作品情報
長い歳月を貫く恋のかたちが、事件の真相とともに浮かび上がる長編です。
マガジンハウス刊。戦時下の少年時代から始まる恋と謎を、昭和史の影を帯びた語りで展開します。本格ミステリ大賞受賞作として、感情の切実さと謎解きの構成を両立させた作品です。
レビュー要約
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恋愛小説としての切なさと、最後に意味が反転する構成が強く印象を残します。ミステリの力技を感じる読者もいますが、情念の深さを支持する反応が目立ちます。
書籍情報
- 出版社
- マガジンハウス
- 発売日
- 2008-01-31
- ページ数
- 441ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784838717675
- ISBN-10
- 4838717679
- 価格
- 638 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論
他者にその存在さえ知られない罪を完全犯罪と呼ぶ。では、他者にその存在さえ知られない恋は完全恋愛と呼ばれるべきか? * 推理作家協会賞受賞の「トリックの名手」T・Mがあえて別名義で書き下した 究極の恋愛小説+本格ミステリ1000枚。 舞台は第二次大戦の末期、昭和20年。福島の温泉地で幕が開く。主人公は東京から疎開してきた中学二年の少年・本庄究(のちに日本を代表する画家となる)。この村で第一の殺人が起こる(被害者は駐留軍のアメリカ兵)。凶器が消えるという不可能犯罪。 そして第二章は、昭和43年。福島の山村にあるはずのナイフが時空を超えて沖縄・西表島にいる女性の胸に突き刺さる、という大トリックが現実となる。 そして第三章。ここでは東京にいるはずの犯人が同時に福島にも出現する、という究極のアリバイ工作。 平成19年、最後に名探偵が登場する。 全ての謎を結ぶのは究が生涯愛し続けた「小仏朋音」という女性だった。
レビュー
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もろもろ特に問題はありませんでした
商品状態、発送、梱包など特に問題になることはありませんでした。ありがとうございました。
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力作
ミステリとしては、とにかく仕掛けやトリックが横溢していて読み応えがあります。 記述は堂々としているし、伏線も丁寧に沢山張られているので、真相の幾つかは見破れると思うが、幾つかには驚くんじゃあないかなと思う。 また、テレビ関係や漫画原作者の仕事もされていた著者らしく、引きがとても上手くて先が気になってページを捲る手が止まらない。 序盤の戦中、戦後の描写もリアリティがあって面白く(戦後にコロッと態度が変わる大人とか)、画家の人生と時代の流れがリンクしていく語り口も感慨深くて良かった。実際に戦中、戦後、現在を生きてきた著者ならではでしょう。 欠点は強引過ぎる幾つかのトリックと、あまりに突拍子の無い真相の一部なのですが、しかし私は「ああ、これが辻真紀だよなあw」と懐かしく思えて嬉しくなりました。若かりし頃読んだ稚気に富んだスーパー&ポテトシリーズ、破天荒なトリックと人間ドラマで深く心に残った瓜生慎・真由子シリーズ。 そう、この豪快で破天荒なミステリこそ辻真紀の真骨頂。 いつの間にか辻作品を読まなくなって久しかったが、匠の腕は衰えていなかった。 個人的には星5つ! 客観的には4つ。お勧めです。
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純粋な推理小説としては、評価する気になれないが…
この「完全恋愛」は、2009年版の「本格ミステリ・ベスト10」など、各種ランキングの上位にランクされている作品なのだが、私が読中・読後を通じて、ずっと感じ続けていたのが、「これは、推理小説といえるのだろうか?」ということだった。というのも、通常、推理小説というのは、探偵役が、結末に向けて、1枚1枚薄皮を剥いでいくように、真相に近付いていく過程を描いていくものだと思うのだが、この作品には、その過程が全く欠けているからなのだ。 この作品では、昭和20年に起こった第1の事件の真相がただちに解明された後、昭和43年に、「ナイフは2300キロの時空を飛んで少女の胸を貫く」という第2の事件が起こる。しかし、この事件については、一応、刑事は登場するものの、「刑事からの連絡はそれっきり途絶えてしまったのである」の一言で、あっけなく捜査が終わってしまうのだ(しかも、この第2の事件発生までに、全438ページの半分以上も掛けている)。 その後の長い伏線の果ての、「彼は同時に二ヶ所に出現した」という昭和62年の第3の事件もまた然りで、平成7年に至り、突然、刑事が「新しい事実をみつけたのです」と現れるのでは、「これは、推理小説ではないだろう」と思ってしまうのだ。 また、第2、第3の事件の謎自体は、大向こう受けのする奇想天外なもので、素晴らしいとは思うのだが、明らかにされたその真相は、いずれも、とても納得のできるものではない。特に、第3の事件のトリックは、一応、それなりの伏線が張ってあることは認めるが、これが許されるのなら、不可能犯罪は何でもできてしまう安直過ぎる禁じ手だと思う。最後に明かされる主人公の純愛の真相も、とても現実にあり得るものとは思えない。 ただ、この小説を、純粋な推理小説として見るのではなく、純愛を描いたミステリ味の効いた一般小説と思えば、それなりに飽きずに読める作品ではあったと思う。
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枯れることにない辻真先さん。手練れの快作。
辻真先=牧薩次(アナグラム)の懐かしさも感じる恋愛小説であり推理小説。 主人公本庄究(きわむ)の生涯をかけた一途な恋心を軸に、敗戦後から平成にかけて3つの殺人事件が起こっていく物語。読んでいる途中で「誰が」「なぜ」「どのように」を推理した付箋を貼りながら読むんですが、半分ほどがほぼ当たり、残りが完全な的外れでした。これくらいの当たり外れがちょうどいい。 辻氏の作品の過度にべたつかない読みやすさとは相性が良くて、今回も堪能できました。2009年度版「このミス」3位は妥当でしょう。 ラスト、隠し通された「完全恋愛」とは?が明かされた時はビックリ。完全に騙されました。うまいよなあ。
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残念ですが、☆2つ!
何とかの第3位?ということで読ませていただきましたが、 ひと言で言うと、がっくりです(汗)。 文章が幼稚、くどい、理解しにくい箇所もあり、何度かページを前に戻って読み返す必要もありました。 風景描写もとってつけたように感じるし・・・・。 要するに、推敲不足であると感じました(生意気言ってすみません…滝汗) トリックは予想通りの箇所もありましたが、総じて、荒唐無稽、現実離れな箇所が多く、支持できません(汗) 作家の名前のトリック?は、まったく余計なひと言のように思えました! ミステリーにこ慣れた方には、おススメでしません。 まぁ、おヒマでしたらどうぞお読みになってください。
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完全犯罪と完全恋愛、「容疑者Xの献身」と甲乙つけがたい傑作
ある画家の壮絶な生涯を、その画家の視点と、弟子の視点から描いた傑作ミステリです。 その生涯には3つの犯罪と秘められた恋が存在しました。 犯罪に用いられるトリックには強引さがあり、非現実的なものもありますが、 一人の男の人生の話としても楽しく読めました。 一気に寝ずに読んでしまったのですが、2009年時点では 「本格ミステリ大賞」受賞作中でも「容疑者Xの献身」と甲乙つけがたい傑作だと思っています。 作中には主人公や生涯の恋人であった朋音さんの他にも印象的な登場人物、 伯父夫妻や師匠の小仏画伯、産科医、町の駐在さん、メアリ中尉などが多く存在し、 ベテランの人物描写に感嘆させられました。 ネタバレになるので多くは語れませんが、「女性が読んだらどう思うだろうか」との疑問も湧きました。
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完全恋愛という壮大なトリックには完全に騙された。
辻真先という作家をご存知だろうか? 古くはNHKの「バス通り裏」や「お笑い三人組」の脚本を手がけ、やがて多くのアニメ脚本も範疇に入れ、小説では「迷犬ルパン・シリーズ」が有名らしいが、私は読んでいない。 ただ名前だけは知っていた。ツジマサキを分解するとマキサツジとなり、牧薩次となる。本書は従来の作風と違うので、辻真先の名前から連想するイメージを払拭するために、名前を変えたのだろうか? さて究極の完全犯罪が犯罪の痕跡すら残さない犯罪としたら、相手が全く気付かないまま、ひたすらその相手を愛し続けていく事を究極の完全恋愛とでも云うのだろうか? 本書が単なる恋愛小説なら、さすがの私も手には取らなかったが、ミステリーなので読む事にした。話しは昭和20年の東京大空襲から始まり、平成まで続き、その間、我々読者は四人の死を見せられるのだが、各々のトリックにはやや難が有るものの、ラスト、完全恋愛という壮大なトリックには完全に騙された。
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とても気に入りました。
ミステ―リーとして非常に面白かったです。著者名からして洒落た感覚として自分に合っていました。
関連する文学賞
- 本格ミステリ大賞 第9回(2009年) ・受賞