ぜひ一度読んでみてほしいと思う。共感できることがたくさんあるにちがいない。
関連する文学賞
- 椋鳩十児童文学賞 第1回(1991年) ・受賞