書籍情報
- 出版社
- アスキー・メディアワークス
- 発売日
- 2003-02-10
- ページ数
- 296ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784840222778
- ISBN-10
- 4840222770
- 価格
- 341 JPY
- カテゴリ
- 本/コミック・ラノベ・BL/ライトノベル
Amazon.co.jp: キーリ 死者たちは荒野に眠る (電撃文庫 か 10-1) : 壁井 ユカコ, 田上 俊介: 本
レビュー
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女の見方
一読して、女流の作品であるということに納得した。 乾いた文体と、クールな世界観。まことにハードボイルドなできばえの小説であり、ともすると「男性的」と評したい誘惑に駆られる。が、描き出される主人公たちの視座、行動、美意識に、まぎれもなく「オトコの物の見方とは異なる部分」が刻みつけられている。これは、女が書いた、女のための小説だ。だからこそ男も読むべきだ。 ところで、私が若かった頃、新井素子がデビューした。最初の単行本に付された著者近影の、あまりのかわいらしさに、私を含めたSF仲間の野郎どもはみなノックアウトされたものだった。 カバー見返しの著者近影を見て、なんとなく、そんな昔話を思い出した。
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いい。
第9回電撃ゲーム小説大賞受賞作であるこの作品。 最近の電撃小説大賞があまりにもアレな為、改めてこの本を読み直してみたが、やはりすごい。 引き込まれるような世界観と、魅力的でどこか不安にさせられる登場人物。 胸に突き刺さるような切なく繊細な物語は心を揺さぶる。 少女漫画的なきゅんきゅん(死語)させられる展開も用意されている。 下ネタ、ネット用語、ハーレム。 そんな要素にうんざりした方に読んで欲しい傑作。
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やっぱり「今」の物語です。
キーリ、教会寄宿舎学校の学生。14歳。 他の生徒はみんな相部屋なんですが、彼女だけは一人。というのは彼女の部屋には元その部屋で生活していたベッカという霊がいて、何故かキーリは彼女の存在を感受できてしまう。 そんなわけで、当然のように周りからは敬遠され、孤独を生きています。ま、でも、ベッカがいるからさみしくはないのですが(そーゆーところがまた、敬遠される原因)。 ある日キーリは不死人ハーヴェイと出会います。彼が携えているラジオにも「兵長」と呼ばれる霊が住み着いていて、キーリはそれも判ります。そうした特殊能力が彼女を疎外するのですが、だからこそ、キーリはハーヴェイに興味を持ちます。「兵長」をラジオから、彼の墓場まで届ける旅をハーヴェイはしていて、キーリは学校の休みを利用して(孤児で友達なしの、彼女は休みは孤独です)、宿題のレポートを書くのを口実に、彼らに同行する。 そうして始まる奇妙な4人の列車の旅。 実は不死人とは80年前の世界戦争の時作られた、再生能力を持つ兵で、今は見つけ次第殺してしまうことになっていて、危険な影が、ストーリーの緊張度を高めます。 それぞれの孤独が寄り添った物語を、甘く切なくなるギリギリの辺りで止める作者の腕は買い。 やっぱり「今」の物語です。
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シリーズ第1作(この本がシリーズの始まり)
舞台は,遠い未来の植民惑星。80年前の戦争により文明は衰退し,教会が権力を持ち統治 する中世のような社会に戻っている。 その80年前の戦争の生き残りと,戦争で死んだ兵隊の霊,霊感を持った身よりの無い少女 の三人が,1週間ほどの旅をする物語。明日への希望を持てずに生きてきた三人の冷めた 心に,その旅で,暖かい火がともり,三人がそれぞれ変わっていくハートウォーミングス トーリー。 戦争もちょっぴりあり,命がけの戦いもある。でも,本題は,心。人と人の関わりから生 まれてくる心の変化や,お互いに心を通わせて心で支え合って生きていく人間の心の姿が 本題。心の繋がりも,ベタベタの恋愛や「萌え」ではなく,友情,親愛,家族愛のような 感情。 人生を旅するのも,こういうパートナーたちと一緒だったら辛くないと思える物語です。
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男性と女性の捉え方
読み終えて思ったのは、やはり男作家と女作家の書く内容は若干の違いが出るなあでした。 壁井先生は良い意味でやはり女性作家だと思います。 どちらかと言えば女の子のファン読者が多いのではないでしょうか。 全体的に、内容は女性に好感を持たれるような内容だと率直に思いました。 主人公キーリの全体の描写や彼女のハーヴェイに対する想い。 きっとこれは、女性にしか描けない(男性では例え達筆な作家さんでも、ここの描写はあまり重点しない)という部分が多く見られました。 男性側では、こうは描けないと断言が出来ます。 だからこそ壁井さんの魅力であり、キーリにその魅力が凝縮されている。 僕の目の前にある日ナイスバディな美少女が〜と言うありきたりな話を書く男性作家さん、壁井先生のこのキーリを是非とも読んで頂きたい。 そして男性の方にももっともっと読んで頂きたい。
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心の一冊
偶然に手に取った初めてのライトノベルがコレでした。ライトノベルを山のように読んだ今となってもこの本との出会いは忘れることができません。 舞台は戦争で荒廃した惑星。地味な霊感少女と不死のやさぐれ青年が、保護者のラジオの憑依霊と一緒に旅をしながら、や「意味」「居場所」を求めゆく話。 ローテンポな展開で、lightというよりむしろ、しっとりheavyです。雨の日の読書に似合う気がします。 デビュー作とは思えないしっかりとした文章力で、丁寧な心理描写がなされているため、用意に感情移入可能で、ごく単純に、純粋に、感動できました。 少女漫画的という評価をどこかでみましたが、なるほど、同意です。それほどにその心理描写は細かくて綺麗なんです。本当にピュアな心の声に浄化される思いです。 全9巻をよんで、壁井さんのファンになりました。こんなに温かな気持ちになれる本を私は他に知りません。キーリと会えてよかった(笑)
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大賞作品だけあります。
キーリ<死者たちは荒野に眠る> 霊感が強く、霊が見える主人公のキーリと、不死人のハーヴェイ。 ラジオの憑依霊、兵長たちの冒険ストーリー。 簡潔にいえば、こんなストーリーです。 文章がとても綺麗で、読んでいて違和感がありません。 また、とても鮮明に書かれているので、頭の中でその立場、光景が想像できます。 絵も綺麗で、雰囲気が伝わってきます。 会話文も申し分ないし、お勧めの作品です。
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外面よりも、内面で読ませるタイプの傑作です。
さすがは【大賞】だな、と。 思わずそう感じてしまった作品です。 正直に言ってしまうと、ストーリーの流れ自体には、 それほど目新しいものも珍しいものもなかったような印象なのですが、 高い文章力がそれを悠々と補っておりました。 改行が少なめなのが壁井ユカコ先生の特徴で、 そのため読むのにも時間がかかるハズなのですが、 読んでいる最中にはまったくそんなことは気にならないほどです。 特に主人公の少女のさまざまな感情描写の数々は、 「物語の中で、確かにそのキャラクターが生きている」ということを感じさせてくれます。 内容の構成としては、6つのエピソードが収録されていて、 基本的には1話完結。けれど一連の流れとしてストーリーは繋がっていいる。という造り。 翌年【大賞】を受賞した有川浩先生の【塩の街】と比べられがちなようですが、 【塩の街】がSFの舞台背景を元に、現実として起こりえそうな世界の流れと、人々の思いを描いた、 20代~40代という幅広い方々に好まれる作品であるという印象であるのに対し、 【キーリ】はSFの世界観とさまざまな人達と触れあう、1人の少女の成長の様を描いた、 10代向け(内容が子供向けという意味ではありません)の青春小説であるような印象を受けたので、 個人的に、あんまり似てるような気はしませんでしたね。 あ、もちろん、どちらも素晴らしい作品であることに変わりはありませんよー。
関連する文学賞
- 電撃小説大賞 第9回(2002年) ・大賞