日本の文学賞

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アンダー・ラグ・ロッキング (電撃文庫 な 10-1)

電撃hp短編小説賞

アンダー・ラグ・ロッキング (電撃文庫 な 10-1)

名瀬樹

名瀬樹の連作短編集『アンダー・ラグ・ロッキング』に収められた受賞作。終わりの見えない戦争の中、幼くして兵士となった春と雪生が、狙撃室で互いを支えながら生きる姿を描く。幻想的な戦場の静けさと喪失感が重なる。

ライトノベル戦争少年兵喪失

作品情報

月明かりの戦場で、少年たちは戻れない故郷を思いながら寄り添う。

応募時タイトル『雪の彼方へ』は、第2回電撃hp短編小説賞の受賞作で、後に電撃文庫『アンダー・ラグ・ロッキング』へ収録された。単独書籍ではないため、識別子は収録書籍のものを用いた。

レビュー要約

  • 戦争を題材にしながら、前線の激しさよりも少年たちの親密な時間と郷愁に焦点がある。幻想性と痛みのある青春譚として印象を残す。

書籍情報

出版社
メディアワークス
発売日
2003-06-01
ページ数
275ページ
言語
日本語
ISBN-13
9784840223904
ISBN-10
4840223904
価格
56 JPY
カテゴリ
本/コミック・ラノベ・BL/ライトノベル

Amazon.co.jp: アンダー・ラグ・ロッキング (電撃文庫 な 10-1) : 名瀬 樹, かずと いずみ: 本

レビュー

  • 最後の一文

    クローン。戦闘用覚醒剤。少年兵。世界の悪意に満ちた要素を一挙に詰め込んだ今作は、少年と少女が下した決断が世界を一変させるという場面から始まる。とはいえ、この一変した「世界」というのはあくまで少年と少女にとっての小さな世界であり、世界の根本的な悪意は変わりなく存在し続けてしまう。 「今、僕の隣に――」という最後の一文が静かに心に触れる。 時系列的に、最終話が最初の話の直前にあたる構成になっている。 物語は冬に始まり、夏祭りの夜に終わる。 世界の悪意に対して二人は無邪気に反抗を続けていく。その結末について、二人はできるだけ考えないようにしているようでもあった。

  • 深い作品です。

    主人公の二人は狙撃兵として人を殺し、また自らの命も狙われている。 そんな環境の中で本当に信じられる相手はいるのだろうか? そんな問いを投げかけられた気がします。 お互いを必要とするから信じあう。信じるものが無いと心が耐えられから。 信じるものは自分が戦争でなくしてしまった何か。 それは、人によって違うもので、その面影を相手に重ねる。 そんな脆く、崩れそうだけど強い。複雑な感情の入り混じった気持ち。 それらを短編連作という形で綴ったこの作品はとてもよかったと思います。 少し読み手を選ぶ作品かもしれませんが、このような雰囲気を感じたいと思った人にはとてもお勧めできる作品です。

  • いい話。感動した。

    いい話です。感動しました。とても静かで詩のような作品です。「あの二人はどうなったのかなぁ・・。」と想像させる終わりかたがとてもいい。「できれば生きてて欲しい。幸せであって欲しい。」と願いたくなる。

  • 発生源は一言に。

    著者の作品初購入。 沈鬱とした表紙が購入起因。 雪と少女の白色が相応しい清新を想起させている。 現実世界で言う「チルドレンソルジャー」が主人公であり、彼らの視点で物語は進展する。 自らの意思は大事の前の小事と度外視され、国の俎上の肉と化して戦場に駆り出される子供達。 当然、不本意なまま戦闘参加を強制される子供たちは厭世観や虚無主義に覆われる人物もいる。 回想形式で語られる物語は、千変一律食傷状態のラノベ群とは一線を画す氷炭の空気感で満たされている。 暗澹で辛苦な主人公達の心境は、平和ボケした行尸走肉によく染みる。 自堕落で腐敗した生活をも羨む人物がいるかもしれない。 戦車や兵器描写は些少ならず存在しますが、普段ミリタリ系を読書しない自分でも抵抗なく受容できる、説明程度の描写でした。 陳腐な萌えハーレムモノに辟易としており、ラノベを読む時間的余裕を有している方におすすめします。

  • 万人向けではないけれど…。

    悲しいお話です。 おっと、「悲しい」にも色々ありますね。 このお話の悲しさは、過去形故とでも言うべきものです。 表面上は戦争に巻き込まれた少年少女のお話ですが、 そういったありふれた部分だけが本質なのではありません。 ―救いなき者の見る明日など、空しいだけなのか? この作者はそれにひとつの答えを提示してみせました。 これから先の作品にも期待が持てます。 決して万人向けのテーマではありませんが…。

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