日本の文学賞

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慶応三年生まれ七人の旋毛曲り: 漱石・外骨・熊楠・露伴・子規・紅葉・緑雨とその時代

講談社エッセイ賞

慶応三年生まれ七人の旋毛曲り: 漱石・外骨・熊楠・露伴・子規・紅葉・緑雨とその時代

坪内祐三

『慶応三年生まれ七人の旋毛曲り』は、坪内祐三による著作で、講談社エッセイ賞の受賞作として位置づけられる。受賞時の評価を軸に、個人の感覚や時代の空気を作品の形式に引き寄せて読ませる一作である。

著作受賞作現代日本文学

作品情報

『慶応三年生まれ七人の旋毛曲り』は、坪内祐三の表現が受賞によって広く注目された作品である。

『慶応三年生まれ七人の旋毛曲り』は、坪内祐三による著作で、講談社エッセイ賞の受賞作として位置づけられる。受賞時の評価を軸に、個人の感覚や時代の空気を作品の形式に引き寄せて読ませる一作である。 マガジンハウスの刊行情報で単行本・文庫・作品集として確認できるため、受賞作そのものを収録する書籍として扱う。

レビュー要約

  • 刊行形態と受賞歴から、作品のジャンル性と作者の特色を伝える一作として受け止められている。短い形式の作品では凝縮された表現、小説や評論では主題への踏み込みが読みどころになる。

書籍情報

出版社
マガジンハウス
発売日
2001-03-01
ページ数
552ページ
言語
日本語
ISBN-13
9784838712069
ISBN-10
4838712065
価格
4699 JPY
カテゴリ
本/文学・評論

第17回(2001年) 講談社エッセイ賞受賞

レビュー

  • よく知らない人物ばかりですが

    教科書で名前を知っているだけで、登場人物の著作も研究書もほとんど読んだことがない私ですが、ひたすら面白く読み進めています。 明治の制度が混乱期にあって実に様々な学校があったものだと感心しましたが、裕福なエリートばかりと思っていた人々が中退したり退学になったり職場を逃げ出したりしているのはまことに人間味あふれて面白く、後半がどのようになっていくのか楽しみです。

  • 読みものとしても傑作

    同年生まれの文人7人の成長・活動が、時代背景の中に生き生きと描写される。当然相互の交流も詳しく紹介される。 このような構成には素材(対象)に必然性があり、評論に新しい独自の方法を編み出したといえる著者に乾杯。 なお、『随筆明治文学1-3』(柳田泉・東洋文庫)も、並行して読んだが、こちらもおすすめ(こちらからも随時引用されているので)。

  • 上等でした

    上等でした

  • 面白すぎる時代の面白すぎる人たち

    明治時代に少しでも興味を持っている人に読んでもらいたい本です。 ”漱石とその時代”ほど肩ひじをはらず、とはいってもすべて史料にもとづいた(と思われる)確かな時代描写とその時代に生きた人たちを面白く描いています。旋毛曲りの7人たちが死にもの狂いで取り組んでる場面でも、なぜか微笑ましく読み進めることができるのは作者である坪内氏の得意技ではないでしょうか。 明治時代といえば司馬遼太郎が描く、時代を先駆ける志士たちを思い浮かべがちですが、文学界(厳密には斯界に属さない人もいますが)にもおもしろいぐらいアホで壮大な野望を持ち挫折を味わった寵児たちもいたことを改めて実感できます。 ただ、時代を追って記述しているわけではなく、読み切りの短編がいくつも収録されている形!式なので、時代を把握しにくいかもしれません。それから坪内氏独特の文章を嫌っている人には1行ごと虫酸が走るかもしれません。そのへんに気をつけてお試しください。

  • 面白いです。寝食を忘れて読み耽ってしまいました。

    これは名著と言っていいでしょう。お疲れさまでした。ありがとうございました。坪内祐三様。 本当に面白かった。大著ですが,まさに寝食を忘れて(トイレが我慢できないのが腹立たしいほど)読み耽ってしまいました。漱石・外骨・熊楠・露伴・子規・紅葉・緑雨は,慶応三年生まれで同い歳なんだそうです(なんて言いつつ,私は漱石は4冊読んだだけ,外骨は人が外骨について書いたモノをいくつか読んだだけ,子規は国語の教科書でお目にかかっただけ,その他4人については名前を知っている程度でございます)。で,それぞれの生い立ちや青春を丁寧に調べて,オムニバス映画のように坪内さんが語ってくれます。ちょっと引用。幸田露伴の号の由来。北海道から東京に逃げ帰る(東京生まれの露伴が何故北海道におり,また何故逃げるのかという話も面白い)際に詠んだ句「里通しいざ露と寝ん草まくら」からとのこと。 そこら中にうんちく・余談がちりばめられ,飽きません。元は雑誌に連載された文章で,テンポもいい感じ。漱石が病気の親友・正岡子規に送った手紙なども紹介されており,その友情に思わず泣きそうになったりもして…。坪内さんの語り口は下のよう。 「さて,そうこうしている内に,大事な人物について語るのを,しばらく忘れていた。 海外にいるアイツだ。アイツ。 南方熊楠の…(略)」 相当に面白い読み物に仕上がっていると思いますが,残念なのは,この話が日清戦争(明治27年)までで終わってしまったこと。未完というか頓挫というか…。「名著と言っていい」と,「名著」と言い切れないのはこのためです。着地がビシっと決まってない。ま,これも宮武外骨が“好きだ”とおっしゃる,坪内さんなりのお洒落な終わり方〈外骨への敬意の表明〉なのかもしれませんが…。そうねえ。“名著だぞ〜,労作だぞ〜”なんて収め方は,江戸っ子の坪内さんの趣味からすれば“ダサイ”っちゃあそうなんでしょうけど…。しつこくて恐縮ですが内容は面白いです。ご一読をオススメします。

  • 大変な労作

    大変な労作です。 慶応3年生まれの7人をまとめて論じるという発想が実にユニークです。それぞれが個性的な天才、鬼才であり、かつ微妙に人間関係がクロスしています。 坪内さんは、彼らの日記、著作、当時の新聞、雑誌等を丹念に調査し、丁寧に時間軸に沿って7人を人生を追っています。近代日本文学史関連の本で、面白さでは、嵐山光三郎さんの、『文人悪食』『文人暴食』『追悼の達人』に匹敵します。

  • 慶応三年生まれ 七人の旋毛曲り―漱石・外骨・熊楠・露伴・子規・紅葉・緑雨とその時代 (新潮文庫)

    予定の時期に入手が出来て、参考になった。面白い着想の企画だと思うが,本の構成がかなり複雑にならざるを得ず、著者は大変だったであろう。とても面白かった。

  • 終焉しない明治の青春に興奮

    いつまでも永遠に読んでいたいと思った1冊。漱石と子規の同窓に端を発する交流は有名であり、加えて南方熊楠(そして海軍に進む秋山真之)が同齢同窓であることも司馬遼太郎の『坂の上の雲』前半などに描かれているから、ふつうの読書人であれば知っている。また、若くして文壇の寵児となった紅葉に対し、同い年の江戸っことして漱石がもっていた気分も、知っている人が多いだろう。だが、露伴、緑雨、そして外骨までが同じ慶応3年生まれとは驚きだ。同時にその一致に気づけば、偶然として一笑に付してよいどころか、とことんその同時代性を追究して欲しいと思わずにはおられようか。それも、山田風太郎の明治もののような小説(も、大好きですが)としてではなく、史料を自在に引用、多元的な「娯楽的文藝評論または文学史」として結実してくれた著者に大いに感謝したい。 「娯楽的」は褒辞だ。丸谷才一氏の言を待つまでもなく、いかにわが国文学専門家たちの文章がつまらないか。本書はそうした専門家の著作とは天地ほどの差がある。例えば露伴の雅号の由来になった窮乏旅行や、〈新聞小説家・正岡子規〉の意外なストーリーテラーぶりなどを的確に引用し、そこに著者ならではの静かな共感と適度な諧謔がこめられている。その結果、時代状況で格闘する彼らの体温や息づかいまでも感じることができる。

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