鎌鼬
『鎌鼬』は、細江英公が舞踏家・土方巽を秋田の農村などで撮影した写真集である。土方の身体、東北の風土、写真家自身の記憶が交錯し、戦後写真の主観的で物語性の強い表現を代表する作品となった。
作品情報
土方巽の身体を通じて、東北の風土と記憶を焼き付けた写真集。
1969年刊行の代表作で、青幻舎の復刻版により ISBN とページ数を確認できる。舞踏の即興性と農村の空気をモノクロームの連続として組み立て、写真集そのものをひとつの劇場のように成立させている。
書籍情報
- 出版社
- 青幻舎
- 発売日
- 2005-04-30
- ページ数
- 41ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784861520358
- ISBN-10
- 4861520355
- 価格
- 68000 JPY
- カテゴリ
- 本/エンターテイメント/ステージ・ダンス/ダンス・バレエ
写真家・細江英公と舞踏の創始者・土方巽との濃密なコラボレーションにより誕生した名作『鎌鼬』。巣鴨とげぬき地蔵、葛飾界隈、そして秋田の伝統的な農村風景を舞台に、土方巽はパフォーマンスを鮮烈に繰り広げた。 人々との遭遇によって生じる波紋、そして疾走する土方巽の魂と肉体に共振しながら、風土への官能、生と死のオルガズムを深めていく細江の眼差し。ここに、日本の原風景と記憶はモノクロームで焼き付けられた。 「鎌鼬」は、東北の霊気を宿す伝説上の生きもの。農村に出没し、出会い頭に人を鋭く切り裂くという。深いブルーの扉型のページを開くたび、鎌鼬の生息する劇場に誘い込まれる。 本書は、本体、カバー、スリップケースに至るまで完全復刻される。
細江英公 1933年、山形県生まれ。 半世紀余にわたり、自己の内面的な意識を写真として表現することを探求し続け、独自の映像美学は国際的な評価を得ている。安保闘争に揺れる1960年に発表した『おとこと女』では肉体を裸形のオブジェにまで解放し、二つの性の拮抗するドラマを鮮烈なコントラストで描出。このとき被写体のうちの一人が土方巽だった。 さらに1963年、三島由紀夫を被写体としてバロック的な耽美空間を構築した『薔薇刑』を発表。 そして再び土方巽とのコラボレーションが結実し、不朽の名作『鎌鼬』を生んだ。